会計名及び科目 | 一般会計(組織)環境庁(項)自然公園等施設整備費 |
部局等の名称 | 沖縄県 |
工事名 | 西表国立公園竹富島自然探勝路工事 |
工事の概要 | 西表国立公園内の竹富島(沖縄県)に標識25基、指導標11基、ベンチ6基等を設置するとともに、樹木169本等の植栽を行う工事 |
工事費 | 11,500,000円 |
請負人 | 石垣市平良某 |
契約 | 昭和52年9月 指名競争契約 |
しゅん功検査 | 昭和52年12月 |
支払 | 昭和52年10月、53年1月 2回 |
この工事は、監督及び検査が適切でなかったため樹木の植栽工(工事費相当額4,642,674円)が設計仕様と著しく相違し、植栽した多数の樹木が枯死したりしているばかりでなく、事後の管理を怠りこれをそのまま放置していて植栽工の目的を達していないと認められる。
(説明)
この工事は、国立公園施設整備事業の一環として、自然公園法(昭和32年法律第161号)第23条に基づいて、昭和50年12月に環境庁が同公園内の竹富島を集団施設地区(注)
に指定したことに伴い、同庁が沖縄県の職員に支出負担行為事務を委任し、同地区内の博物展示施設の周辺の環境整備等を目的として、52年度に沖縄県産のガジュマル、フクギなどの樹木25種類169本等を植栽するとともに、植栽した樹木について解説した標識の設置等を行ったものである。そして、このうち樹木の植栽工については、仕様書によると、植栽する樹木はあらかじめ根回しをした細根の多い栽培品とし、根元は樹木の直径の5倍程度にはち土を付け、植え付ける穴底には良質土を敷きならすとともに根回りにも良質土を入れ、植栽後はかん水して養生することになっている。
しかるに、植栽した樹木についてみると、大部分の樹木は根回しを行っていなかったり、はち土も樹木の直径の2倍程度しか付けていなかったり、植え付ける穴底及び根回りに良質土を入れていなかったり、植栽後の養生が十分でなかったりなどしていたため、植栽総本数169本のうち73本が枯死している。これを本件植栽工の主体をなす高さ3m以上の樹木71本についてみると、枯死したため掘り起こして廃棄していたもの20本、立木のまま枯死しているもの27本計47本が枯死しており、残り24本も成育が危ぶまれる状況であった。また、このような場合には、契約に基づき請負人に請求して植え替えを行わせるべきであるのに、事後の管理を怠りそのまま放置していて、本件植栽工はその施工の目的を達していない。
(注) 集団施設地区 環境庁長官が自然公園法に定める公園計画に基づいて、国立公園又は国定公園の利用のための施設として園地、展望施設、博物展示施設等を集団的に整備するために指定した地区