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  • 昭和35年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の事項|
  • 第1 裁判所|
  • 不当事項|
  • 工事

諸経費を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの


(1) 諸経費を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの

 (一般会計) (組織)裁判所 (項)裁判所施設費

 最高裁判所で、昭和36年2月、指名競争契約により三機工業株式会社に東京地方裁判所刑事部東京簡易裁判所合同庁舎冷暖房設備第2期工事を48,000,000円で請け負わせ施行しているが、予定価格の算出にあたり諸経費の積算が過大であったため、ひいて工事費が約300万円高価となっていると認められる。

 本件工事は、ボイラー室機械設備、ダクト、配管の一部および送風機設備等を施行するもので、その予定価格は48,004,310円となっているが、このうち主要部分をしめるボイラー室機械設備工事費についてみると、ボイラーの指定メーカーである横山工業株式会社および三菱商事株式会社(株式会社安藤鉄工所販売代理店)から見積書を徴し、主として横山工業株式会社の見積額23,500,000円に基づき算出された23,470,500円に貯油そう2基、還水そう1基について別途調査した821,000円を加えて直接工事費を24,291,500円と積算し、これに諸経費としてその13%、3,157,895円を加え計27,449,395円と算出したものである。

 しかして、前記両会社の見積額は、いずれもすえ付渡しの価格(仮設経費を除く。)であって引渡しまでの諸経費が算入されており、また、この種工事は単独の工事としてメーカーに直接施行させてもとくに支障があるとは認められないから、ボイラー室機械設備工事については、前記指定メーカーから提出させた見積額に、貯油そうおよび還水そうに要する工事費を加えて積算すれば足り、見積額にさらに諸経費13%を加算する要はなかったものと認められる。
 いま、仮に横山工業株式会社の見積額23,500,000円に、見積り外となっている貯油そう2基、還水そう1基分とその諸経費との計927,730円を加えて予定価格を修正計算すると44,982,645円となり、ひいて本件工事費は約300万円を節減することができたものと認められる。