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  • 昭和54年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第1 総理府|
  • (北海道開発庁)|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

低水流量観測業務の実施について


低水流量観測業務の実施について

 北海道開発局では、河川改修計画、河川管理及び水資源開発計画の検討に必要な河川流量等の状況をは握する基礎資料とするため、北海道内の石狩川ほか85の一級河川及び指定河川において平常時における流水量、水質等の調査を行う低水流量観測業務(以下「調査業務」という。)を毎年多数施行している。
 しかして、昭和54年度中に石狩川開発建設部ほか9開発建設部(注) で請け負わせ施行した石狩川本支流流量調査及び資料整理業務ほか16件(契約総額3億3463万余円)について検査したところ、次のとおり、調査業務の実施に当たり適切でないと認められる点が見受けられた。

 すなわち、この調査業務は、河川において水深等の測定を行う作業(以下「外業」という。)とこれらの調査結果を取りまとめる作業(以下「内業」という。)の両作業を行うものであるが、このうち内業は、外業で観測野帳に記載した水深、流速等の測定値に基づいて、流量、流水断面積等の計算を行い、これらの測定値及び計算値を流量計算書に記入した後、この測定値等から流水部横断図を作図するとともに、この流量計算書及び流水部横断図を浄書するなどの作業を行うものであって、これらの作業は手動式計算機等を利用して行ったり、手作業により浄書したりした場合の作業実績に基づいて同局が46年4月に制定した測量調査歩掛表により、これらの内業に係る労務費等を総額6612万余円と積算していた。

 しかしながら、近年、電子式卓上計算機等が普及していることから、従来手計算等によって行っていた上記の作業に要する時間が短縮されていて、この歩掛かりは作業の実態に沿っていないと認められたので調査したところ、流量等の計算作業に要する時間は電子式卓上計算機を使用することにより、上記測量調査歩掛表に定める所要時間より相当短縮されていた。また、流量計算書及び流水部横断図の浄書は、精度の高い複写機等が普及していることから手作業による浄書を取りやめ、複写機等を利用することとすれば作業時間が大幅に短縮されると認められた。したがって、この種事務機器を使用することとして積算したとすれば上記積算額を約2100万円程度低減できたと認められた。
 上記についての本院の指摘に基づき、北海道開発局では、55年10月に測量調査歩掛表を業務の実態に適合したものに改め、同月以降の契約分から適用することとする処置を講じた。

(注)  石狩川開発建設部ほか9開発建設部  石狩川、小樽、函館、室蘭、旭川、留萌、稚内、網走、帯広、釧路各開発建設部