中小企業金融公庫の昭和32年度中の新規貸付実行額は、設備資金394億7千2百余万円(71.4%)、運転資金157億7千9百余万円(28.6%)計552億5千1百余万円で、これから回収額301億1千余万円および滞貸償却額1億9千8百余万円を差し引いた年間純増加額は249億4千2百余万円に上リ、年度末貸付残高は890億1千4百余万円となっている。
新規貸付実行額のうち代理店扱のものは478億8千1百余万円(86.7%)で、直接貸付は73億7千余万円(13.3%)となっており、この直接貸付については30年10月にこれを開始して以来支店増設等によってその伸張に努めてきたものであるが、本年度においては前年度の24億5百余万円に比べて3倍余の大幅な増加を示している。
32年度においては、一応10億3千5百余万円の利益をあげたが、これを全額滞貸償却引当金等に繰り入れたため国庫に納付すべき利益金はなかった。
なお、日本開発銀行からの承継貸付金は本年度中10億4千2百余万円を回収し1億9千6百余万円を償却したため年度末貸付残高は18億4千5百余万円となり、承継額119億8千余万円に対し15.4%に減少した。