会計名及び科目 | 一般会計 (組織)文部本省 (項)公立文教施設整備費 |
部局等の名称 | 北海道、石川、長野、三重、兵庫、佐賀各県 |
補助の根拠 | 義務教育諸学校施設費国庫負担法(昭和33年法律第81号)等 |
事業主体 | 市4、町2、計6事業主体 |
補助事業 | 札幌市立南月寒小学校用地買収等10事業 |
上記に対する国庫補助金交付額の合計 | 458,884,000円 |
上記の10補助事業において、補助の対象とは認められないものを補助事業に含めていたり、事業費を過大に精算していたり、工事の施工が設計と相違していたりしていて、国庫補助金58,686,000円が不当と認められる。これを道県別に掲げると、次表のとおりである。
道県名 | 補助事業 | 事業主体 | 事業費 | 左に対する国庫補助金 | 不当と認めた事業費 | 不当と認めた国庫補助金 | 摘要 | |||
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||||
(7) | 北海道 | 南月寒小学校用地買収 | 札幌市 | 201,158 | 46,465 | 14,067 | 3,250 | 事業費の精算過大 | ||
この事業は、株式会社札幌振興公社から学校用地14,430m2
を昭和53年3月に買収したもので、このうち14,067m2
を補助対象面積とし、これに1m2
当たりの補助単価14,300円を乗じて算出した額に対する国庫補助金を、52、53、54の3箇年度に分けて交付していた。 しかして、上記1m2 当たりの補助単価は、補助対象の用地費125,806,000円及びこれに充てた借入金の利子支払額80,796,000円計206,602,000円を買収面積で除して算出したものであるが、うち利子支払額については計算を誤ったりなどしたため14,599,592円が過大となっていた。 したがって、これを除外して補助単価を再計算すると13,300円となり、事業費は187,091,000円となる。 |
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(8) | 石川県 | 仮称第二額(現扇台)小学校校舎新築 | 金沢市 | 295,415 | 196,943 | 77,962 | 51,975 | 補助の対象外 | ||
この事業は、昭和52、53両年度事業として、額(ぬか)小学校から53年に分離新設される扇台小学校の校舎を51、52両年度に引き続き新築したもので、同小学校の55年4月の予定学級数30学級に応ずる必要面積5,371m2
から51、52両年度に実施した1,938m2
を差し引いた3,433m2
に、1m2
当たりの補助単価85,200円を乗じて算出した額を事業費としていた。 しかして、上記の30学級は51年10月に想定した通学区域について推定した児童数に基づいたものであるが、本件補助金の交付申請前の52年2月にこの通学区域が変更され、変更後の通学区域で算定した児童数に基づく予定学級数は24学級となったものである。 したがって、52、53両年度に係る補助対象面積は、この24学級に応ずる必要面積4,465m2 から上記の1,938m2 を差し引いた2,527m2 となるのに、そのまま補助金の交付を受けていたもので、過大な面積906m2 に対する事業費相当額は補助の対象から除外すべきであると認められる。 |
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(9) | 長野県 | 箕輪北小学校校舎増築 | 上伊那郡箕輪町 | 29,615 | } | 14,807 | } | 3,632 | 1,345 | 事業費の清算過大 |
屋内運動場増築 | 527 | 263 | ||||||||
危険建物改築 | 89,539 | 29,846 | ||||||||
これらの事業は、昭和52年度事業として、校舎776m2
、屋内運動場560m2
の増改築を行ったもので、これらの面積に1m2
当たりの補助単価(校舎89,947円又は89,900円、屋内運動場87,000円)を乗じて事業費を算定していた。 しかして、箕輪町は事業の実施に当たり、本件補助の対象となった校舎及び屋内運動場の本体、電気及び給排水の各工事のほか補助対象外の施設、設備等を含めた工事を3社に計145,122,000円で請け負わせ、更に、これら3社に上記工事の追加工事を計48,021,000円で請け負わせ、この合計額に基づいて上記の補助単価を算定していた。 しかし、当初工事で発注した機械室、排水溝(こう)等の工事費及び給食設備費を追加工事費にも計上するなどしてその請負金額を計6,717,000円水増ししていた。 したがって、これを除外して補助単価を再計算すると、校舎は87,554円、屋内運動場は83,861円となり、事業費は、校舎増築事業28,827,000円、屋内運動場増築事業508,000円、危険建物改築事業86,714,000円となる。 |
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(10) | 三重県 | 成美小学校校舎増築 | 久居市 | 104,761 | } | 52,380 | } | 1,588 | 677 | 工事の施工不良 |
危険校舎改築 | 83,470 | 27,823 | ||||||||
この工事は、昭和52、53両年度に、校舎3,442m2
(補助対象2,449m2
)の増改築をしたもので、そのうち53年度に施工した屋上防水工事1,678m2
は、設計書及び仕様書等によると、アスファルト露出防水工法により、下地を十分に乾燥させたうえ付着物を除去し降雨等に注意するなどして、ルーフィング類3層をアスファルトで流し張りして施工することになっていた。 しかるに、上記防水工事のうち852m2 については、施工期間中に降雨があったにもかかわらず下地又は各層を十分乾燥させることなく施工したなどのため、アスファルト露出防水層はいたるところではく離してふくらんでおり、一部は既にひび割れしている。 |
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(11) | 兵庫県 | 志筑小学校校舎増築 | 津名郡津名町 | 49,358 | } | 24,679 | } | 1,881 | 743 | 工事の施工不良 |
危険校舎改築 | 84,991 | 28,330 | ||||||||
この工事は、昭和53年度に、校舎1,478m2
の増改築をしたもので、そのうち屋上防水工事550m2
は、計設書及び仕様書等によると、アスファルト露出防水工法により、下地を十分に乾燥させたうえ付着物を除去して、ルーフィング類3層をアスファルトで流し張りして施工することになっていた。 しかるに、施工期間中に降雨があったにもかかわらず下地又は各層を十分乾燥させることなく施工したなどのため、アスファルト露出防水層はいたるところではく離してふくらみ、しわや波打ちを生じている。 |
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(12) | 佐賀県 | 若楠小学校校舎増築 | 佐賀市 | 74,697 | 37,348 | 1,392 | 696 | 工事の施工不良 | ||
この工事は、昭和54年度に、校舎757m2
の増築をしたもので、そのうち屋上防水工事268m2
は、設計書及び仕様書等によると、アスファルト露出防水工法により、下地を十分に乾燥させたうえ付着物を除去し降雨等に注意するなどして、ルーフィング類5層をアスファルトで流し張りして施工することになっていた。 しかるに、施工期間中に降雨があったにもかかわらず下地又は各層を十分乾燥させることなく施工したなどのため、アスファルト露出防水層はいたるところではく離してふくらんだり、重ねしろ部分で耳浮きの状況となっている。 |
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計 | 1,013,531 | 458,884 | 100,522 | 58,686 |