日本航空株式会社の昭和41営業年度末の資本金は224億2100万円(うち政府出資130億円)で、前営業年度末に比べて25億8700万円増加している。
41営業年度における定期航空運送事業は、41年11月からサンフランシスコ、ニューヨーク間、42年3月からニューヨーク、ロンドン間の運航を開始して世界一周路線を開設したほか、既設路線の増便、寄航地の増加等を行なっている。しかして、同営業年度末における定期運航路線は国際線19路線、国内線5路線となっている。
41営業年度の旅客輸送についてみると、国際線では輸送能力53億9745万余座席キロメートル(座席数に区間距離を乗じたもの)に対し輸送実績は29億4220万余旅客キロメートル(旅客数に区間距離を乗じたもの)で座席利用率は54.5%となっており、国内線では24億8198万余座席キロメートルに対し13億4523万余旅客キロメートルで座席利用率は54.1%となっている。しかして、前営業年度の実績と比べると、輸送能力では国際線25.4%、国内線22.5%、輸送実績では国際線32.7%、国内線17.8%の増加となっている。
41営業年度末における所有航空機数は、年度中に新たに長距離ジェット機ダグラスDC−8型および同DC−8F型各1機、短距離ジェット機ボーイング727型4機を購入し、一方、旧型となったレシプロ機ダグラスDC−6B型3機を売り払ったため、40機(うち訓練機4機)となっている。
41営業年度における航空機材および地上施設に対する設備投資額は181億3627万余円で、前営業年度に比べて41億7987万余円減少している。
41営業年度の所要資金873億0782万余円については、前営業年度からの繰越金105億8884万余円、政府出資金15億円、民間出資金10億8700万円、ワシントン輸出入銀行等からの借入金81億9756万余円、営業収入648億0280万余円等を充当している。
41営業年度の損益は、経常損益においては営業収益671億5367万余円、営業外収益13億5612万余円計685億0980万余円の収益に対し、営業費用589億2945万余円、営業外費用41億0735万余円計630億3680万余円の費用で、差引き54億7299万余円の利益を生じたが、これから租税特別措置法(昭和32年法律第26号)の規定により同営業年度にはじめて実施した航空機材についての割増償却額48億0773万余円の特別損失および法人税等の引当額1億9200万円を差し引き当期利益金は4億7326万余円となっており、これを前営業年度に比べると6億9049万余円の減少となっている。なお、41営業年度における経常利益を路線別についてみると、国際線でほ47億5816万余円、国内線では7億1482万余円となっており、前営業年度に比べて国際線では15億2492万余円、国内線では4億7331万余円増加している。
41営業年度においては、航空運送事業の著しい発展とくに45営業年度以降に予定される新大型ジェット機の就航等による現有航空機の陳腐化に対処し経営基盤の強化を図るため、従来10年であったジェット航空機材の償却年数を国際線機材については6年、国内線機材については7年に短縮しており、これによる減価償却費の増加額は約32億円である。