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  • 昭和41年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の事項

農林省


第6 農林省

(一般会計)

 昭和41年度歳入歳出決算額は、歳入508億1366万余円、歳出5570億7790万円で、歳出決算額のうちおもなものは食糧管理ほか5特別会計に対する繰入金2783億8558万余円、地方公共団体等の施行する事業に対する国庫補助金、負担金、交付金、補給金および給付金2127億0808万余円、国が直轄でまたは道県に委託して施行した土地改良等の事業費296億1045万余円である。上記の国庫補助金は215費目1818億3914万余円に上っており、そのうち公共事業関係は土地改良、災害復旧等の事業に対する122費目1263億6071万余円であり、公共事業関係以外は農業構造改善事業等に対する93費目554億7842万余円となっている。
 国が直轄で施行した工事および道県に委託して施行した代行工事については、42年中、かんがい排水事業、開墾建設事業および漁港修築事業等56億3056万余円を実地に検査したところ、別項記載のとおり、サイフォン工事の施行にあたり鋼管の価格を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの直轄工事の施行が設計と相違しているもの代行工事の施行にあたり転石の破砕単価を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの がある。
 公共事業関係の国庫補助金については、42年中、その事業の実施および経理について実地に検査したところ、別項記載のとおり、国庫補助金等の経理当を得ないもの がある。
 公共事業関係を除く国庫補助金等については、42年中、その交付および使用の状況について実地に検査したところ、別項記載のとおり、農業構造改善事業等において国庫補助金の経理当を得ないもの農業改良資金助成補助金を財源とする都道府県の貸付金の運営当を得ないもの がある。
 なお、災害復旧事業については、事業費査定の適否につき検査したところ、別項記載のとおり、査定額を減額させたもの がある。
 上記のほか、留意を要すると認められるものが次のとおりある。

(草地改良事業による草地の造成について)

 草地改良事業は、山林原野等の未墾地を開発して牧草を植生し、乳用牛、肉用牛等の畜産経営の改善および飼養規模の拡大を図り、国内需要に対応する畜産物を増産することを目的として施行されているもので、昭和37年度からは農業基盤整備事業の一環として推進されているものである。
 しかして、地方公共団体および各種組合が草地改良事業として国の補助を受けて37年度から40年度までの間に造成した草地2,642地区のうち98地区2,097ヘクタール事業費6億2000万余円(国庫補助金2億8023万余円)について、その利用管理の状況を実地に調査したところ、牧草の生育が不良となっていたり、荒廃していたり、草地以外の他目的に転用されていたりしているものが23地区において358ヘクタール、これに要した事業費7109万余円(国庫補助金相当額3127万余円)見受けられ、畜産経営の改善、飼養規模の拡大が必ずしも期待どおりに行なわれているとは認められない状況である。
 ついては、今後、事業の採択にあたっては造成草地の立地条件を十分考慮し、関連する家畜の導入増殖事業との連係を十分考慮するとともに、造成後の草地の利用管理についても適切な指導を行なうなどして、本件事業の効果をあげるよう配慮の要があると認められる。

(まゆを基幹作目とする農業構造改善事業の運営について)

 農業構造改善事業のうち、基幹作目をまゆとしている地区は、桑園等の整備および稚蚕共同飼育所等の導入を行ない、その運営を相互に適切に関連させることにより、まゆを増産することとしているものである。
 しかして、昭和37年度に着手した宮城県ほか14府県管内の47地区(事業費9億3238万余円)のうち、福島ほか4県の20地区(事業費4億0174万余円、国庫補助金1億8600万余円)について、41年度の実績を調査したところ、事業実施にあたり桑園の整備と稚蚕共同飼育所の導入とが相互に関連なく行なわれているばかりでなく、整備、導入後においてもその肥培または飼育管理が十分でなかったなどのため、増産の実が上っておらず、適切を欠いていると認められるものが相当数見受けられた。
 ついては、これら地区について所期の成果を発現するよう適切な処置を講ずるとともに、上記のような事例にかんがみ、現在事業実施中の地区についても事業の運営に関し適切な指導監督を十分に行なうよう配慮の要があると認められる。

(農業近代化資金利子補給補助金について)

 農業近代化資金利子補給補助金は、農業近代化資金助成法(昭和36年法律第202号)に基づいて農業協同組合、同連合会等の融資機関が農業者等に貸し付けた長期かつ低利の農業近代化資金について都道府県が利子補給したものに対し国がその全部または一部を補助するもので、昭和36年度以降その額は72億6606万余円(うち41年度分24億6270万余円)に上っている。
 しかして、北海道ほか20府県の196融資機関が39年度から41年度までの間に貸し付けた19,847事項44億6528万余円について行なった利子補給(国庫補助金相当額1億0261万余円)の当否を検査したところ、資金の借受者が事業を実施していなかったり、少額で実施したりしているなど利子補給の対象とすべきでないものが、北海道ほか18府県の69融資機関において3,334事項貸付金1億5643万余円あり、これに対する国庫補助金相当額は211万余円となっている。
 ついては、貸し付けられた農業近代化資金に対しては、償還期が到来するまで長期にわたり利子補給が行なわれ国庫補助金が交付されることとなっていることにかんがみ、貸付け後における借受者の事業実施状況のは握に努め適正な利子補給を行なうよう都道府県に対し指導する要があると認められる。

(食糧管理特別会計)

 本特別会計は、国内米管理、国内麦管理、輸入食糧管理、農産物等安定、輸入飼料、業務および調整の各勘定に区分して経理されている。

(1) 国内米管理勘定、国内麦管理勘定および輸入食糧管理勘定の昭和41年度歳入歳出決算額の合計は歳入1兆6333億4227万余円、歳出1兆6278億7079万余円であり、これら各勘定の損益についてみると、

(ア) 国内米管理勘定においては、国内米の買入れ803万余トン(トン当り平均118,553円)、売渡し695万余トン(トン当り平均102,166円)などによって生じた売買損失1426億5435万余円と集荷、運搬、保管および事務人件費等の費用から違約金等の収益を差し引いた額(以下「中間経費」という。)807億3928万余円とにより2233億9364万余円の損失を生じており、

(イ) 国内麦管理勘定においては、国内麦類の買入れ97万余トン(トン当り平均大麦44,000円、はだか麦49,661円、小麦48,937円)、売渡し110万余トン(トン当り平均大麦27,650円、はだか麦30,561円、小麦31,894円)などによって生じた売買損失165億2093万余円と中間経費59億9666万余円とにより225億1759万余円の損失を生じており、

(ウ) 輸入食糧管理勘定においては、外国米の買入れ67万余トン(トン当り平均62,384円)、売渡し67万余トン(トン当り平均94,653円)および外国麦類の買入れ315万余トン(トン当り平均28,820円)、売渡し281万余トン(トン当り平均36,415円)によって生じた売買利益436億8181万余円と中間経費77億1793万余円とにより差引き359億6387万余円の利益を生じている。

 上記各勘定の利益359億6387万余円および損失2459億1123万余円を調整勘定へ移して整理した結果、2099億4736万余円の損失を生じたので、その損失相当額を一般会計から受け入れた調整資金の41年度末現在額2164億5930万余円(うち41年度受入額2020億円)から減額して処理した。

(2) 農産物等安定勘定および輸入飼料勘定の損益についてみると、

(ア) 農産物等安定勘定においては、でん粉の売渡し5万余トン(トン当り平均58,722円)によって生じた売買利益6億1873万余円と中間経費3億5125万余円とにより差引き2億6748万余円の利益を生じたが、前年度繰越損失689万余円をこの利益から補てんし、残額2億6059万余円を積立金として積み立てることとしている。

(イ) 輸入飼料勘定においては、飼料用外国麦類等の買入れ156万余トン(トン当り平均28,268円)、売渡し176万余トン(トン当り平均27,185円)などによって生じた売買損失17億5211万余円と中間経費24億8044万余円とにより42億3255万余円の損失を生じており、一般会計から43億円を受け入れてこれを補てんしている。

(3) 41年度中に取り扱った食糧等の所要経費は、買入費1兆1777億6105万余円、集荷、運搬、保管等に要する管理費450億3446万余円ならびに食糧証券の償還および利子支払等に充てるための国債整理基金特別会計への繰入れ4327億7661万余円等総額1兆6837億6645万余円で、この財源には食糧等の売払代9630億0726万余円、一般会計から受入れ2144億7928万余円および食糧証券収入5039億0400万円等総額1兆6910億7478万余円を充てている。
しかして、検査の結果、本院の質問に対し、主務庁において処置を講じたものが次のとおりある。

(外国小麦の買入予定価格に積算する海上運賃について)

 食糧庁で、昭和41年度中、アメリカ産およびカナダ産小麦335万余トンを買い入れているが、その買入予定価格のうちに含まれている海上運賃90億5384万余円についてみると、載貨重量15,000トン未満の船舶の海上運賃市況を基礎として積算している。しかしながら、近年、船舶が大型化し、外国小麦の輸送は載貨重量15,000トン以上の大型の船舶で行なう事例が多くなっているから、今後の積算にあたってはこれを考慮して算定するのが適当であると認めて当局の見解をただしたところ、42年4月以降大型船の海上運賃を考慮して算定することとなった。

(農業共済再保険特別会計)

 本特別会計は、再保険金支払基金、農業、家畜および業務の各勘定に区分して経理されており、そのうちおもな勘定である農業勘定の昭和41年度歳入歳出決算額は、歳入255億5997万余円、歳出240億0779万余円で、また、損益は、再保険料120億2214万余円、一般会計より農業共済組合連合会等補助及交付金見合受入65億3326万余円、前年度繰越支払備金23億4113万余円、前年度繰越未経過再保険料13億5769万余円等の利益222億6446万余円、再保険金177億9835万余円、農業共済組合連合会等補助及交付金62億0944万余円の損失240億0779万余円で、差引き17億4332万余円の損失となっており、次年度への繰越損失は298億6947万余円となっている。このため一般会計から受け入れた歳入不足補てん金の41年度末残高は259億8114万余円、再保険金支払基金勘定からの受入額の41年度末残高は54億4061万余円に上っている。このほか、本勘定においては農家の掛金の一部を負担するなどのため毎年度一般会計から繰入れを受けており、その額は41年度において185億5541万余円となっている。
 また、農業共済組合等の事務費を負担するため、別途一般会計から毎年度農業共済事業事務費負担金を支出しているものがあり、41年度におけるその額は80億0744万余円である。
 農業共済保険事業の運営については、このように多額の国費が支出されている事情にかんがみ、本院においては、従来から、運営の主体をなしている農業共済組合等について農作物共済に関し調査を行ない、その運営が適切を欠いている事例について毎年度の検査報告に掲記してその適正を図るよう注意してきたところであるが、42年中の調査の結果も、依然として、別項記載のとおり、組合等における共済金の経理が適切を欠いているもの がある。

(漁船再保険特別会計)

 本特別会計は、普通、特殊、給与の各保険勘定および業務勘定に区分して経理されており、そのうちおもな勘定である普通保険勘定の昭和41年度歳入歳出決算額は、歳入76億8190万余円、歳出48億5898万余円で、また、損益は、再保険料42億4972万余円、前年度繰越未経過再保険料17億1045万余円等の利益68億0951万余円、再保険金35億1177万余円、次年度繰越未経過再保険料18億9843万余円、漁船保険振興事業交付金12億円等の損失72億9916万余円で、差引き4億8964万余円の損失となっているが、前年度繰越利益が36億7952万余円あるため次年度への繰越損益は31億8988万余円の利益となっている。一方、漁業者の負担する保険料の一部を負担するため毎年度一般会計から保険料国庫負担金の繰入れを受けており、その額は41年度において11億0671万余円であって、本勘定開設以来41年度までの累計額は72億1985万余円となっている。なお、上記漁船保険振興事業交付金12億円は漁船保険事業の健全な発達を図るための調査、指導および助成等の事業を行なうに必要な経費の財源の一部として漁船保険中央会に対し交付されたものである。
 本院においては、従来から、普通保険勘定に関し検査を行ない、再保険金の支払が適切を欠いている事例について毎年度の検査報告に掲記してその適正を図るよう注意してきたところであるが、42年中の検査の結果も、依然として、別項記載のとおり、再保険金の支払にあたり処置当を得ないもの がある。

(国有林野事業特別会計)

 本特別会計は、国有林野事業および治山の両勘定に区分して経理されている。

(1) 国有林野事業勘定の昭和41年度の収益総額は1236億1116万余円、費用総額は1030億1789万余円で、差引き205億9327万余円の利益となっている。これを前年度損失2億9472万余円に比べると、208億8800万余円の利益の増加となっているが、このように利益が増加したのは、主として木材市況の好転によるものである。
 41年度における事業実施状況をみると、販売事業では立木1509万余立方メートル486億1998万余円、素材576万余立方メートル等687億4577万余円計1173億6576万余円の売渡しを行ない、一方、製品生産事業では素材587万余立方メートル等の生産を188億2266万余円で、造林事業では8万余ヘクタールの新植および61万余ヘクタールの保育等を163億9683万余円で、林道事業では自動車道1千余キロメートルの新設等を182億8858万余円で、国有林野内の治山事業では崩壊地復旧2千余ヘクタール等の山地治山施設の新設等を42億3911万余円でそれぞれ行なっている。
 また、41年度末現在における国有林野面積は857万余ヘクタールであって、そのうち要存置林野は856万余ヘクタール、不要存置林野は8千余ヘクタールとなっている。なお、同年度中において民有保安林等8千余ヘクタール6億7558万余円の買入れ、不要存置林野1千余ヘクタール13億1185万余円の売払等を行なっている。

(2) 治山勘定の41年度歳入歳出決算額は、歳入188億5487万余円、歳出188億2397万余円で、歳入は一般会計より受入182億4171万余円、地方公共団体工事費負担金収入5億3789万余円等、歳出は直轄治山関係事業費21億7534万余円、国有林野内臨時治山事業費16億0789万余円および地方公共団体施行の治山事業に対する国庫補助金150億4073万余円である。
 検査の結果、別項記載のとおり、公共事業に対する国庫補助金等の経理当を得ないもの があるほか、次のとおり留意を要すると認められるものがある。

(関連林道の開設について)

 林野庁で、木材需給の不均衡の是正、林種転換等を図るため、森林資源は豊富であるがその開発が十分に行なわれていない国有林、民有林併存地域のうち特定区域内の森林を急速かつ計画的に開発するに必要な関連林道の開設事業を森林開発公団に委託して施行しており、昭和34年度から41年度までの間に施行したものは宗谷線ほか50路線、林道延長454キロメートルで、その工事委託費は79億6171万余円(うち41年度分7億6131万余円)に上っている。
 しかして、これら関連林道の利用状況を実地に調査したところ、林道の利用対象となる林野の事前調査が十分でなかったため伐期令未満の林野等が林道開設の対象となっていたり、既設道路等によって立木の伐採搬出が行なわれていたりしているなどのため、対象林野の立木の伐採搬出にほとんど利用されていないものが見受けられる状況である。
 ついては、国有林、民有林併存地域に開設するこの種林道の開設にあたっては、上記のような事例にかんがみ、対象林野の内容、周辺の道路状況等を十分調査検討し適確な路線計画をたて、工事を適切に施行するよう配慮の要があると認められる。

(特定土地改良工事特別会計)

 昭和41年度歳入歳出決算額は、歳入339億4223万余円、歳出303億7912万余円であり、実施した事業は、直轄かんがい排水事業、直轄干拓事業および代行干拓事業計64地区277億2814万余円である。
 しかして、42年中、これらのうち24地区146億4985万余円について検査したところ、別項記載のとおり、直轄工事の施行が設計と相違しているもの がある。

不当事項

工事(141)−(144)

(141) サイフォン工事の施行にあたり鋼管の価格を過大に積算したため工事費が高価と認めらるもの

(一般会計) (組織)農林本省 (項)農用地開発事業費

 東北農政局で、昭和41年5月、指名競争契約により三菱重工業株式会社に和賀中部開拓建設事業サイフォン鉄管製作据付工事を69,800,000円で請け負わせ施行しているが、鋼管の価格の積算が適切を欠いたため予定価格が過大となり、ひいて工事費が約650万円高価となっていると認められる。
 本件工事は、サイフォン工1,010メートルの鋼管を製作しすえ付けるもので、その予定価格についてみると、直管(内径1,200ミリメートル、厚さ9ミリメートルから13ミリメートル)858メートル264.841トンは工場で製作加工することとし、その価格については、水門鉄管協会の原価計算資料を参考として、水力発電に使用する内径2,000ミリメートル程度の高度の精度が要求されている特殊な水圧鉄管を製作する場合の加工費の計算方式により工場渡価格をトン当り117,834円計31,207,338円と積算している。
 しかしながら、水力発電用特殊水圧鉄管は、所要の水圧に応じて個々に製作される需要の少ないものであるからその価格については原価計算方式によって算定しているものであり、本件工事に使用する鉄管のよぅに内径が1,200ミリメートル、設計上の水圧も水力発電用より低い普通圧管程度のものは、水道用鋼管として大手鋼管業者が多量に生産し販売しており、その価格も積算関係資料等によって比較的容易に知ることができるものであるから市販価格によって積算すべきであったと認められる。
 いま、仮に上記により工事費を再計算すると、直管の工場渡価格はトン当り60,000円程度で、これにとくに仕様書で指示している水力発電用鉄管なみの真円度および継手の精度、レントゲンによる精密検査の費用を考慮したとしても72,000円程度計19,068,552円で足り、工事費総額は、塗装の下地処理費等の過少積算額5,341,786円を修正しても、その他工事費を合わせ63,290,000円となり、本件工事費はこれに比べて約650万円高価となっていると認められる。

(142)−(143) 直轄工事の施行が設計と相違しているもの

 (一般会計) (組織)農林本省 (項)土地改良事業費
 (特定土地改良工事特別会計) (項)土地改良事業費

 東北、近畿両農政局で、工事の施行にあたり、監督および検査が当を得なかったため施行が設計と相違しているものが次のとおりある。

(142)  東北農政局で、昭和41年3月、随意契約により鹿島建設株式会社に63,990,000円(ほかに支給電力1,861,664円)で請け負わせ施行した泉田川農業水利事業第2頭首工(その2)工事は、42年5月、設計どおりしゅん功したものとして検収を了しているが、水たたきコンクリートを設計と相違して施行したため、その強度が設計に比べて著しく低下していると認められる。
 本件工事は、取水ぜき延長76メートルを施行するもので、このうち水たたき846平方メートル、厚さ上流部1.5メートル、下流部1メートル総量1,152立方メートルは立方メートル当りセメント255キログラム配合のコンクリートで施行したものであるが、中央部138平方メートル185立方メートル(工事費1,379,876円)は、締固めおよび打継ぎ処理が十分でなかったなどのため、モルタルと砂利とが分離した粗悪なものとなっていて、すでに内部は通水している状況であり、水たたきとしての強度が設計に比べて著しく低下していると認められる。

(143)  近畿農政局で、昭和41年12月、指名競争契約により世紀建設株式会社に40,840,000円(当初契約額40,200,000円)で請け負わせ施行した琵琶湖干拓建設事業大中之湖地区幹線道路簡易舗装工事は、42年3月、設計どおりしゅん功したものとして検収を了しているが、アスファルト舗装等を設計と相違して施行したため、舗装の強度が設計に比べて著しく低下していると認められる。
 本件工事は、道路延長11,368メートル61,909平方メートルを厚さ3センチメートルまたは4センチメートルのアスファルトコンクリートまたはタールコンクリートで舗装したものであるが、うち延長1,712メートル5,027平方メートル(工事費2,500,938円)は降雨により路盤が湿潤していたり、気温が低かったなどアスファルト等の舗装工事の施行条件としては適当でない時に施行したため、アスファルトコンクリート等の下部が固結しないでぜい弱となっており、工事が完成して間もないのに全面的にき裂を生じ、各所が破損している状況で、舗装としての強度が設計に比べて著しく低下していると認められる。

(144) 代行工事の施行にあたり転石の破砕単価を過大に積算したため工事費が高価と認められるもの

(一般会計)(組織)農林本省
(項)農業施設災害復旧事業費(項)昭和41年発生農業施設災害復旧事業費

 北陸農政局で、新潟県に施行させている代行災害復旧事業外波地区のうち、同県が昭和41年6月、指名競争契約により加和太建設株式会社に代行災害復旧事業外波地区道路復旧工事を24,649,000円(当初契約額20,700,000円)で請け負わせ施行しているが、転石の破砕単価の積算が適切を欠いたため予定価格が過大となり、ひいて工事費が約110万円高価となっており、また、から積石垣を設計と相違して施行したため、その強度が設計に比べて著しく低下していると認められる。
 本件工事は、40、41両年の台風により被災した延長1,858メートルの道路の盛土等11,791立方メートルおよび石垣2,001平方メートル等を施行するもので、その予定価格についてみると、切取土および盛土用採取土は、径50センチメートル以上の転石が20%程度2,081立方メートル混入しているので、ダイナマイトによりぐり石程度に破砕することとし、その単価は、37年に制定した標準歩掛表の岩石掘さく歩掛りにより、ダイナマイトを立方メートル当り0.21キログラム使用することとし、人力による取片づけ手間83円を含め立方メートル当り1,251円計2,604,206円と積算している。
 しかしながら、破砕した転石のほとんどはブルドーザおよびトラクタショベルにより土砂と合わせて路床に敷き込むものであるから、ぐり石程度に破砕する必要はなく機械の作業に支障がないよう径30センチメートル程度に破砕すれば足りるもので、人力による取片づけ手間も要しないものであり、また、上記の標準歩掛りは、制定当時の能率の低いさく岩機の性能によったものであり、しかも、岩盤を破砕するときに適用するものであるから、本件のような転石の破砕に適用したのは適当とは認められない。
 いま、仮に通常の積算例により転石を30センチメートル程度に破砕するものとして、ダイナマイトを立方メートル当り0.15キログラム使用し、破砕岩の取片づけ手間を除外して計算すると立方メートル当り828円計1,725,556円で足り、その他の工事費を合わせると総額23,542,000円となり、本件工事費はこれに比べて約110万円高価となっていると認められる。
 また、から積石垣1,475平方メートルのうち293平方メートル(工事費697,257円)は控35センチメートルの雑石を使用し、胴、裏込ぐり石平方メートル当り0.3立方メートル、総量88立方メートルを施行することとしているが、実際は雑石は大小不ぞろいで、積み方も粗雑であるばかりでなく、胴込ぐり石はほとんどてん充されていないため、積石が容易に抜き取れる状況でから積石垣としての強度が設計に比べて著しく低下していると認められる。

保険(145)−(158)

(145)−(152) 農業共済保険事業の運営が適切でないもの

(農業共済再保険特別会計)

 昭和42年において、農作物共済に関し宮城県ほか10府県の78農業共済組合および9町(共済金1,052,768,615円)について調査を行なったところ、組合等において共済金の全部または一部を組合員等に支払わず、これをそのまま共済掛金、賦課金、組合業務費に充当したり、共済金を補償対象外の組合員を含め引受面積割等で配分したりしているなど共済金の経理当を得ないと認められるものが山梨県ほか7府県の15組合および1町において129,687,051円(国庫負担推定額8985万余円)あり、これを不当の態様別に示すと次表のとおりである。

府県名 調査済共済組合等数 調査済共済金額 共済金を組合員等に全く支払わないもの 共済金の一部を組合員に支払わないもの 共済金を補償対象外の被害3割未満のものを含めて配分しているもの
組合等数 共済金額 組合数 共済金額 組合数 共済金額 組合等数 共済金額

山梨県

8

38,231,495

1

1,234,723

3

20,205,550

2

7,163,207

6

28,603,480
岐阜県 8 52,255,830

1 438,660

1 438,660
愛知県 6 62,955,687



1 9,173,113 1 9,173,113
京都府 9 47,537,719

1 4,215,339

1 4,215,339
兵庫県 10 181,755,202 1 1,967,000 1 19,432,595 1 15,283,785 3 36,683,380
高知県 11 258,968,977

1 2,590,647

1 2,590,647
福岡県 10 78,997,948

1 2,667,351

1 2,667,351
長崎県 6 76,505,430



2 45,315,081 2 45,315,081
68 797,208,288 2 3,201,723 8 49,550,142 6 76,935,186 16 129,687,051

 また、不当に経理された共済金を使途別に区分すると、目的外に使用しているものが18,432,532円、正規の基準によらないで支払ったものが107,821,708円、長期間未払のままとしているものが3,432,811円である。
 しかして、これら組合等のうちには、保険金請求に際し実評価を上回る被害報告を行なったもの、共済金の全部を別途に経理してこれをそのまま掛金、賦課金に充当し、組合員等からは掛金、賦課金を全く徴収していないものも見受けられた。
 いま、上記のうち共済金を目的外に使用したものをあげると次表のとおり8件である。

農林省の図1

備考 共済目的欄中、「40」、「41」はそれぞれ40年産、41年産を略したものである。

(153)−(158) 漁船再保険金の支払にあたり処置当を得ないもの

(漁船再保険特別会計) (普通保険勘定) (項)漁船再保険費

 水産庁で、昭和41年度中、漁船損害補償法(昭和27年法律第28号)に基づいて全国53漁船保険組合に漁船の滅失、沈没、損傷その他の事故等による組合の支払保険金に対する普通再保険金38,560事項3,511,775,425円を支出している。このうち根釧ほか15漁船保険組合に対する再保険金支払件数181事項592,219,230円について実地に検査したところ、組合が保険金を支払うにあたり、損害調査が十分でなく船体、機関等の損害額を過大に認定したり、衝突損害賠償金の額を誤って過大に算定したりなどしているのに、水産庁がこれらをそのまま認めて再保険金を支払っているものが18事項3,480,398円ある。
 いま、上記のうち1事項20万円以上のものをあげると次表のとおり6件2,518,404円である。

農林省の図2

補助金(159)−(267)

(159)−(250) 公共事業に対する国庫補助金等の経理当を得ないもの

(一般会計) (組織)農林本省 (項)土地改良事業費 (項)農用地開発事業費 (項)農林漁業用揮発油税財源身替農道整備事業費 (項)海岸事業費 (項)農業施設災害関連事業費 (項)農業施設災害復旧事業費 (項)昭和41年発生農業施設災害復旧事業費 (項)昭和40年発生農業施設災害復旧事業費 (項)離島振興事業費
(組織)林野庁 (項)林道事業費 (項)山林施設災害復旧事業費 (項)離島振興事業費
(組織)水産庁 (項)漁港施設費 (項)海岸事業費 (項)漁港施設災害復旧事業費 (項)昭和41年発生漁港施設災害復旧事業費 (項)北海道漁港施設費 (項)離島振興事業費
(国有林野事業特別会計)(治山勘定) (項)治山事業費 (項)離島治山事業費

 地方公共団体、土地改良区、森林組合等が施行した土地改良、治山施設、林道開設、漁港修築および災害復旧等の工事に対する国庫補助金または国庫負担金(以下「国庫補助金」という。)は土地改良法(昭和24年法律第195号)、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律(昭和25年法律第169号)等に基づいて交付されるものである。 

昭和42年中、全国の工事箇所64,692のうち北海道ほか34都府県につきその4.9%に相当する3,216箇所(工事費26,333,634,031円、国庫補助金16,425,424,130円)を実地に検査したところ、国庫補助金の経理当を得ないと認められたものが北海道ほか30都府県(注) において、不当と認めた工事費に対する国庫補助金相当額が1工事につき10万円以上のもので119工事51,855,481円(うち国有林野事業特別会計治山勘定の分3工事1,800,674円)ある。

 公共事業関係国庫補助金の経理については、不当と認めた事例を毎年度の検査報告に掲記して注意を促してきたところであり、検査の結果からみて関係当局の努力の跡が認められるが、依然としてとくに災害復旧工事において不当な事例が多数見受けられることにかんがみ、今後一層指導監督の強化徹底を図るなど工事の適正な施行について配慮の要があるものと認められる。

 いま、前記119工事についてこれを不当の態様別にみると、

1 工事の施行が不良で設計に比べて強度が著しく低下していると認められるもの

(ア) コンクリート工事においては、治山のえん堤や農道の擁壁等の工事で、純コンクリートで施行することとなっているのに玉石等を中詰めとし配合の悪いコンクリートで被覆し、または粗悪な玉石コンクリートで施行しているもの、井ぜきのえん体や防波堤等の工事で、配合の悪いコンクリートで施行し、その練混ぜやつき固めも十分でなかったため内部に多くの空げきを生じすでに内部に水が浸透しているもの、水路の護岸擁壁等の工事で、配合の悪いコンクリートで施行し、かつ、冬期間の施行であるのに養生が十分でなかったため凍結し、容易に破砕されるものなど76工事国庫補助金相当額35,704,086円

(イ) 石垣工事およびコンクリートブロック積み工事においては、石積みおよびコンクリートブロック積みの施行が粗雑なばかりでなく、胴込や裏込のコンクリートは配合の悪いもので少量を施行しているものなど30工事国庫補助金相当額10,416,172円

(ウ) その他、玉石コンクリート工事においては、井ぜきのえん体や林道の擁壁工事で、玉石を多量に使用しその配列も粗雑となっているばかりでなく、コンクリートは配合の悪いもので施行しそのつき固めも十分でなかったためモルタルと砂利とが分離し、すでに内部に水が浸透しているものなど4工事国庫補助金相当額2,921,674円

2 工事の出来高が設計に比べて不足しているもの

 林道の石垣工事で、胴込や裏込のコンクリート量が設計に比べて不足しているもの、農地保全工事で鉄線じゃかごの詰石の量が設計に比べて不足しているものなど9工事国庫補助金相当額2,813,549円となっている。

 しかして、不当と認めた工事費に対する国庫補助金相当額が1工事につき20万円以上のものをあげると次表のとおり92件47,582,970円である。

(注)  次表に掲記した都道府県のほか宮崎県

都道府県名 工事 事業主体 工事費 左に対する国庫補助金
(うち42年度以降交付予定額)
不当工事費 左に対する国庫補助金相当額
(うち42年度以降交付予定額中減額を要する額)
摘要

(159)北海道

紋別郡湧別町湧別漁港41年災害復旧

北海道
千円
1,914
千円
1,531
千円
412
千円
330

導流堤基礎コンクリート工事の施行不良
(160) 同 虻田郡豊浦町豊浦漁港38年災害復旧  同 19,228 15,382 1,003 802 防波堤の基礎被覆捨石工事の出来高不足
(161) 同 静内郡静内町春立漁港修築  同 5,442 5,442 281 281 護岸基礎工事の出来高不足
(162) 同 松前郡松前町赤神水路41年災害復旧 松前町土地改良区 1,974 1,825 700 647 土留めコンクリートブロックから積み工事の施行不良
(163) 同 磯谷郡蘭越町鮎川水路41年災害復旧 蘭越土地改良区 3,785 3,682
(2,162)
212

207
(207)

側壁および底張りコンクリート工事の施行不良
32,343 27,864
(2,162)
2,609 2,268
(207)
(164)青森県 東津軽郡蓬田村瀬辺地漁港39年災害復旧 青森県 1,259 869 759 524 護岸基礎の保護コンクリートブロック工事の施行不良
(165) 同 中津軽郡相馬村岩浪農道40年災害復旧 相馬村 1,199 779 1,199 779 土留め擁壁コンクリート工事の施行不良
(166) 同 東津軽郡平内町中福取頭首工41年災害復旧 平内町 1,316 978 430 320 護岸コンクリートブロック練積み工事の施行不良
(167) 同 南津軽郡大鰐町第2貝羅木水路41年災害復旧 大鰐町 1,885 1,732 245 225 底張りコンクリート工事の施行不良
(168) 同 南津軽郡平賀町第5切明水路38年災害復旧 平賀町 3,082 2,736 1,499 1,331 護岸擁壁コンクリート工事の施行不良
(169) 同 南津軽郡平賀町第9切明水路38年災害復旧  同 2,853 2,533 794 705 落差工コンクリート工事の施行不良
11,594 9,630 4,929 3,887
(170)岩手県 遠野市栃内水路38年災害復旧 遠野市 1,711 985 609 351 護岸コンクリートブロック練積み工事の施行不良
(171) 同 二戸郡安代町石神水路41年災害復旧 安代町 3,049 2,161 874 619 擁壁コンクリート工事の施行不良
(172)岩手県 和賀郡和賀町林道菱内川線40年災害復旧 和賀町 404 202 404 202 土留め練積石垣工事の施行不良
5,164 3,349 1,887 1,173
(173)宮城県 白石市川原子地区かんがい排水 白石市 3,000 1,200 882 353 水路の底張りコンクリート工事の施行不良
(174) 同 栗原郡栗駒町笊倉頭首工38年災害復旧 栗駒町 799 519 455 296 えん体玉石コンクリート工事および護岸練積石垣工事の施行不良
(175) 同 栗原郡花山村花山沢頭首工40年災害復旧 花山村 458 297 458 297 えん体コンクリート工事および護岸練積石垣工事の施行不良
4,257 2,017 1,796 946
(176)秋田県 男鹿市荒田堰水路39年災害復旧 北浦町農業協同組合 452 293 379 246 護岸練積石垣工事の施行不良
(177)福島県 大沼郡金山町横井戸地内地すベリ対策 福島県 5,961 2,980 440 220 集水暗きょの水抜用砂利埋設工事の出来高不足
(178) 同 耶麻郡山都町洲谷地内地すベり対策  同 6,209 3,104 1,042 521 排水路の側壁鉄筋コンクリートブロック工事の施行不良
(179) 同 原町市中江頭首工41年災害復旧 原町市 2,286 1,993
(1,430)
328 286
(286)
えん体木工沈床の上張りコンクリート工事の施行不良
(180) 同 田村郡船引町鶴巻田頭首工41年災害復旧 船引町 1,143 742
(92)
399 259
(92)
えん体コンクリート工事の施行不良
15,599 8,821
(1,523)
2,209 1,286
(378)
(181)茨城県 那珂郡緒川村和久頭首工39年災害復旧 緒川村 2,652 1,723 1,617 1,051 えん体コンクリート工事の施行不良
(182) 同 真壁郡関城町花田農道40年災害復旧 関城町 1,031 670
(19)
873 567
(19)
土留め練積石垣工事の施行不良
3,683 2,393
(19)
2,491 1,619
(19)
(183)栃木県 小山市東野田水路41年災害復旧 小山用水土地改良区 848 551
(226)
848 551
(226)
護岸練積石垣工事の施工不良
(184) 同 真岡市飯貝水路40年災害復旧 五行川沿岸土地改良区 555 360 512 332 護岸のコンクリートブロックから積み工事および練積石垣工事の施行不良
(185)栃木県 矢板市川向頭首工41年災害復旧 矢板市 2,941 1,911 2,577 1,675 えん体コンリート工事の施行不良
(186) 同 那須郡烏山町横枕頭首工40年災害復旧 受益者共同施行 1,007 654 434 282 えん体および護岸擁壁のコンクリート工事の施行不良
(187) 同 那須郡黒羽町中野内頭首工38年災害復旧 黒羽町 612 545 229 204
5,963 4,023
(226)
4,601 3,046
(226)
(188)群馬県 沼田市上佐山頭首工41年災害復旧 沼田市 478 310 478 310 えん体コンクリート工事の施行不良
(189) 同 沼田市猪掛頭首工41年災害復旧  同 1,535 997 670 435
(190) 同 甘楽郡下仁田町田納津頭首工39年災害復旧 下仁田町 1,173 886 540 408
(191) 同 甘楽郡下仁田町松倉第2水路39年災害復旧  同 317 239 317 239 護岸練積石垣工事の施行不良
(192) 同 群馬郡榛名町戸榛名農道41年災害復旧 榛名町 1,733 1,556 1,253 1,125 土留め練積石垣工事の施行不良
5,236 3,990 3,259 2,520
(193)東京都 大島大島町林道野増線開設(その1) 東京都 7,705 3,082 724 289 土留め練積石垣工事の出来高不足
(194) 同 大島大島町林道野増線開設(その2)  同 7,888 3,155 548 219
(195) 同 大島大島町野増地内復旧治山  同 1,934 1,289 1,609 1,073 えん堤コンクリート工事の施行不良
(196) 同 八丈島八丈町八重根漁港修築 34,140 34,140 1,256 1,256 護岸擁壁コンクリート工事の施行不良
(197) 同 八丈島八丈町洞輪沢漁港修築 八丈町 23,964 23,964 687 687 防波堤の堤体コンクリート工事の施行不良
75,632 65,631 4,825 3,525
(198)新潟県 岩船郡山北町寝屋漁港修築 新潟県 4,459 2,229 1,506 753 防波堤の堤体コンクリート工事の施行不良
(199) 同 中頸城郡三和村水科地区農林漁業用揮発油税財源身替農道整備  同 10,724 7,042 383 255 盛土工事の出来高不足
15,183 9,271 1,889

1,008

(200)富山県 魚津市大熊水路40年災害復旧 魚津市 403 357 311 276 護岸練積石垣工事および河床保護コンクリート工事の施行不良
(201) 同 氷見市胡桃地区農地保全施設39年災害復旧 氷見市 12,635 12,483 457 451 鉄線じゃかご工事の出来高不足
13,038 12,840 768 727
(202)石川県 石川郡白峰村松倉谷地内復旧治山 石川県 6,987 4,658 929 619 水路練石張り工事の施行不良
(203) 同 金沢市カマの前水路39年災害復旧 金沢市 2,862 2,830 309 306 護岸擁壁コンクリート工事の施行不良
9,849 7,488 1,239 925
(204)福井県 大野市蓑道頭首工40年災害復旧 大野市 3,812 3,655 234 225 河床保護練石張り工事の施行不良
(205)山梨県 中巨摩郡甲西町桐ノ木沢地区農地保全施設41年災害復旧 甲西町 4,726 4,423
(535)
494 462
(462)
擁壁コンクリート工事の施行不良
(206)岐阜県 揖斐郡藤橋村小曾根水路40年災害復旧 藤橋村 1,301 1,280 972 956 護岸練積石垣工事の施行不良
(207)滋賀県 伊香郡余呉村妙理頭首工39年災害復旧 余呉村 510 331 360 234 えん体コンクリート工事の施行不良
(208) 同 愛知郡愛東村新郷井頭首工40年災害復旧 愛東村 1,182 768 925 601 水たたきコンクリート工事の施行不良
(209) 同 蒲生郡日野町小野天神頭首工40年災害復旧 日野町 1,323 1,172 1,323 1,172 えん体コンクリート工事および護岸練積石垣工事の施行不良
(210) 同 甲賀郡水口町馬場橋頭首工40年災害復旧 水口町伴谷土地改良区 1,286 1,117 412 358 護岸擁壁コンクリート工事の施行不良
(211) 同 高島郡朽木村畑原頭首工40年災害復旧 朽木村 2,111 1,878 942 838 えん体コンクリート工事の施行不良
6,412 5,268 3,963 3,205
(212)京都府 福知山市長田南頭首工41年災害復旧 福知山市 1,287 836 413 268 えん体コンクリート工事の施行不良
(213)京都府 福知山市多保市頭首工40年災害復旧 福知山市 44,162 39,853 2,433 2,196 えん体玉石コンクリート工事の施行不良
(214) 同 船井郡日吉町縄手頭首工40年災害復旧 日吉町 1,777 1,556 1,205 1,055 水たたきコンクリート工事の施行不良
47,226 42,247 4,052 3,520
(215)兵庫県 養父郡関宮町養父地区開拓パイロット事業幹線道路開設 兵庫県 16,211 10,537 605 393 側溝コンクリート工事の施行不良
(216)奈良県 桜井市宮の脇頭首工40年災害復旧 桜井市 545 504 545 504 えん体コンクリート工事の施行不良
(217) 同 山辺郡山添村箕輪頭首工40年災害復旧 山添村 713 628 619 545
1,258 1,132 1,164 1,049
(218)和歌山県 有田郡金屋町吉原地区開拓パイロット事業幹線道路開設 和歌山県 8,210 5,336 843 547 側溝コンクリート工事の施行不良
(219) 同 有田郡広川町広川地区開拓パイロット事業幹線道路開設  同 20,198 13,128 1,627 1,057
28,408 18,465 2,470 1,605
(220)島根県 大田市市頭首工40年災害復旧 大田市 494 435 416 367 えん体および護岸擁壁のコンクリート工事の施行不良
(221) 同 飯石郡頓原町大川頭首工40年災害復旧 頓原町 1,733 1,660 403 386 えん体コンクリート工事の施行不良
(222) 同 邑智郡大和村上河内頭首工40年災害復旧 大和村 526 487 349 324
2,753 2,583 1,169 1,077
(223)広島県 佐伯郡廿日市町地御前漁港修築 広島県 35,000 17,500 945 472 護岸練積石垣工事の施行不良と基礎被覆捨石工事の出来高不足
(224) 同 高田郡白木町大椿水路40年災害復旧 白木町 4,614 4,009 789 685 護岸補強コンクリート工事の施行不良
39,614 21,509 1,734 1,158
(225)山口県 徳山市久保田頭首工39年災害復旧 徳山市 973 695 476 340 えん体コンクリート工事の施行不良
(226) 同 阿武郡旭村一升谷頭首工38年災害復旧 旭村 488 425 488 425 えん体練石張り工事の施行不良
(227) 同 阿武郡阿東町吉部野頭首工38年災害復旧 阿東町 1,192 991 356 296 えん体練石張り工事の施行不良
(228) 同 大津郡油谷町大掛頭首工41年災害復旧 油谷町 1,060 952 606 545 えん体コンクリート工事の施行不良
(229) 同 佐波郡徳地町西大津頭首工40年災害復旧 徳地町 1,210 948 837 656 水たたきコンクリート工事の施行不良
4,923 4,014 2,764 2,264
(230)香川県 観音寺市伊吹漁港40年災害復旧(その1) 観音寺市 3,742 3,562 638 607 防波堤の側面被覆コンクリート工事の施行不良と出来高不足
(231) 同 観音寺市伊吹漁港40年災害復旧(その2)  同 1,365 1,299 412 392 物揚場の前張りコンクリート工事および船揚場の護岸擁壁コンクリート工事の施行不良
(232) 同 小豆郡土庄町鹿島奥農道40年災害復旧 土庄町 1,030 1,003 269 262 土留め練積石垣工事の施行不良
(233) 同 仲多度郡琴南町長谷1号頭首工40年災害復旧 琴南町 662 554 485 406 えん体コンクリート工事の施行不良
6,799 6,419 1,805 1,668
(234)愛媛県 伊予市大袋谷水路40年災害復旧 伊予市 1,274 1,094 296 255 側壁コンクリート工事の施行不良
(235) 同 越智郡朝倉村浅地水路40年災害復旧 朝倉村 802 693 696 602 擁壁コンクリート工事の施行不良
(236) 同 越智郡上浦町竹下川水路40年災害復旧 上浦町 540 494 494 452 護岸練積石垣工事の施行不良
(237) 同 喜多郡長浜町喜多灘漁港改修 長浜町 6,000 3,000 601 300 防波堤の堤体コンクリート工事の施行不良
(238) 同 北宇和郡津島町下灘地区農林漁業用揮発油税財源身替農道整備 津島町 15,000 10,000 307 204 土留めコンクリートブロック練積み工事の施行不良
23,616 15,282 2,395 1,814
(239)福岡県 柳川市榎町水路41年災害復旧 花宗太田土木組合 1,926 1,251
(276)
330 214
(214)
護岸練積石垣工事の施行不良
(240)長崎県 北松浦郡生月町日草地区海岸保全 長崎県 12,740 6,370 510 255 護岸擁壁コンクリート工事の施行不良
(241) 同 壱岐郡石田村久喜漁港改修 石田村 6,000 6,000 1,220 1,220 防波堤の堤体コンクリート工事の施行不良
(242) 同 北高来郡高来町櫨ノ木水路37年災害復旧 高来町 3,824 3,724 220 214 底張りコンクリート工事の施行不良
(243) 同 西彼杵郡外海町出津漁港海岸保全(その1) 外海町 6,000 3,000 678 339 護岸擁壁コンクリート工事の施行不良
(244) 同 西彼杵郡外海町出津漁港海岸保全(その2)  同 6,500 3,250 1,324 662
(245) 同 南松浦郡新魚目町小串漁港修築 新魚目町 8,400 8,400 532 532 防波堤の堤体コンクリート工事の施行不良
(246) 同 南松浦郡奈留町林道小田線開設 奈留町 5,180 2,072 582 232 土留め擁壁玉石コンクリート工事の施行不良
48,644 32,816 5,067 3,456
(247)大分県 大分市九十歩頭首工41年災害復旧 大分市 638 414 374 243 えん体コンクリート工事の施行不良
(248) 同 津久見市長浦水路41年災害復旧 津久見市 820 806 247 243 護岸から積石垣工事の施行不良
(249) 同 東国東郡安岐町間方頭首工37年災害復旧 安岐町 1,122 985 381 334 えん体コンクリート工事の施行不良
2,580 2,205 1,002 821
(250)鹿児島県 囎唹郡志布志町十文字原地区開拓地改良事業支線道路開設 鹿児島県 2,613 1,532 859 504 橋台コンクリート工事の施行不良
合計 440,817 332,241
(4,743)
63,973 47,582
(1,508)

 

(251)−(265) 国庫補助金の経理当を得ないもの

(一般会計) (組織)農林本省 (項)農業構造改善対策費(項)農産物生産対策費(項)畜産振興費
(組織)林野庁 (項)林業振興費
(組織)水産庁 (項)水産業振興費

 公共事業関係を除く国庫補助金については、昭和42年中、農業構造改善事業に重点をおき、北海道ほか22府県管内の248地域を選定し、これら地域内の同事業施行者に交付された国庫補助金5,371,950,570円について検査を実施するとともに、前記道府県管内の市町村および各種組合等に交付された林業構造改善対策事業費補助金ほか24費目の国庫補助金824,716,488円についてもあわせて検査を実施したところ、補助金の経理当を得ないと認められたものが、北海道ほか15府県(注) で、農業、林業、沿岸漁業の各構造改善事業等において、
農道の新設および改良等の請負額を付増しするなどして事業費を過大に精算しているもの37事項国庫補助金相当額7,764,092円
共同利用することとして導入または設置した農業機械等が個人用のものとなっているものなど補助の対象とは認められないもの5事項国庫補助金相当額6,122,589円
事業量または工事の出来高が不足していたり、工事の施行が不良となっているもの4事項国庫補助金相当額450,100円
計46事項14,336,781円ある。

 いま、上記46事項のうち1事項20万円以上のものをあげると次表のとおり15件11,805,144円である。

(注)  次表に掲記した道府県のほか宮城、福島、茨城、栃木、山梨、兵庫、島根、宮崎、鹿児島各県

道府県名 年度 事業内容 事業主体 事業費 左に対する国庫補助金 不当事業費 左に対する国庫補助金相当額 摘要
千円 千円 千円 千円
(農業構造改善事業)
(251)北海道 40 トラクタ 沙流郡門別町賀張トラクタ利用組合 13,252 6,140 4,654 2,156 補助の対象外
(252) 同 育成牛舎 紋別郡興部町北興第2酪農生産組合 5,414 2,636 614 298 事業費の精算過大
(253)秋田県 牧道 北秋田郡比内町農事組合法人扇田酪農農場 1,500 750 458 229
(254)新潟県 稚蚕共同飼育所 岩船郡朝日村舘越農場 2,125 1,062 2,125 1,062 補助の対象外
(255) 同 壮蚕共同飼育所 3,685 1,837 3,685 1,837
(256)岐阜県 ほ場整備 揖斐郡大野町野牛洞土地改良区 24,700 12,347 694 347 事業費の精算過大
(257)京都府 綾部市 18,728 9,364 430 215
(258)鳥取県 らっきょう加工施設 岩美郡福部村農業協同組合 12,955 6,477 1,291 645
(259) 同 一般農道 東伯郡関金町南谷土地改良区 17,246 8,623 1,200 600
(260)高知県 一般農道(西分1号線) 安芸郡芸西村 10,100 5,050 1,911 955
(261) 同 一般農道(西分3号線) 14,770 7,385 2,873 1,436
(262) 同 41 一般農道(西分2号線) 32,600 16,300 1,318 659
(林業構造改善事業)
(263)岐阜県 40 素材生産施設 大野郡清見村森林組合 2,254 1,127 1,760 880 補助の対象外
(沿岸漁業構造改善事業)
(264)高知県 40 鮮魚運搬施設 高知市高知県漁業協同組合連合会 15,000 4,500 800 240 事業費の精算過大
(265)高知県 41 鮮魚運搬施設 高知市高知県漁業協同組合連合会 18,700 5,610 800 240 事業費の精算過大
193,030 89,209 24,616 11,805

(266) 農業改良資金助成補助金を財源とする都道府県の貸付金の運営当を得ないもの

(一般会計) (組織)農林本省 (項)農産物生産対策費

 農業改良資金は、農業改良資金助成法(昭和31年法律第102号)に基づき都道府県が国の補助金と自己資金とを財源として農業者等に対し無利子で貸し付けるもので、昭和41年度中、農林省で国庫補助金1,465,259,536円を都道府県に交付しているが、本院において、貸付金の大部分を占める技術導入資金に関し、北海道ほか20府県における貸付け14,047事項4,035,339,750円(うち40年度分6,731事項1,998,525,084円)のうち229事項272,503,710円(うち40年度分127事項149,724,970円)について、貸付けおよび貸付金使用の状況を調査したところ、北海道ほか12県において、
貸付けの対象とならないものに貸し付けているもの2事項1,084,000円
借受者が事業を全く実施しないで、貸付金を貸付けの対象とならない施設の設置に使用したり、債務の償還に充当したりなどしているもの6事項6,389,000円
借受者が計画事業費より少額で事業を実施して、貸付金の一部を貸付けの対象とならない土地の取得に使用したり、団体の経費に使用したり、貯金のまま保有したりなどしているもの47事項18,461,084円
計55事項25,934,084円があり、ひいて補助の目的にそわない結果となっていると認められる国庫補助金相当額が1711万余円ある。
 いま、これを道県ごとに示すと次表のとおりである。

類別
道県名
貸付金 左のうち調査したもの 不当貸付金
貸付けの対象とならないものに貸し付けているもの 事業を全く実施していないもの 計画事業費より少額で実施しているもの
事項数 金額 事項数 金額 事項数 金額 事項数 金額 事項数 金額 事項数 金額

北海道

944

437,841,000

18

31,365,000





4

1,326,697

4

1,326,697
福島県 1,415 251,448,000 6 3,367,000

1 1,840,000 1 531,790 2 2,371,790
茨城県 686 210,954,400 13 10,602,000

2 980,000 6 2,552,556 8 3,532,556
栃木県 1,002 209,450,000 21 44,504,000



1 70,000 1 70,000
新潟県 513 292,340,147 17 28,053,430

1 2,687,000 1 567,000 2 3,254,000
長野県 1,005 204,411,520 14 12,206,900 1 718,000




1 718,000
静岡県 87 28,406,160 2 6,732,000



1 2,670,360 1 2,670,360
愛知県 364 328,216,000 10 6,065,000

1 182,000 2 1,020,514 3 1,202,514
鳥取県 485 111,198,000 14 8,282,000

1 700,000 3 483,034 4 1,183,034
福岡県 548 118,714,300 11 12,018,200



1 213,000 1 213,000
長崎県 533 148,665,250 19 22,570,000



6 1,386,179 6 1,386,179
宮崎県 955 223,102,396 18 27,454,780 1 366,000

11 2,934,355 12 3,300,355
鹿児島県 915 289,075,250 19 23,349,400



10 4,705,599 10 4,705,599
合計 9,452 2,853,822,423 182 236,569,710 2 1,084,000 6 6,389,000 47 18,461,084 55 25,934,084

(267) 災害復旧事業費の査定額を減額させたもの

(一般会計)

 地方公共団体、土地改良区、森林組合等が施行する農業施設、山林施設、漁港施設の昭和41年発生災害復旧工事費の査定を了したもの(農林省査定額29,430,403,000円)に対する検査は、査定額の比較的多かった北海道ほか17県を選び、41年11月から42年5月までの間に、農業施設2,090工事7,445,016,000円、山林施設219工事474,091,000円、漁港施設80工事406,700,000円計2,389工事8,325,807,000円について実施した。

 その結果、査定工事費を適正なものに修正する必要があると認め当局に対して注意したところ減額是正する旨の回答があったものが、前記18道県において農業施設で499工事315,110,000円、山林施設で15工事13,851,000円、漁港施設で17工事6,645,000円計531工事335,606,000円(国庫補助(負担)金相当額289,148,000円)ある。これを道県別、態様別に示すと次表のとおりである。

類別
道県名
農林省査定額 左のうち実地検査したもの 減額させた工事費
設計過大 積算過大 改良工事
工事数 金額 工事数 金額 工事数 金額 工事数 金額 工事数 金額 工事数 金額

北海道

418
千円
2,374,788

88
千円
988,626

18
千円
18,929

5
千円
4,609

千円
23
千円
23,538
青森県 1,111 1,084,175 185 518,236 44 22,642 6 8,431

50 31,073
岩手県 868 569,097 146 255,129 18 8,558 5 1,055 1 257 24 9,870
宮城県 899 1,144,497 161 788,580 37 19,048 6 24,136 1 453 44 43,637
秋田県 367 652,947 135 556,363 11 9,622 6 28,176 2 1,114 19 38,912
福島県 1,218 939,130 114 232,315 26 11,147

2 1,602 28 12,749
栃木県 581 528,304 86 120,924 8 2,204 1 114
9 2,318
群馬県 484 416,673 91 184,531 19 10,484 2 430

21 10,914
神奈川県 276 608,625 48 445,071 11 9,275 1 202 2 1,196 14 10,673
新潟県 2,490 6,994,902 178 1,316,891 28 31,902 10 6,773

38 38,675
山梨県 3,965 3,791,638 134 859,192 35 27,040 16 14,667 2 5,177 53 46,884
長野県 498 770,848 67 213,433 11 3,184



11 3,184
静岡県 1,266 1,037,244 201 489,942 43 10,491 15 7,816 2 636 60 18,943
和歌山県 1,309 533,858 176 165,240 11 1,243 4 1,184

15 2,427
山口県 980 549,968 155 220,140 12 2,296 10 3,319

22 5,615
高知県 731 528,301 122 218,262 6 1,506 1 197

7 1,703
大分県 959 709,883 140 388,583 41 18,318 6 1,106 1 466 48 19,890
宮崎県 1,161 864,946 162 364,349 36 12,032 7 1,731 2 838 45 14,601
19,581 24,099,814 2,389 8,325,807 415 219,921 101 103,946 15 11,739 531 335,606

 いま、上記の内容をみると次のとおりである。

1 工事の設計が過大となっていると認められるもの

 取水ぜき、水路および道路の擁壁工事、石垣工事等で、洪水位や背後地、河床の状況からみて延長、高さ等を必要以上に見込んでいるもの、小断面の水路工事で、護岸をコンクリート張りとしてもさしつかえなくこれによれば経済的であるのに練積石垣としているものなど415工事219,921,000円(国庫補助金相当額189,443,695円)

2 工事費の積算が過大となっていると認められるもの

 取水ぜきの床掘り工事、農地の客土工事等で、機械で施行することができこれによることとすれば経済的であるのに人力で施行することとしているもの、漁港の防波堤工事等で基礎保護ブロックの運搬すえ付けは自航式起重機船を使用して施行すれば経済的であるのにえい航式のものを使用して施行することとしているもの、水路の護岸工事および取水ぜき工事で、コンクリート量の計算を誤ったり、労務の標準能率の適用を誤ったりしているものなど101工事103,946,000円(国庫補助金相当額90,105,258円)

3 改良工事を施行しようとしているもの

 水路および道路の石垣工事等で、被害が軽微な施設などについて災害復旧の査定を受けて改良工事を施行しようとしているもの15工事11,739,000円(国庫補助金相当額9,599,593円)
 しかして、災害復旧事業費の査定については、査定額を減額させた事例を毎年度の検査報告に掲記して注意を促し、当局においてもその対策について努力しているが、上記のような状況にかんがみ、適正な査定を行なうよう今後一層努力の要があると認められる。