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  • 昭和35年度|
  • 第2章 国の会計|
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  • 第9 郵政省|
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材料費を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの


(235) 材料費を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの

 (一般会計) (組織)郵政本省 (項)電波研究所

 郵政省電波研究所で、昭和36年2月、指名競争契約により日本電気株式会社に30メートルパラボラ空中線基礎台工事を9,350,000円で請け負わせ施行しているが、材料費の積算が適切を欠いたため予定価格が過大となり、ひいて工事費が約63万円高価となっていると認められる。
 本件工事は、茨城県鹿島郡鹿島町に建設するパラボラ空中線装置の基礎鉄筋コンクリート526立米を施行したものであるが、予定価格9,400,000円についてみると、うち材料費の積算において

(ア) セメント2,550袋、砂260立米、砂利520立米を積算しているが、コンクリート配合比による所要量はセメント2,444袋、砂248立米、砂利496立米であって、セメント106袋、砂12立米、砂利24立米は過大に積算されている。
 また、単価もセメント1袋当り400円は、小口販売価格によっているが、このように多量を使用する場合には大口販売価格で積算するのが妥当であり、砂立米当り720円、砂利立米当り1,300円は東京における市場価格によっているが、これは工事現場に近い佐原および水戸付近における価格砂650円程度、砂利850円程度により積算するのが妥当である。

(イ) 鉄筋の価格は、各種規格の所要量計30トンに対し、東京における小口販売価格トン当り40,000円により計算しているが、このような場合は大口販売価格で規格別単価により計算するのが妥当である。

 いま、以上により予定価格を修正計算するとセメント、砂、砂利分の計上額1,883,200円は1,362,436円、鉄筋分の計上額1,200,000円は1,123,420円となるので各差額の合計597,344円に一般管理費および利益相当額を加算した689,932円が過大に積算されていることとなり、ひいて工事費約63万円が高価となっていると認められる。