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  • 昭和35年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項|
  • 第3 日本電信電話公社|
  • 不当事頂|
  • 工事

契約にあたり処置当を得なかったなどのため工事費が高価と認められるもの


(335)−(336) 契約にあたり処置当を得なかったなどのため工事費が高価と認められるもの

 (建設勘定) (項)局舎建設費

 日本電信電話公社東北電気通信局で、契約にあたり処置当を得なかったなどのため工事費が高価となっていると認められるものが次のとおりある。

(335)  日本電信電話公社東北電気通信局で、昭和36年2月、指名競争契約により東北セメント工業株式会社に塩釜電報電話局基礎杭打工事を工事費17,703,000円(当初契約額17,550,000円)で請け負わせ施行しているが、契約処置が適切でなかったなどのため約185万円が高価となっていると認められる。
 本件工事は、局舎建築の基礎としてコンクリートパイル長さ4メートルから13.5メートルのもの630本を打ち込むもので、その配筋は仕様書においては単に最小限9ミリメートル鉄筋6本以上と指定していたが、13.5メートルのもの205本については、当初径13ミリメートルの鉄筋12本を配筋したもので施行することとして、業者からあらかじめ見積りを徴したものである。しかしながら、契約前に径9ミリメートルの鉄筋8本を配筋したもので施行すれば足りることが判明したので設計を変更することとしたのに、契約にあたってはその旨を明示することなく、また、事務連絡の不徹底から予定価格も径13ミリメートル鉄筋12本配筋のものを使用することとして作成し、そのまま入札を行なったため業者は径13ミリメートル鉄筋12本配筋のものを使用することとして入札したものである。しかし、契約後現場監督員の指示により請負人は径9ミリメートル鉄筋8本配筋のもので施行しているのであるから、当然減額の処置をとるべきであったと認められるのにこれを怠ったため約155万円が高価となっていると認められる。また、このコンクリートパイルは設計においてJISマーク表示許可工場の製品を使用するよう指示していたのに、うち105本はJISマークの表示を許可されていない前記請負人の工場で製造したものを使用しており、当局の計算によっても約30万円が高価となっていると認められる。
 なお、当局は請負人から36年11月14日前記高価となっている金額を返納させた。

(336)  日本電信電話公社東北電気通信局で、昭和35年8月、指名競争契約により東北セメント工業株式会社に石巻電報電話局基礎杭打工事を工事費11,075,000円(当初契約額10,870,000円)で請け負わせ施行しているが、本件工事は局舎建築の基礎としてコンクリートパイル長さ9メートルまたは10メートルのもの521本を打ち込むもので、コンクリートパイルは設計においてJIS規格品を使用するよう指示していたのに、このうち308本は請負人の工場で製造したJIS規格品でないものを使用しており、当局の計算によっても約97万円が高価となっていると認められる。
 なお、当局は請負人から36年11月14日前記高価となっている金額を返納させた。