(郵政事業特別会計の経理について)
昭和35年度の収益総額は1473億9001万余円、これに対し損失総額は1491億5575万余円で、当期欠損金17億6573万余円を計上している。同年度で欠損金を生じたのは、固定資産の第2次再評価実施に伴う減価償却にあたり普通償却費のほか償却修正額45億9038万余円を計上していることによるものである。しかして、欠損金は、積立金5206万余円があるのでこれをその減額に充て、残額17億1366万余円を繰越欠損金に計理することとしている。
36年3月、昭和35年度特別会計予算の予算総則第10条第2項(業績賞与)の規定により予定外増収分4億1300万円、経費節減分10億円として計14億1300万円の経費使用の要求をしその承認を受けているが、使用承認額14億1300万円に対し、17億4988万余円を支出し、使用承認額を3億3688万余円超過したこととなっている。しかして、この超過額は予算に残額を生じた他の科目の支出額に組み替えて計理し、超過支出がなかったこととして決算を了している。
35年度で、固定資産の第2次再評価を実施し、再評価実施前の資産価格580億2108万余円に対し、再評価価格は1208億9841万余円で固定資産価格628億7732万余円が増加しており、他方、再評価に伴う減価償却修正額として45億9038万余円を減価償却費に計理し決算を了しているが、再評価実施の結果をみると、誤って再評価を漏らしたり、計算の根拠となった数値に過誤があったりしたため再評価価格および減価償却費に誤びゅうをきたしているものが判明しているものだけでも1億円をこえており、これらの計算についてはさらにすみやかに検討のうえ是正する要がある。