日本放送協会の昭和41事業年度末の資本は500億円で、前事業年度末に比べて100億円増加しているが、これは積立金からの組入れがあったためである。
41事業年度の放送網建設計画は、テレビジョンにおいては総合放送120局、教育放送120局の建設、ラジオにおいては第2放送2局の増設および超短波放送40局の建設を完成することとしているが、前事業年度からの繰越し分を含めた建設実績は、テレビジョンにおいては総合放送134局、教育放送131局の建設、ラジオにおいては第2放送4局の増設および超短波放送26局の建設を完成した。この結果、41事業年度末では、テレビジョンにおいては総合放送530局、教育放送517局、ラジオにおいては第1放送170局、第2放送133局、超短波放送106局となり、全国総世帯数に対する聴視可能世帯数の比率は、テレビジョンにおいては総合放送95%、教育放送94%、ラジオにおいては第1放送99.7%、第2放送98.4%となった。
しかして、41事業年度の建設費の決算額は、テレビ、ラジオ放送網建設費50億2323万余円、演奏所整備費58億2643万余円、テレビ、ラジオ放送設備整備費49億3440万余円、その他一般施設整備費等14億9754万余円計172億8160万余円で、前事業年度の決算額に比べて10億9472万余円増加している。
受信契約件数は、契約甲(すべての種類の放送の受信についての契約)においては、41事業年度末には1924万余件で前事業年度末に比べて102万余件(5.6%)増加しているが、その増加割合は鈍化の傾向を示しており、また、契約乙(ラジオ放送だけの受信についての契約)においては、41事業年度末には240万余件で前事業年度末に比べて3万余件(1.6%)増加している。
41事業年度の所要資金904億3732万余円については、前事業年度からの繰越金36億9451万余円、放送債券償還積立金戻入24億6280万円、長期借入金29億円、債券発行による収入金9億9460万円、受信料収入737億5879万余円等を充当している。
41事業年度の損益は、事業収入752億2999万余円に対し事業支出662億1378万余円であり、資本支出充当72億2986万余円、当期剰余金17億8635万余円となっていて、前事業年度に比べると事業収入で39億2869万余円、事業支出で55億1967万余円増加し、資本支出充当で15億5712万余円、当期剰余金で3384万余円減少している。