部局等の名称 | 畜産振興事業団 | |||||||
補助の根拠 | 畜産物の価格安定等に関する法律(昭和36年法律第183号) | |||||||
事業主体 | 社団法人中央畜産会 | |||||||
事業の内容 | 畜産振興事業団の補助金によって社団法人中央畜産会に基金を造成させ、乳用牛等の飼養者に畜産経営改善資金を融資している農業協同組合等の融資機関に対してこの基金を取り崩して利子補給を行う事業 | |||||||
北海道 | 群馬県 | 計 | ||||||
融資機関 | 農業協同組合 | 16 | 2 | 18 | ||||
融資先 | 乳用牛等の飼養者 | 424名 | 45名 | 469名 | ||||
融資額の合計 | 1,753,522,000円 | |||||||
上記に対する事業団の利子補給事業費補助金相当額 | 24,702,428円 |
上記の469名に対する1,753,522,000円の融資のうち利子補給の対象にすべきでないものが526,089,000円あり、これに対する畜産振興事業団の利子補給事業費補助金相当額約739万円が不当と認められる。
これは、北海道及び群馬県の317融資機関が融資した10,068件31,841,784,000円に対する利子補給金448,338,957円のうち49融資機関の3,846件13,437,276,000円に対する利子補給金189,248,367円を調査した結果である。
(説明)
この事業は、畜産振興事業団が、輸入牛肉の売買差益等を財源として昭和52年度に補助金(総額102億9910万余円)を社団法人中央畜産会(以下「中央畜産会」という。)に交付して畜産経営改善資金利子補給基金(以下「基金」という。)を造成させ、農業協同組合等の融資機関が、乳用牛等を飼養する者(以下「飼養者」という。)に経営の維持改善を図るために必要な資金(以下「畜産経営改善資金」という。)を融資した場合に、飼養者の利子負担の軽減を図るため、融資機関に対してこの基金(運用益を含む。)から利子補給を行わせるものである。そして、利子補給の対象とする畜産経営改善資金は、本件融資の申込時(申込期限は52年7月31日)における飼養者の既往の畜産経営関係の借入金残高のうち経営改善上必要と認められる額と乳用牛等の飼養頭数に1頭当たりの基準単価を乗じて算出した額とのいずれか低い額を限度として同年8月31日までに融資された資金とし、この融資金について年4分で計算した利子相当額を5年にわたって毎年度交付することとしている。なお、中央畜産会は、融資機関に対して利子補給金を交付した後、利子補給金の全部又は一部が適当でないと認められた場合はこれを返還させる措置を執ることとなっている。また、5年後に利子補給事業が完了したとき、中央畜産会は基金の残額を事業団に返還することになっている。
しかして、前記の49融資機関が実行した融資の適否について調査したところ、同事業団及び中央畜産会等の融資機関に対する指導監督が十分でなく、融資機関における事業に対する理解が十分でなかったなどのため、18融資機関が融資した469件1,753,522,000円のうちには、畜産経営改善資金の融資の申込時において既往の借入金が全くないのに畜産経営にかかわる借入金があったこととして融資したり、既往の借入金残高を水増ししていたものに対して融資したり、また、畜産経営にかかわりのない既往の住宅資金等はこの融資の対象とならないのに、その借入金残高に対して融資したりしているなど、利子補給の対象にすべきでない融資金が526,089,000円あり、これに対して利子補給金7,398,468円が交付されていて、ひいては同事業団の利子補給事業費補助金相当額約739万円が不当と認められた。
なお、本院の注意により、利子補給金739万余円が融資機関から中央畜産会に返還されたほか、上記の不当融資金526,089,000円に対応する53年以降の利子補給(予定額6436万余円)を打ち切る措置が執られた。