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  • 昭和35年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項|
  • 第2 日本国有鉄道|
  • 不当事頂|
  • 工事

機械損料等を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの


(328)−(329) 機械損料等を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの

 (工事勘定) (項)諸設備費

 日本国有鉄道札幌工事局で、機械損料等を過大に積算したため工事費が高価となっていると認められるものが次のとおりある。

(328)  日本国有鉄道札幌工事局で、昭和35年3月、指名競争後の随意契約により札建工業株式会社に岩見沢駅(操)改良工事その3(路盤その他)を59,903,881円(当初契約額61,620,000円)で請け負わせ35年11月完成しているが、機械損料等の積算が適切を欠いたため予定価格が過大となり工事費が約960万円高価となっていると認められる。
 本件工事は、岩見沢駅(操車揚)改良のため路盤構築等を施行するものであるが、主体工事である盛土74,882立米の採取、積込み、運搬に使用する機械1時間当りの作業量はパワーショベル、ブルドーザについては作業効率(機械の移動、整備、運転手の小休止等による能率低下)等を、また、ダンプトラックについては走行距離等を考慮して算定し、1日当りの作業量はいずれも6時間か働とし、この作業量で工事数量を除して作業日数を求め、8時間にこの作業日数を乗じたものを延使用時間とし、各機械の1時間当りの損料および燃料費にこの延使用時間を乗じて機械損料31,036,290円、燃料費7,768,654円計38,804,944円(一般経費を含む。)と積算している。
 しかして、延使用時間を算出するにあたり1日8時間としたのは、1日の実作業時間6時間に作業効率等を考慮しか働時間を8時間としたものであるというのであるが、1時間当りの機械損料および燃料費は作業効率等を考慮したか働1時間当りの作業量に対する所要額を算定しているものであるから、延使用時間は6時間に前記作業日数を乗じたもので積算するのが適当と認められ、現に、他工事局の積算事例もすべてこのような積算方法によっている状況である。
 いま、仮に1日6時間とした延使用時間により機械損料および燃料費を計算すると機械損料23,201,887円、燃料費5,826,352円計29,028,239円(一般経費を含む。)で、これにより工事費を修正計算すると50,296,291円となり本件請負額はこれに比べて約960万円高価となっていると認められる。

(329)  日本国有鉄道札幌工事局で、昭和35年3月、指名競争後の随意契約により鉄道建設興業株式会社に東室蘭操車場改良工事その10(路盤)を15,296,212円(当初契約額10,409,704円)で請け負わせ35年8月完成しているが、主体工事である盛土17,609立米、切取り24,858立米の採取、積込み、運搬に要する経費のうちパワーショベル、ブルドーザおよびダンプトラックの機械損料および燃料費として積算されている9,984,249円(一般経費を含む。)は、前記(328)と同様の計算によっているため予定価格の積算が過大となり、工事費が約250万円高価となっていると認められる。