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  • 昭和35年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項|
  • 第1 日本専売公社|
  • 不当事項|
  • 補助金

塩業整理交付金の交付にあたり処置当を得ないヽもの


(326)−(327) 塩業整理交付金の交付にあたり処置当を得ないもの

 (項)塩業整理交付金

 日本専売公社で塩業整備臨時措置法に基づいて塩業を廃止するものに交付した塩業整理交付金308事項43億5199万余円について、昭和36年中、東京ほか9地方局管内の48事項36億0562万余円を実地に検査したところ、現地についての調査が十分でなかったなどのため交付が適正を欠いたと認められるものが次のとおりある。

(326)  日本専売公社で、昭和35年9月、日本天然瓦斯興業株式会社に対する塩業整理交付金を26,910,466円と決定し、東京地方局で同月その全額を交付しているものがあるが、ガスおよび水採取用坑井ならびにガス配管についての現地調査が不十分であったため3,416,766円が過大に交付されている。
 本件交付金の対象とした製塩施設のうち坑井およびガス配管については、前記会社が35年3月、塩の製造を廃止するに伴って、坑井10本価額5,630,996円およびこの坑井を連結しているガス配管延長5,046メートル価額3,348,431円は廃止されたものとして、その処分見込価額を坑井は281,800円、ガス配管は0円とし、これを控除した金額8,697,627円を交付したものであるが、うち坑井4本価額2,447,000円(処分見込価額132,420円を控除したもの)およびガス配管延長1,482メートル価額969,766円は同会社が塩の製造を廃止した後においてはガス、沃度部門で使用しているものであるのに、日本専売公社では現地調査の際この4本の坑井に近接した旧廃坑等を本件坑井と誤認し、製塩用坑井およびガス配管が廃止されたものとして交付金を決定して交付したため3,416,766円が過大に交付されている。

(327)  日本専売公社で、昭和35年8月、日新産業株式会社に対する塩業整理交付金を54,913,842円と決定し、高松地方局で34年12月から35年8月までの間にその全額を交付しているが、電気供給施設利用権については、その電気供給施設を製塩廃止前において塩部門および化学薬品部門でともに利用していたのに、これを考慮することなく塩部門の専用施設であるとして交付金を決定して交付したため704,461円が過大に交付されている。
 本件交付金の対象とした電気供給施設利用権については、前記会社が34年9月、塩の製造を廃止するに伴って、価額2,250,674円の全額を交付したものであるが、電気供給施設は同会社が塩の製造廃止前において兼業部門である化学薬品部門ととも利用していたものであるから、兼業部門との利用割合によって交付金を算定するのが相当と認められる。
 いま、仮に電気供給施設利用権について両部門の利用割合によって計算すれば塩部門は68.7%で交付金は1,546,213円となり、704,461円が過大に交付されている。