ページトップ
  • 昭和35年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項|
  • 第3 日本電信電話公社|
  • 不当事頂|
  • 物件

仕様書が不備であったなどのため不経済となっているもの


(337) 仕様書が不備であったなどのため不経済となっているもの

 日本電信電話公社で、昭和35年5月、随意契約により日本通信機器工業協同組合から20個付12号EGランプ受口12,100個を価額18,500,900円で購入しているが、仕様書が不備であったなどのため約203万円が不経済となっている。
 本件ランプ受口は、6号形市外用交換台の主要構成品で、この受口に交換用表示ランプをそう入し使用するものであるが、前記12,100個のうち大阪第3市外局開始工事用として送付された9,988個につき、36年1月、ランプそう入時にランプ口金によってランプ受口のしゃ光壁とばねとが短絡して電話の交換が不可能となることが発見され、この結果他の工事に送付された分も合わせ11,482個について工事費2,231,077円で、テフロンチューブによる短絡防止の処置を講じたものである。
 前記障害は、ランプ受口のしゃ光壁がアルミニューム製品であるからしゃ光壁孔の電気絶縁は完全でなければならないのに、これが不完全であったため、しゃ光壁孔とランプ口金とが接触することによって発生したものであるが、このようなことは当然予想されることであるから、しゃ光壁孔の電気絶縁は必然的に行なわなければならず、このことを仕様書において明確に指定すべきであったのに、仕様書においては単に防しゅう塗装をすることとしただけでこの絶縁対策を明示しておらず、検査にあたっては仕様書において明示されていないことを理由としてしゃ光壁の絶縁に関する検査を行なわなかったため前記のように交換不能の状態をひき起し、ひいては短絡防止工事費として2,231,077円を要する結果となったもので、前記協同組合が負担した197,800円を差し引いても約203万円が不経済となっている。