農林水産省では、昭和48年度に、農地保有合理化法人に、畑に転換し又は水稲以外の作物を栽培する農業者等に売り渡すこととして水田を買い入れさせ、買入れに要した借入金の利子相当額を道府県を通じ補助しており、この買入水田を上記農業者等に売り渡すまでの間無償で一時貸し付けることができることになっている。しかし、買入水田の売渡しが進まず、52年度末現在、買入水田のうち約69%に当たる水田を保有しているばかりでなく、そのなかには、休耕地として管理中の水田に無断で水稲が栽培されていたり、水稲以外の作物の栽培を条件として一時貸付中の水田において水稲が栽培されていたり、また、一時貸付中の水田で転作を実施した農業者に水田総合利用奨励補助金を交付しているなど適切でない事例が見受けられたので、保有水田の売渡しを促進させ、また、管理の適正化を図らせるよう指導するとともに、一時貸付中の水田を同補助金の交付対象から除外する措置を講ずる要があると認め、53年11月に改善の処置を要求した。
これに対し、農林水産省では、54年3月及び4月に、農地保有合理化法人の行う水田買入事業実施要領等を改正し、売渡要件の改善を図るなどして売渡処分の促進に努め(54年9月末現在の保有水田は約30%に減少)、また、貸付契約の条項を整備するなどして管理の適正化に努めるとともに、一時貸付中の水田を54年度以降、水田利用再編奨励補助金の交付対象から除外する措置を講じた。