昭和５４年度決算検査報告
この特別会計は、国立病院、国立がんセンター及び国立循環器病センター並びに国立療養所の円滑な運営とその経理の適正を図るため設置されているもので、病院及び療養所の２勘定に区分して経理されている。
（病院勘定）
５４年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額２５８６億６０４１万余円、収納済歳入額２５８１億６９７４万余円、不納欠損額２２５万余円、収納未済歳入額４億８８４１万余円、歳出では、支出済歳出額２４９７億３４０３万余円、翌年度繰越額６８億６１１２万余円、不用額１２億２１６７万余円となっている。
収納未済歳入額の主なものは診療収入（徴収決定済額１９５８億４３３２万余円）の４億８１０９万余円であり、また、翌年度繰越額はすべて施設整備費（歳出予算現額３７１億０６６８万余円）の分であり、不用額の主なものは看護婦等養成費（同３２億１６２０万余円）の３億０９６５万余円である。
前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、国立病院等９５箇所（入院定床３４，５２０床）の入院患者延べ１０９７万余人及び外来患者延べ１１０６万余人の診断、治療である。
なお、５４年度における損益についてみると、診療収入等の利益２２７０億１６１２万余円、病院経営費等の損失２１５８億８８５０万余円で、１１１億２７６２万余円の利益を生じており、この利益は翌年度に基金に組み入れられている。 また、５４年度末における借入金の現在額は１５５３億４２５０万円（全額資金運用部資金からの借入金）となっており、基金の現在額は２０００億４６８５万余円、積立金の現在額は２３億２０１９万余円となっている。
（療養所勘定）
５４年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額２４０２億４４３９万余円、収納済歳入額２３９９億２２００万余円、不納欠損額１０１万余円、収納未済歳入額３億２１３７万余円、歳出では、支出済歳出額２２６９億７８１１万余円、翌年度繰越額１２億１０２７万余円、不用額１億８８４７万余円となっている。
収納未済歳入額の主なものは診療収入（徴収決定済額１５４２億６２２７万余円）の３億１２４０万余円であり、また、翌年度繰越額の主なものは施設整備費（歳出予算現額２９８億２１００万余円）の１２億０９４６万余円である。
前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、国立療養所１４３箇所（入院定床４６，６３５床）の入院患者延べ１６３４万余人及び外来患者延べ２６４万余人の診断、治療である。
なお、５４年度における損益についてみると、診療収入等の利益２０８２億６７４１万余円、療養所経営費等の損失１９９０億８３０３万余円で、９１億８４３７万余円の利益が生じており、この利益は翌年度に基金に組み入れられている。また、５４年度末における借入金の現在額は１０５９億９７５０万円（全額資金運用部資金からの借入金）となっており、基金の現在額は１６６６億２４８７万余円、積立金の現在額は１１６億４３１３万余円となっている。