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  • 昭和38年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項|
  • 第6 通商産業省|
  • 不当事項|
  • 補助金

中小企業近代化促進費補助金を財源とする府県の貸付金の運営当を得ないもの


(518)−(524) 中小企業近代化促進費補助金を財源とする府県の貸付金の運営当を得ないもの

(一般会計) (組織)中小企業庁 (項)中小企業対策費

 昭和38年度中、中小企業近代化資金助成法(昭和31年法律第115号)に基づく設備近代化資金の貸付事業を行なう都道府県においては、自己資金4,100,100,000円、国庫補助金4,100,000,000円、償還金等3,765,292,414円計11,965,392,414円を都道府県の特別会計の財源として受け入れ、9,082事項11,375,811,000円の貸付けを行なっているが、本院において北海道ほか32都府県における貸付け7,663事項9,693,624,000円のうち、637事項1,194,073,000円について貸付けの当否および貸付金の使用状況を調査したところ、対象設備を購入していない者に貸し付けたりまたは他の金融機関から長期資金を借り入れて設備を購入している者に貸し付けたりしているなど資金の使用当を得ず、ひいては国庫補助金が所期の目的に反して使用されたと認められるものが、神奈川県ほか4府県において次表のとおり7件9,130,000円、これに対する国庫補助金相当額4,535,600円ある。

 また、都道府県における貸付けの時期が遅延するなど本制度の趣旨にそわない結果をきたしている状況であるので、第8節(6) 記載のとおり39年10月改善の意見を表示した。

府県名 貸付先 貸付対象 事業費
(同上に対する貸付額)
不当事業費
(同上に対する貸付相当額)
左に対する国庫補助金相当額

(518)

神奈川県

京浜発条株式会社

スプリング研磨機ほか3点

3,560,000
(1,780,000)

1,740,000
(870,000)

417,600
貸付対象設備のうちスプリング研磨機ほか1点は中小企業金融公庫から長期資金を借り入れて購入しているため、貸付けの対象とならない。
(519) 静岡〃 有限会社中清工業 油圧プレス 6,150,000
(2,770,000)
6,150,000
(2,770,000)
1,385,000
貸付対象設備を購入したこととしているが、実際は購入していなかったものである。
(520) 大阪府 株式会社芝実鉄工所 ブレーキプレス 3,000,000
(1,500,000)
1,800,000
(900,000)
450,000
3,000,000円で貸付対象設備を設置したこととしているが、実際は1,200,000円で設置していた。
(521)  同 吉貝機械金属株式会社 フライス盤ほか1点 4,380,000
(2,190,000)
4,380,000
(2,190,000)
1,095,000
中小企業金融公庫から長期資金を借り入れて貸付対象設備を購入しているため、貸付けの対象とならない。
(522) 和歌山県 海南織布有限会社 自動織機10台 2,480,000
(1,200,000)
2,480,000
(1,200,000)
588,000
旧登録織機を廃棄したこととして貸付けを受けながら廃棄することなくか働中である。
(523) 香川〃 遠藤木材工業株式会社 帯のこ盤ほか1点 2,600,000
(1,200,000)
1,350,000
(630,000)
315,000
貸付対象設備のうち帯のこ盤は既往年度に設置したもので、貸付けの対象とならない。
(524)  同 矢野被服有限会社 万能プレスほか6点 1,389,000
(690,000)
1,140,000
(570,000)
285,000
貸付対象設備のうち万能プレスほか3点を購入していなかったものである。
23,559,000
(11,330,000)
19,040,000
(9,130,000)
4,535,600