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  • 昭和32年度|
  • 第3章 政府関係機関の会計|
  • 第2節 各政府関係機関別の不当事項|
  • 第3 日本電信電話公社|
  • 不当事項|
  • 工事

撤去した部品の利用を考慮しなかったため不経済となっているもの


(495) 撤去した部品の利用を考慮しなかったため不経済となっているもの

(項)保守費

 日本電信電話公社近畿電気通信局大阪管理部ほか2箇所(注) で昭和32年10月から12月までの間に、指名競争契約により都築電話工業株式会社にH2号1次プレセレクター54,600個の断続バネ組立部品(接点)取付工事を8,064,000円で請け負わせ、取付金具等材料11,915,271円を支給しているが、再使用可能な取付金具を利用しないで売却したため約250万円が不経済となっている。
 右は、H2号1次プレセレクターのワイパーの落込障害等による加入電話の疎通不能を防止するために、接点の取付孔のない既設取付金具を撤去し、接点取付孔のある取付金具に取り替えたうえ、これに接点を取り付ける工事であって、このため新品の取付金具54,600個を1個当り74円90価額4,089,540円で購入のうえ支給したものであるが、撤去した既設取付金具と新しい取付金具とを比べると形状、大きさ、材質はいずれも同一であって、既設取付金具に接点を取り付けるためのねじ穴2個をあければ十分再使用することが可能であるから、あらかじめ本件工事用として必要数の取替用運転部品を準備し、その他は撤去取付金具を逐次加工のうえ実施したとすれば、前記のように新品の取付金具を多量に購入する要はなかったものである。
 しかして、撤去した取付金具にねじ穴を2個あけたうえメッキする加工費は、本院の調査によれば1個当り15円から22円59であるから、いま、仮に取替用運転部品として必要な新品取付金具の数量を6,000個程度、撤去した取付金具の加工費を1個当り22円59として計算すれば撤去した取付金具を売却した代金30,221円を考慮しても約250万円は節減することができたものである。

(注)  近畿電気通信局大阪管理部、横浜、神戸両中央電話局