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  • 昭和54年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第12 建設省|
  • 不当事項|
  • 工事

道路の災害防止工事の施行に当たり、雪崩防止ぐいを設計と相違して施工したもの


(111) 道路の災害防止工事の施行に当たり、雪崩(なだれ)防止ぐいを設計と相違して施工したもの

会計名及び科目

道路整備特別会計 (項)道路事業費

部局等の名称

東北地方建設局郡山国道工事事務所(契約庁)
東北地方建設局(支出庁)

工事名

名倉山宝坂雪崩抑止杭設置工事

工事の概要

雪崩の発生を予防し、道路災害を防止するため、道路沿いの山腹に雪崩抑止ぐい284本を施工する工事
工事費 12,400,000円
請負人 日綱道路整備株式会社
契約 昭和54年11月 指名競争後の随意契約

しゅん功検査

昭和55年1月

支払

昭和54年12月、55年2月 2回

 この工事は、監督及び検査が適切でなかったため、雪崩抑止ぐい284本のうち137本(工事費相当額6,341,000円)の施工が設計と著しく相違していて、工事の施工が不良となっていると認められる。

(説明)

 この工事は、一般国道49号の福島県耶麻郡猪苗代町名倉山及び西会津町宝坂地内において、雪崩の発生を予防し、道路災害を防止するため、道路沿いの山腹に鋼管製の雪崩抑止ぐい(多数の小孔を有する外径139mm、長さ1,600mmのくい。以下「くい」という。)を名倉山地内に137本、宝坂地内に147本計284本を設置したものである。 しかして、このくいのうち、名倉山地内の道路延長69m区間に施工するくい137本については、設計書及び図面等によると、道路沿いの山腹の縦方向約120mの間に7段(1段の延長約24mから69m)に3m間隔で137箇所の床堀りを行い、この中にくいを深さ0.6mまで鉛直に建て込み、くい下部の周囲には切り込み砕石を厚さ10cmに敷きならすとともに、その上部には縦、横、深さ各0.5mの基礎コンクリートを打設してくいを固定することとしている。
 しかるに、その施工についてみると、建て込みに必要な床掘りをしないでくいを建て込み、切り込み砕石もほとんど施工しておらず、また、基礎コンクリートも設計に比べて浅くその形状も著しく不整形となっていてその打設量は大部分の箇所で設計量の半分程度にすぎないばかりでなく、打設したコンクリートのなかにはれきなどが混入しており、施工が設計と著しく相違していて、工事の施工が不良となっていると認められる。

(参考図)

(参考図)

 そして、会計実地検査当時(昭和55年9月)、既に転倒して流失しているものが6本、転倒しているものが2本、著しく傾斜しているものが8本、容易に動く状態となっているものが11本ある状況であった。