公害防止事業団では、公害防止施設を設置して譲渡するに際しては、所有権移転登記又は所有権保存登記を行うとともに抵当権設定登記を行うべきであるのに、添担保の提供が得られない場合には抵当権設定登記も行わないこととしていたり、添担保の確保を目的として念書を徴しているものの、念書が実効を有するものとなっていないことから添担保の提供が得られなかったりしていて、債権の保全措置のための事務処理体制が適切でない事例が見受けられたので、譲渡施設の抵当権設定登記については、所有権移転と同時に行うよう改め、また添担保の確保については、念書を実効あるものにするため関係諸規程を整備するなどして譲渡施設に係る債権の保全措置を適切にする要があると認め、昭和54年11月に是正改善の処置を要求した。
これに対し、公害防止事業団では、55年4月に「公害防止事業団建設譲渡細則」等を定めて、譲渡施設に係る抵当権設定登記は所有権移転と同時に行うこととし、また、念書には登記簿謄本等の添付を義務づけて実効あるものにするなどの措置を講じた。そして、55年10月までに、抵当権設定登記を怠っている11件80億8115万余円のうち9件73億2413万余円及び添担保を徴することを怠っている20件22億5189万余円のうち10件12億2445万余円についてそれぞれ処理を完了した。