この公団は、地域社会の中心となる都市の開発整備等に必要な業務、工業の再配置の促進に必要な業務及び石炭鉱業の不況により特に疲弊の著しい産炭地域における鉱工業等の振興に必要な業務を行うことにより、全国的な人口及び産業の適正な配置と地域住民の福祉の向上に寄与することを目的として設置されているもので、54事業年度末現在の資本金は704億3500万円(全額国の出資)となっており、同公団の会計は、地方都市開発整備等事業、工業再配置事業、産炭地域振興事業の3勘定に区分して経理されている。
(地方都市開発整備等事業勘定)
〔この勘定は、健全な市街地を形成するため必要な宅地の造成等の業務に関する経理を行うものである。〕
54事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額269億4192万余円、支出では、支出決定済額283億3356万余円、翌事業年度繰越額74億2494万余円、不用額9億8955万余円となっている。
翌事業年度繰越額の主なものは地方都市開発整備事業費(支出予算現額269億6700万円)の73億6906万余円であり、不用額の主なものは関連公共施設受託工事費(同16億1300万円)の5億8023万余円である。
前記の支出に係る業務実績の主なものは宅地造成のための土地181万余m2
の取得である。
なお、54事業年度における損益についてみると、宅地売上高等の収益、宅地売上原価等の費用ともに157億1889万余円となっている。また、同事業年度末における借入金の残高は309億7500方円(全額資金運用部資金からの借入金)、地域振興整備債券の発行残高は341億0850万円となっている。
(工業再配置事業勘定)
54事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額288億2868万余円、支出では、支出決定済額436億9123万余円、翌事業年度繰越額37億3637万余円、不用額53億4869万余円となっている。
翌事業年度繰越額の主なものは造成直接費(支出予算現額109億7700万円)の36億9800万円であり、不用額の主なものは、跡地見返資金(同180億円)の27億5200万円及び移転運転資金(同20億円)の12億円である。
前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、11工場団地に係る用地の造成、及び跡地見返資金等の貸付け27件191億1000万円、貸付金の回収148億6290万円で、54事業年度末における貸付金残高65件351億1639万余円となっており、また、この貸付金残高のうち弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は29億5279万余円(うち1年以上延滞のもの29億3529万余円)となっている。
なお、54事業年度における損益についてみると、工場用地売上高等の収益、工場用地売上原価等の費用ともに108億7500万余円となっている。また、同事業年度末における借入金の残高は135億5000万円(全額資金運用部資金からの借入金)、地域振興整備債券の発行残高は661億4560万円となっている。
(産炭地域振興事業勘定)
54事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額457億3219万余円、支出では、支出決定済額462億2068万余円、翌事業年度繰越額28億2917万余円、不用額35億0825万余円となっている。
翌事業年度繰越額の主なものは造成直接費(支出予算現額119億4850万円)の25億8615万円であり、不用額の主なものは、造成直接費の23億9760万余円及び利子及債券発行諸費(同61億5640万余円)の4億9554万余円である。
前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、鉱工業等の23団地に係る用地の造成、及び設備資金等の貸付け129件157億円、貸付金の回収115億5749万余円で、54事業年度末における貸付金残高1,069件748億2999万余円となっており、また、この貸付金残高のうち弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は36億5594万余円(うち1年以上延滞のもの36億2602万余円)となっている。
なお、54事業年度における損益についてみると、土地売上高等の収益147億2140万余円、融資事業総係費等の費用145億1688万余円で、2億0452万余円の利益を生じており、この利益は同事業年度末における利益積立金残高52億5909万余円と合わせ翌事業年度に利益積立金として積み立てられることになっている。また、54事業年度末における借入金の残高は867億4996万余円(全額資金運用部資金からの借入金)となっている。