部局等の名称
愛知労働基準局
広島労働基準局
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上記の両部局においては、臨時職員を雇用した事実がないのに雇用したこととして、架空に賃金を支払って資金をねん出し、これを別途に経理し会食等の経費に使用していた。これら不正に支払った賃金の総額は昭和53年度28,868,025円、54年度21,830,440円、計50,698,465円となっており、経理が著しくびん乱している。
(説明)
前記の両労働基準局では、労働者災害補償保険の給付及び労働保険料の徴収等に関する業務のうち簡易な事務については、臨時職員を雇用して行っており、これら臨時職員に支払った賃金の額は、(表1)のとおり延べ1,729人分101,741,300円となっている。
しかして、上記の支払額について、会計実地検査の際調査したところ、臨時職員の出勤簿、賃金の支給調書等の関係書類を作為し、臨時職員を雇用した事実がないのに雇用したこととして架空に賃金を支払っていたものが、(表2)のとおり延べ884人分50,698,465円見受けられた。
上記の賃金の不正支払額は、会食等の経費に充てるための資金として別途に経理されており、愛知労働基準局においては55年3月の会計実地検査当時1,680,756円を保有していた。そして、この保有額を除く両労働基準局の別途経理金49,017,709円の使途については、当局の説明によると、(表3)のとおり、部内での又は部外との会食の経費に21,844,260円、タクシーの使用料に8,035,054円、香典、餞(せん)別等交際費的な経費に7,495,413円、臨時職員に対する通勤費等に5,140,215円及び新聞、図書購入代等の雑費に1,315,943円、計43,830,885円を使用したとし、残余の5,186,824円についてはその使途が不明であるとしている。
(表3)
(注) 「使途の内訳」欄の( )書きは、領収書、裏帳簿等により使途の内容を確認できたものを内書きしたものである。
しかし、当局が使途が明らかであるとしている43,830,885円のうち、領収書、裏帳簿等によりその内容を確認できたのは、会食の経費13,758,494円、タクシーの使用料8,035,054円、臨時職員に対する通勤費等2,948,215円、交際費的な経費1,090,398円及び雑費492,277円、計26,324,438円であって、残余の17,506,447円については支払の事実の裏付けとなる資料がなく、支払額の確認が困難な状況である。また、当局が使途不明であるとしている5,186,824円については本院の調査によってもその使途は不明である。