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  • 昭和41年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項

年金福祉事業団


第23 年金福祉事業団

(事業概要について)

 昭和41年度の貸付計画は、厚生年金保険施設資金貸付348億8210万円、船員保険施設資金貸付5億1790万円、国民年金施設資金貸付16億円計370億円で、これに対し貸付決定額は同額となっている。
 41年度における貸付実行額は、前年度貸付決定に基づいて本年度に貸付実行した分を含め厚生年金保険施設資金貸付325億0130万円、船員保険施設資金貸付2億4020万円、国民年金施設資金貸付16億9820万円計344億3970万円で、この原資については資金運用部資金の借入金を充当している。貸付実行額を施設別にみると住宅228億3470万円、病院55億8120万円、厚生福祉施設60億2380万円となっている。貸付実行額から回収額44億5570万余円を差し引いた年間純増加額は299億8399万余円であり、年度末貸付残高は1017億2756万余円となっている。
 41年度末において弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は5011万余円(うち1年以上延滞のもの4080万余円)で、前年度末に比べて1489万余円(1年以上延滞のもの677万余円)増加している。

(損益について)

 41年度においては、貸付金利息54億5082万余円、政府交付金10億1951万余円等の収益65億0052万余円、借入金利息55億4140万余円、業務委託費8億4488万余円等の費用65億2728万余円で、差引き2675万余円の損失となっている。

 検査の結果、次のとおり留意を要すると認められるものがある。

(貸付けの適正化について)

 年金福祉事業団は厚生年金保険適用事業所の事業主等に対し長期かつ低利の資金を直接または委託金融機関を通じて貸し付けているが、このうち、昭和42年中、128件39億2830万円(うち委託金融機関取扱い分121件38億2430万円)について貸付けおよび貸付け後の管理の状況を調査したところ、業務方法書に定める貸付けの限度をこえて貸し付けていたり、貸付金により建設した施設の一部が貸付けの目的以外に使用されていたりしていたため繰上償還を要すると認められるものが委託金融機関取扱い分で14件5911万余円見受けられたので、借受人および委託金融機関に対し本貸付制度の趣旨を徹底させ、とくに、委託金融機関に対しては監査を強化し、貸付対象事業費のは握および施設の使用状況の調査確認を励行させる要があると認められる。