日本道路公団の昭和35事業年度末資本金は90億3904万余円(全額政府出資)である。
35事業年度に実施した道路等の建設は、前事業年度からの継続事業として名神高速道路ほか21道路1駐車場、新規事業として10道路1駐車場を建設する計画に対し、継続事業は計画どおり、新規事業は5道路1駐車場の建設を行ない、建設費の決算額は予算現額276億6609万余円に対し152億4264万余円(55.1%)で、前事業年度の決算額に比べて32億8037万余円増加している。建設費のうち名神高速道路建設費は、予算現額185億4149万余円に対し決算額90億3240万余円(48.7%)で、その他の道路等の建設費は予算現額91億2460万余円に対し決算額62億1023万余円(68.1%)であり、建設費予算の残額は124億2344万余円となっている。このように多額の予算残額を生じたのは、名神高速道路その他の道路で用地買収がはかどらずひいて工事の発注が遅延したことなどによるものである。
35事業年度の所要資金256億4568万余円については、政府出資金55億円、道路債券101億7125万円、国際復興開発銀行借入金42億1897万余円等を充当している。
35事業年度の損益は、業務収入23億2745万余円等の収益25億9537万余円、管理業務費4億1605万余円、諸引当損6億7457万余円、業務外費用17億4342万余円等の費用31億6451万余円、差引き当期損失5億6914万余円で、前事業年度に比べて収益で10億9486万余円、費用で11億2012万余円増加し、2525万余円の損失増加となっている。なお、同事業年度損益を管理道路等別に減価償却前のものでみると、道路では45箇所のうち横浜新道ほか17箇所で利益をあげ利益額は計5億2052万余円であり、関門トンネルほか26箇所で損失を生じ損失額は計5億6774万余円であり、また、駐車場では損失2432万余円を生じている。