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  • 昭和41年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の事項|
  • 第1 総理府

(防衛庁)


(防衛庁)

(一般会計)

 昭和41年度(組織)防衛本庁の支出済歳出額は3246億1810万余円で、19億0442万余円を翌年度へ繰り越し、7億4905万余円を不用額としている。国庫債務負担行為および継続費に基づく債務負担額は699億3695万余円で、既往年度からの繰越債務額を加えると債務総額は1543億4336万余円となるが、41年度中に債務の消滅したものが712億7934万余円あるので、翌年度以降に繰り越した債務額は830億6401万余円となっている。

 41年度は37年度から始まった第2次防衛力整備計画の最終年度に当たるが、この5箇年間の各年度における支出済歳出額の合計額は1兆3217億余円となっている。

 41年度の支出済歳出額を機関別にみると、陸上自衛隊1177億9311万余円、海上自衛隊370億8197万余円、航空自衛隊409億0278万余円、本庁および付属機関等165億9789万余円、調達実施本部1122億4233万余円(うち陸上、海上、航空各自衛隊等の予算の示達を受け執行した分1111億2845万余円を含む。)となっている。支出済歳出額のうち装備品等関係経費は1447億5072万余円((組織)防衛本庁の支出済歳出額の44.5%)で、そのおもなものは航空機修理費246億0256万余円、航空機購入費154億1630万余円、艦船の建造および修理費182億9949万余円、編成装備品費142億4400万余円、通信維持費122億5774万余円である。

 つぎに、(組織)防衛施設庁の支出済歳出額は204億6249万余円で、10億1380万余円を翌年度へ繰り越し、3億0563万余円を不用額としている。支出済歳出額のうちおもなものは駐留軍に対する施設提供等に伴う補助金93億0419万余円である。

 検査の結果、次のとおり留意を要すると認められるものがある。

(未使用通信回線の活用について)

 陸上、海上、航空各自衛隊における各部隊、基地間の通信は、主として自営多重通信回線を使用したり、日本電信電話公社との間に専用契約を締結した広周波数帯域専用回線および市外専用回線を使用したりして行なっており、うち、自営多重通信回線および広周波数帯域専用回線についてはその回線を各自衛隊の使用計画に基づいてそれぞれの自衛隊に割り当てている。

 しかして、これら割当回線の使用状況をみると、なかには全く使用していない回線があるのに、その自衛隊または他の自衛隊でその未使用回線の区間について市外専用回線を専用しているものがあるが、このような場合には未使用回線を使用すれば市外専用回線を専用する要がなくなるなど専用料の支払を節減(41年度分5件約790万円)できるものであるから、未使用回線のは握に遺漏のないようにするとともに、各自衛隊相互の連絡を緊密にし未使用回線の活用を図るよう配慮の要があると認められる。

(航空機部品の調達所要量算定等について)

 陸上自衛隊における航空機の修理に要する部品の調達についてみると、H−19航空機については、各航空機ごとに交換が必要な部品を調査してその所要量を算出しているから、機体の修理を業者に行なわせる場合に必要となる交換部品も前記所要量のうちに含まれており、これを加算する必要はないのに修理業者の交換見込数を加算したため調達所要量を過大に算定していると認められるもの、また、L−19航空機等については、部品の購入契約を締結し受入れの予定となっているものおよび機体修理業者に修理用部品として保管させているものは、それぞれの資料があってその数量が判明しているのにこれらの数量を脱漏したため調達所要量を過大に算定していると認められるものが、サーボ・アッシーほか4品目約1380万円見受けられたが、調達所要量算定にあたっては、十分調査検討を行ない、関係資料を活用して所要量を適正に算定するよう配慮の要があるものと認められる。なお、航空自衛隊で、事故によりそう失した航空機の機体付属品で基地に残存しているものを国有財産から物品に編入する手続が長期間遅延し、その間付属品が簿外物品となっていたり、また、展示用等に使用する航空機からその部品を他に転用することとして取りはずしているのに、その結果が報告されていなかったりして、補給統制処等にこれら部品の保有状況がは握されていないものがあったが、このような事情によって他の航空機用として使用可能な部品が発生した場合についてもその数量を適確には握し、調達計画等に反映させるよう配慮の要があると認められる。