国民金融公庫の昭和41年度末の資本金は200億円である。
41年度の貸付計画は当初2787億2400万円で、その後387億1600万円を追加し3174億4000万円と改訂したが、これに対し貸付実行額は3122億0208万余円となっており、この原資については、資金運用部資金の借入金1469億円、簡易生命保険及郵便年金積立金の借入金90億円および回収金等1563億0208万余円を充当している。
貸付実行額を貸付種類別にみると、普通貸付2866億7828万余円、恩給担保貸付243億7827万余円、特別給付金国庫債券担保貸付6億8373万余円、農地被買収者国庫債券担保貸付4億2346万余円、特別弔慰金国庫債券担保貸付3710万余円等である。
普通貸付のうち121億7338万余円は、環境衛生関係営業の近代化および合理化を推進するための施設または設備を設置する事業者に対し、都道府県知事の推せんを要件として41年6月から開始された特別の貸付けである。また、農地被買収者国庫債券担保貸付および特別弔慰金国庫債券担保貸付は、農地被買収者等に対する給付金の支給に関する法律(昭和40年法律第121号)および戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法(昭和40年法律第100号)の規定により発行された国庫債券を担保として事業資金を貸し付けるため41年10月から開始されたものである。なお、従来年8分7厘であった普通貸付の基準利率を41年4月から年8分4厘に、さらに、42年1月から年8分2厘に引き下げている。
貸付実行額から回収額2465億0828万余円および滞貸償却額7618万余円を差し引いた年間純増加額は656億1761万余円であり、年度末貸付残高は131万余件3407億7673万余円となっている。
41年度末において最終弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は19億1637万余円で、前年度末に比べて1億6854万余円減少している。なお、この元金延滞額のうち15億3102万余円は更生資金貸付にかかるもので、同貸付の年度末残高に対し99.8%の割合となっている。
41年度においては、貸付金利息246億0224万余円、一般会計より受入7億円等の利益260億4615万余円、借入金利息182億6868万余円、事務費53億0610万余円、業務委託費12億7385万余円、滞貸償却引当金繰入9億3921万余円等の損失260億4615万余円で、利益損失同額となっており、利益金を生じなかったので国庫納付金はなかった。なお、上記一般会計より受入7億円は、公庫業務の円滑な運営に資するため同年度においてはじめて政府の一般会計から補給を受けたものである。