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  • 昭和52年度|
  • 第3章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第4 厚生省|
  • 不当事項|
  • 補助金

公共事業関係補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの


(15)−(17) 公共事業関係補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)厚生本省 (項)環境衛生施設整備費
(項)環境衛生施設災害復旧費
部局等の名称 青森県、東京都、石川県
補助の根拠 水道法(昭和32年法律第177号)等
事業主体 市1 村1 その他1 計3事業主体
補助事業 青森県青森地区上水道災害復旧工事等3工事
上記に対する国庫補助金交付額の合計 62,851,600円

 上記3補助事業において、次表のとおり、工事の施工が設計と相違していて、国庫補助金3,762,315円が不当と認められる。

都県名 工事 事業主体 工事費 左に対する国庫補助金 不当と認めた工事費 不当と認めた国庫補助金 摘要

(15
)

青森県

青森地区上水道災害復旧

青森市
千円
26,950
千円
12,611
千円
4,320
千円
2,160

工事の施工不良
この工事は、昭和52年8月の豪雨により被害を受けた横内水源地構内の斜面、水源地〜浄水場間導水管路斜面などの上水道施設を復旧したもので、このうち水源地構内斜面の復旧(工事費相当額4,320,000円)は、コンクリートブロック練り積み(延長20m、高さ3m〜6m、面積113m2 )等を施工したものであるが、設計書、仕様書及び図面によると、コンクリートブロック練り積みは勾配5分で、胴込めコンクリート(注) を1m2 当たり0.18m3 使用し、十分突き固めてコンクリートブロックを積み立て、また、コンクリートブロック練り積みの背後には盛土414m3 等を施工することになっている。しかるに、コンクリートブロック練り積みは、上部は5分勾配になっているが、下部(地盤線から2.5mまで)は3分勾配になっていたり、胴込めコンクリートは、設計量の3分の2程度を施工したに過ぎないばかりでなく、突き固めも十分でなかったため多くの空げきを生じていたり、また、背後の盛土も締め固めが十分でなかったり、設計量の80%程度を施工したにすぎなかったりしていて、コンクリートブロック練り積みとして著しく不安定となっている。
 (注)  胴込めコンクリート  正面より末端が細くなっているコンクリートブロックや石材を積み立てる際、ブロックとブロックの間、石と石の間に詰め込むコンクリート。このように胴込めコンクリートを使用して積み上げる方式を「練り積み」という。
(16) 東京都 多摩川衛生組合廃棄物処理施設埋立処分地築造 多摩川衛生組合 92,000 46,000 2,060 1,030 工事の施工不良及び不施工
この工事は、稲城、狛江及び多摩の3市の一般家庭等から排出された廃棄物を清掃工場の焼却炉及び破砕機で処理した残灰などの埋立処分地を新設するため、清掃工場が所在する台地の斜面を掘削し、斜面の中間小段と下端にコンクリート擁壁各1基を設置し、汚水が外部に浸出するのを防止するため擁壁と斜面の間に止水層を設けるとともに斜面を整形したうえ硬質塩化ビニルシートで被覆するなどの工事を施工するもので、設計書、仕様書及び図面によると、止水層は、擁壁と斜面の間1,222m2 を掘削土で埋めもどした上に、厚さ10cmのコンクリートを施工し、また、斜面の整形は掘削斜面1,639m2 を整形することになっている。しかるに、止水層のうち732m2 は、埋めもどし土の転圧が十分でないうえ、コンクリート打設の際、生コンクリートに水を増量して施工し、コンクリートが硬化するまでの間の手当も十分でなかったため、各所にき裂を生じており、斜面の整形は全く施工しないままビニルシートを被覆していた。
(17) 石川県 広瀬簡易水道新設 石川郡鳥越村 12,999 4,240 1,715 571 工事の施工不良
この工事は、石川郡鳥越村広瀬地区の給水人口180人を対象に1日36m3 の給水をするため、取水施設として同地区の西部谷あいの幅1.5m程度のけい流に集水埋設管(薄肉塩化ビニル有孔管、径200mm)延長29mを埋設して伏流水を取水し、自然流下によって上記地区に給水する簡易水道施設を新設したもので、設計書、仕様書及び図面によると、集水埋設管は、河床の砂れき層によってろ過された清浄な伏流水を取水できるよう河床から1m〜1.1mの深さに埋設することになっている。しかるに、埋設した深さは0.4m〜0.8m程度となっていて、十分にろ過された水の取水ができない状況である。
131,949 62,851 8,096 3,762