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  • 昭和52年度|
  • 第3章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第8 郵政省|
  • 不当事項|
  • 不正行為

職員の不正行為による損害を生じたもの


(51)−(60) 職員の不正行為による損害を生じたもの

会計名 郵政事業特別会計
郵便貯金特別会計
簡易生命保険及郵便年金特別会計
部局等の名称 目黒郵便局ほか9郵便局

 上記の10郵便局において、関係職員の不正行為による損害を生じたものが次表のとおり10件190,960,803円(うち昭和53年10月末現在補てんされた額32,852,889円)ある。

部局等の名称 不正行為期間

損害

年月
(51) 東京郵政局管内
目黒郵便局
46.3から
52.9まで
13,647,238
本件は、上記部局において、分任繰替払等出納官吏所属出納員郵政事務官盛某が窓口における現金の受払事務等に従事中、契約者から便宜預かっていた簡易生命保険証書を使用し、普通貸付証書等を偽造して契約者から貸付けの申込みがあったように装って貸付金を受領したり、保険課の外務員から窓口に払い込むよう依頼されて預かっていた貸付弁済金及び貸付利息の払込みをしなかったりするなどして領得したものである。
なお、本件損害については、53年10月末までに361,735円が盛某から返納されている。
(52)
石神井公園駅前郵便局
52.4 42,070,000
本件は、上記部局において、分任繰替払等出納官吏所属出納員郵政事務官宮沢某が窓口における現金の受払事務に従事中、出納員郵政事務官染谷某等と共謀して、家族又は知人等の郵便貯金通帳を使用し、当座預金の裏付けなく振り出された小切手による預入を自局で行い、その通帳に証券で受け入れた場合にしなければならないことになっている「証券」の表示をしないで現金による預入のように装い、その通帳を用いて他局で払いもどしをしたり、前記同様の小切手による預入を他局で行い、その通帳に「証券」の表示がある場合には小切手交換決済前に払いもどしてはならないことになっている払いもどしを自局でしたりするなどして領得したものである。
なお、本件損害については、53年10月末までに16,666,000円が宮沢某ほか1名から返納されている。
(53 ) 関東郵政局管内
相模大野郵便局
51.5から
52.8まで
71,164,588
本件は、上記部局において、分任繰替払等出納官吏郵政事務官佐藤某が出納官吏事務に従事中、当該郵便局長佐藤某(51年7月29日退職)と共謀して、預金者に預入替えを勧奨して定額郵便貯金証書を預かり、この払いもどしをしたり、他人から借用した郵便貯金通帳を使用し、当座預金の裏付けなく振り出された小切手による預入を自局で行い、その通帳に証券で受け入れた場合にしなければならないことになっている「証券」の表示をしないで現金による預入のように装い、その通帳を用いて他局で払いもどしをしたり、前記同様の小切手による預入を他局で行い、その通帳に「証券」の表示がある場合には小切手交換決済前に払いもどしてはならないことになっている払いもどしを自局でしたりするなどして領得したものである。
なお、本件損害については、53年10月末までに859,381円が佐藤某から返納されている。
(54) 東海郵政局管内
豊橋郵便局
50.10から
52.9まで
6,685,415
本件は、上記部局において、分任繰替払等出納官吏所属出納員郵政事務官松下某が窓口における現金の受払事務等に従事中、恩給等給与金請求書兼受領証書等を偽造し正当受給権者から受給請求があったように装って給与金等を受領したり、預金者から住所変更などのため預かった定額郵便貯金証書又は不法に再交付を受けた他人名義の定額郵便貯金証書を使用し、同証書の受領証欄に虚偽の受領表示をし又は郵便貯金貸付申込書兼借用証書等を偽造して預金者から払いもどしの請求又は貸付けの申込みがあったように装って払いもどし金又は貸付金を受領したりして領得したものである。
なお、本件損害については、53年10月末までに4,855,415円が松下某から返納されている。
(55) 東海郵政局管内
緑郵便局
49.11から
52.7まで
6,048,440
本件は、上記部局において、貯金課所属出納員郵政事務官宇井某が外務員として郵便貯金の募集及び集金事務に従事中、預金者から便宜預かっていた定額郵便貯金証書又は不法に再交付を受けた他人名義の定額郵便貯金証書を使用し、同証書の受領証欄に虚偽の受領表示をし又は郵便貯金貸付申込書兼借用証書等を偽造して預金者から払いもどしの請求又は貸付けの申込みがあったように装って払いもどし金又は貸付金を受領したりするなどして領得したものである。
なお、本件損害については、53年10月末までに3,000,000円が宇井某から返納されている。
(56)
富田郵便局
49.1から
52.5まで
21,669,559
本件は、上記部局において、保険課所属出納員郵政事務官吉原某が外務員として簡易生命保険の募集及び集金事務に従事中、団体保険料領収帳等を便宜預かっていた団体から保険料を集金する際、団体割引の率を偽って保険料を水増しして徴収したり、特別に有利な定額郵便貯金があると預金者を欺いて預入金を受領したりするなどして領得したものである。
なお、本件損害については、53年10月末までに162,994円が吉原某から返納されている。
(57) 近畿郵政局管内
藤井寺郵便局
51.3から
53.2まで
8,367,495
本件は、上記部局において、貯金課所属出納員郵政事務官青海某が外務員として郵便貯金の募集及び集金事務に従事中、預金者から便宜預かっていた定額郵便貯金証書を使用し、同証書の受領証欄に虚偽の受領表示をし又は郵便貯金貸付申込書兼借用証書等を偽造して預金者から払いもどしの請求又は貸付けの申込みがあったように装って払いもどし金又は貸付金を受領したり、定額郵便貯金の預入申込みを受け預入金を受領しながら、その受入れ処理をしなかったりするなどして領得したものである。
なお、本件損害については、53年10月末までに4,411,000円が青海某から返納されている。
(58) 九州郵政局管内
佐世保郵便局
51.2から
52.4まで
3,812,710
本件は、上記部局において、保険課所属出納員郵政事務官山本某が外務員として簡易生命保険の募集及び集金事務に従事中、契約者から保険料及び保険貸付利息を受領しながらその受入れ処理をしなかったり、定額郵便貯金の預入申込みを受け預入金を受領しながら、その受入れ処理をしなかったりして領得したものである。
なお、本件損害については、53年10月末までに460,000円が山本某から返納されている。
(59)
大牟田郵便局
51.7から
52.8まで
14,665,358
本件は、上記部局において、貯金課所属出納員郵政事務官宮崎某が外務員として郵便貯金の募集及び集金事務に従事中、預金者から便宜預かっていた定額郵便貯金証書を使用し、同証書の受領証欄に虚偽の受領表示をし又は郵便貯金貸付申込書兼借用証書等を偽造して預金者から払いもどしの請求又は貸付けの申込みがあったように装って払いもどし金又は貸付金を受領したり、定額郵便貯金の預入申込みを受け預入金を受領しながら、その受入れ処理をしなかったりするなどして領得したものである。
なお、本件損害については、53年10月末までに1,596,364円が宮崎某から返納されている。
(60) 北海道郵政局管内
七飯郵便局
52.2から
52.7まで
2,830,000
本件は、上記部局において、分任繰替払等出納官吏所属出納員郵政事務官加賀谷某が窓口における現金の受払事務に従事中、定額郵便貯金及び積立郵便貯金の貯金原符から高額預入者を選び、その者の郵便貯金貸付申込書兼借用証書等を偽造し、預金者から貸付けの申込みがあったように装って貸付金を領得したものである。
なお、本件損害については、53年10月末までに480,000円が加賀谷某から返納されている。
190,960,803

 なお、上記のほか、53年10月末現在で郵政省から会計検査院法第27条の規定により会計に関係のある犯罪について報告を受理しているもののうち、上記と同様の事態で損害額の全額が補てん済みとなっているものが41件35,492,582円ある。