昭和５４年度決算検査報告
この公団は、新東京国際空港の設置及び管理を効率的に行うことなどにより、航空輸送の円滑化を図り、もって航空の総合的な発達に資するとともに、わが国の国際的地位の向上に寄与することを目的として設置されているもので、５４事業年度末現在の資本金は８３２億５６２４万余円（全額国の出資）となっている。
５４事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額８４９億６５６１万余円、支出では、支出決定済額８２４億３３９３万余円、翌事業年度繰越額５６５億４８４９万余円、不用額１３５億４２７２万余円となっている。
翌事業年度繰越額の主なものは新空港建設費（支出予算現額９６３億８６８６万余円）の５５９億５９３６万余円であり、不用額の主なものは、新空港建設費の９７億６５０６万余円、利子及債券発行諸費（同２０３億１１７２万余円）の２４億７３７７万余円である。
前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、空港の供用、空港給油等関係諸施設の整備、及び周辺の学校等の防音工事に対する助成である。
なお、５４事業年度における損益についてみると、業務収入等の収益３４０億３１４０万余円、業務費用等の費用４３４億８８９９万余円で、差引き９４億５７５８万余円の損失を生じており、前事業年度からの繰越欠損金と合わせ３２６億７９１６万余円が翌事業年度へ繰り越されている。また、５４事業年度末における借入金の残高は４４億円（資金運用部資金及び市中金融機関からの借入金）、新東京国際空港債券の発行残高は２５４５億９４０４万円となっている。