昭和35年度決算についてみると、営業損益は81億6946万余円の利益、営業外損益は27億0121万余円の損失で、差引き54億6824万余円の純利益を計上している。これを前年度の営業利益27億9115万余円、営業外利益6億7424万余円計純利益34億6539万余円に比べると、営業利益において53億7831万余円の増加、営業外利益において33億7545万余円の減少で、純利益においては20億0285万余円の増加となっている。
営業利益が増加したのは、経済の好況を反映して輸送量において旅客8.5%、貨物7.8%が増加したなどのため、営業収入は4074億6858万余円となって396億7409万余円10.7%が増加したのに対し、一方、営業経費は3992億9911万余円となり、342億9577万余円9.3%の増加にとどまったことによるものである。経費増加のおもなものは人件費200億8265万余円、利子及び債務取扱諸費62億3715万余円である。
昭和35年度の修繕費および工事経費の決算額は、修繕費572億2363万余円、工事経費1164億0570万余円であるが、修繕費は支出予算現額587億2926万余円に対して15億0563万余円を翌年度に繰り越している。工事経費は前年度決算額1075億8784万余円に比べて88億1786万余円の増加となっており、支出予算現額1419億4500万余円に対して253億6518万余円を翌年度に繰り越し、1億7411万余円を不用額としている。繰越額が前年度に比べて134億3628万余円増加しているのは用地買収がはかどらなかったことなどによるものである。
検査の結果についてみると、予定価格の積算、現場における指導監督および検収が適切を欠いているものがなお見受けられるからその適正を期するよう一段の留意が望ましい。
昭和35年度における貯蔵品の購入額は1164億1486万余円、年度末貯蔵品残高は200億7343万余円で、前年度末の173億5856万余円に比べて、整理単価の改訂増等があったため27億1487万余円増加しており、その回転率を石炭および車両を除いた一般貯蔵品についてみると、前記改訂増等の影響を受けたため4.16となっていて前年度の4.48に比べて低下を示している。