昭和５４年度決算検査報告
この銀行は、金融上の援助を与えることによりわが国の外国との貿易を主とする経済の交流を促進するため、一般の金融機関が行う輸出入及び海外投資に関する金融を補完し又は奨励することを目的として設置されているもので、５４年度末現在の資本金は９２５３億円となっている。
５４年度の収入支出決算についてみると、収入では収入済額３０１２億６０９４万余円、支出では、支出済額２８６４億５３９６万余円、不用額３７億２６８９万余円となっている。不用額の主なものは支払利息（支出予算現額２８４７億００１５万余円）の３４億０６３８万余円である。
上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、貸付け７３５件８６４５億２８０５万余円、貸付金回収７５６７億１５４３万余円、債務の保証２３６件１０６億６６４３万余円、減少した保証債務額３０１億１１０１万余円で、５４年度末における貸付金の残高は５，１２６件４兆９８６２億９０６８万余円、保証債務の残高は９５７件６２６億６７１０万余円となっている。また、この貸付金残高のうち弁済期限を６箇月以上経過した元金延滞額は１億１６９６万余円となっており、このほか、５４年度中に弁済期限が到来するものについて期限延伸の措置が執られたものが１０６億９８２３万余円ある。
５４年度における損益についてみると、貸付金利息等の利益４０６０億９７３３万余円、借入金利息等の損失３８７３億２５１１万余円で、１８７億７２２２万余円の利益金を生じており、この利益金のうち、１８６億５０９９万余円は一般勘定（特別勘定以外の経理を整理する勘定）において、また、１億２１２２万余円はインドネシア共和国の中央銀行に対する借款に係る債権繰延べ関係の経理を整理する特別勘定において生じたもので、一般勘定の利益金は翌年度に法定準備金として積み立てられ、特別勘定の利益金は翌年度に積立金として積み立てられる。なお、５４年度末における法定準備金の残高は３１０億１８９５万余円、積立金の残高は６億７３４３万余円となっている。また、同年度末における借入金の残高は４兆０６０８億８６５８万余円（資金運用部資金、外国為替資金及び一般会計からの借入金）となっている。