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  • 昭和54年度|
  • 第4章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第1 歳入歳出決算|
  • 2 特別会計

漁船再保険及漁業共済保険特別会計


(21) 農林水産省所管 漁船再保険及漁業共済保険特別会計

 この特別会計は、国が経営する漁船再保険事業、漁船乗組員給与再保険事業及び漁業共済保険事業に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されているもので、漁船普通保険、漁船特殊保険、漁船乗組員給与保険、漁業共済保険及び業務の5勘定に区分して経理されている。

 (漁船普通保険勘定)

この勘定は、1,000t未満の漁船及び漁具が戦争、変乱等以外による事故により損害を受けた場合に、漁船保険組合が負う保険責任を再保険する事業に関する経理を行うものである。

 54年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに310億3058万余円、歳出では、支出済歳出額189億6262万余円、不用額165億8218万余円となっている。不用額の主なものは漁船再保険費(歳出予算現額231億5297万余円)の43億6353万余円である。
 上記の経理の基礎となった54年度における保険関係の実績は、引受け件数22万余件、保険金額1兆3431億5373万余円であり、また、前記の支出に係る業務実績の主なものは損害再保険に係る再保険金169億9140万余円、満期再保険に係る再保険金13億5303万余円の支払である。
 なお、54年度における損益についてみると、再保険料等の利益364億3859万余円、再保険金等の損失339億4288万余円で、24億9571万余円の利益を生じており、前年度からの繰越利益と合わせ55億9706万余円が翌年度へ繰り越されている。また、54年度末における積立金の現在額は85億0936万余円となっている。

 (漁船特殊保険勘定)

この勘定は、1,000t未満の漁船及び漁具が戦争、変乱等による事故により損害を受けた場合に、漁船保険組合が負う保険責任を再保険する事業に関する経理を行うものである。

 54年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに2億1197万余円、歳出では、支出済歳出額2億0850万余円、翌年度繰越額7563万余円、不用額2億5303万余円となっている。
 上記の経理の基礎となった54年度における保険関係の実績は、引受け件数8百余件、保険金額548億2736万円であり、また、前記の支出に係る業務実績の主なものは特殊再保険に係る再保険金1億3285万余円の支払である。
 なお、54年度における損益についてみると、再保険料等の利益2億1197万余円、再保険金等の損失3億4597万余円で、1億3399万余円の損失を生じており、前年度からの繰越利益からこれを差し引いた利益27億9935万余円が翌年度へ繰り越されている。また、54年度末における積立金の現在額は29億3335万余円となっている。

 (漁船乗組員給与保険勘定)

この勘定は、漁船の乗組員が抑留された場合における給与の支払について、漁船保険組合が負う保険責任を再保険する事業に関する経理を行うものである。

 54年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに4358万余円、歳出では、支出済歳出額1960万余円、不用額1億4555万余円となっている。
 上記の経理の基礎となった54年度における保険関係の実績は、引受け件数9百余件、契約金額13億8413万余円であり、また、前記の支出に係る業務実績の主なものは給与再保険に係る再保険金1960万余円の支払である。
 なお、54年度における損益についてみると、再保険料等の利益4358万余円、再保険金等の損失2137万余円で、2221万余円の利益を生じており、前年度からの繰越利益と合わせ4億7150万余円が翌年度へ繰り越されている。 また、54年度末における積立金の現在額は4億4929万余円となっている。

 (漁業共済保険勘定)

この勘定は、中小漁業者がその営む漁業につき異常の事象又は不慮の事故によって受けることのある損失について漁業共済組合連合会が漁業共済組合に対して負う再共済責任のうち、同連合会の負担分を超える損害を保険する事業に関する経理を行うものである。

 54年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに182億1302万余円、歳出では、支出済歳出額142億8214万余円、翌年度繰越額28億1353万余円、不用額51億6314万余円となっている。
 翌年度繰越額はすべて漁業共済保険費(歳出予算現額163億6397万余円)の分であり、不用額の主なものは漁業共済保険費の19億4680万余円である。
 上記の経理の基礎となった54年度における共済関係の実績は、引受け件数3万余件、共済金額2618億6399万余円であり、また、前記の支出に係る業務実績は、漁獲共済に係る保険金92億8706万余円、養殖共済に係る保険金23億1656万余円の支払、共済掛金の一部を補助するための漁業共済組合連合会に対する交付金26億7851万余円の交付である。
 なお、54年度における損益についてみると、保険料等の利益149億4668万余円、保険金等の損失182億1302万余円で、32億6634万余円の損失を生じており、前年度からの繰越損失と合わせ98億8657万余円が翌年度へ繰り越されている。

 (業務勘定)

 54年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに6億9416万余円、歳出では、支出済歳出額6億9354万余円、不用額8763万余円となっている。