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  • 昭和35年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の事項|
  • 第2 総理府|
  • (防衛庁)|
  • 不当事項|
  • 工事

送油施設工事の施行にあたり送油管等の埋設深度が設計と相違しているもの


(4) 送油施設工事の施行にあたり送油管等の埋設深度が設計と相違しているもの

 (一般会計) (組織)防衛本庁 (項)施設整備費

 防衛庁名古屋建設部で、昭和35年10月、指名競争契約により日本化工建設株式会社に航空自衛隊小松基地POL機械設備工事を63,214,300円(当初契約額61,800,000円)で請け負わせ36年5月完成しているが、監督および検収が適切を欠いたため、送油管等の埋設が設計と相違して浅く施行されているものをそのまま受領しており、これが保全のための手直し等の処置が必要と認められるのになんらの処置を講じておらず、送油管等の安全度も低下したままとなっている。

 本件工事は、小松基地の給油施設のうち国鉄粟津駅専用線から基地内のサービスタンクまでの間約6,700メートルに送油管を敷設し、あわせて連絡用電話ケーブル約5,000メートルを埋設するなどの工事で、送油管等の敷設は設計のとおり管底高を基準線上0.34メートルから9.85メートルで施行したこととしているが、実際は管底高は基準線上0.94メートルから10.38メートルで施行されており、前記敷設区間約6,700メートルのうち設計どおり施行されているものは300メートル程度にすぎず、ほとんど全区間にわたって設計と相違して平均約0.36メートル浅く敷設されており、その著しい箇所では1.31メートルの開差があり、送油管等の安全度も低下しているものと認められる。また、送油管敷設区間に築造した鉄筋コンクリート造りドレーンピット14個のうち13個も同様設計に比べて浅く施行されたため路上に0.2メートルから0.7メートルも露出している状況である。

 しかして、当局は本院の指摘により急きょ再調査したが、検収後の設計変更は不可能であり、しかも、送油開始後の手直しも困難であるとして、精算変更の名目で、減少した掘さくおよび埋めもどし各2,419立米分の工事費相当額571,700円を請負金額から減額したにすぎず、送油管等の保全に必要な手直工事の施行についてはなんらの配慮もしていない。
 いま、設計どおりに手直しすれば、当局者の計算によるも約840万円を要するものである。
 なお、測点STA37付近の埋設配管に段差を生じたため約28万円でドレーンピット1個を増設しているが、送油管敷設工事を設計どおり施行したならば、その必要はなかったものである。