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  • 昭和54年度|
  • 第4章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他6団体の決算

畜産振興事業団


(5) 畜産振興事業団

 この事業団は、主要な畜産物の価格の安定、乳業者等の経営に要する資金の調達の円滑化及び畜産の振興に資するための事業に対する助成等に必要な業務を行うことを目的として設置されているもので、54事業年度末現在の資本金は81億4370万円(うち国の出資77億円)となっており、同事業団の会計は、一般、輸入牛肉、債務保証、助成及び補給金等の5勘定に区分して経理されている。

 (一般勘定)

 この勘定は、国内産の指定乳製品、指定食肉及び輸入に係る指定食肉(輸入牛肉を除く。)の売買保管業務等に関する経理を行うものである。

 54事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額3億4461万余円、支出では、支出決定済額11億6598万余円、不用額222億5416万余円となっている。不用額の主なものは借入金返済金(支出予算現額189億0936万円)の189億0936万円である。

 上記の支出に係る業務実績の主なものは、国内産脱脂粉乳38,000t及び国内産バター7,210tの保管である。
 なお、54事業年度における損益についてみると、期末乳製品たな卸高等の利益268億3191万余円、期首乳製品たな卸高等の損失267億7495万余円で、5696万余円の純益金を生じており、この純益金は、翌事業年度に債務保証勘定からの繰入金632万余円と合わせ繰越欠損金48億4587万余円の減額に充てており、欠損金47億8258万余円が繰り越されている。

 (輸入牛肉勘定)

 〔この勘定は、輸入に係る牛肉の売買、保管業務に関する経理を行うものである。〕

 54事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額1378億5310万余円、支出では、支出決定済額1030億3118万余円、不用額20億3122万余円となっている。不用額の主なものは輸入牛肉買入保管事業費(支出予算現額1032億5197万余円)の13億8716万余円である。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、輸入牛肉10万余tの買入れ及び10万余tの売渡しである。
 なお、54事業年度における損益についてみると、輸入牛肉売上高等の利益1514億6776万余円、輸入牛肉買入高等の損失1093億3715万余円で、421億3060万余円の純益金を生じており、この純益金のうち翌事業年度に助成勘定に421億0560万余円が組み入れられ、残余の2500万円が前事業年度から繰り越された積立金と合わせて20億3592万余円が積み立てられる。

 (債務保証勘定)

〔この勘定は、出資者である乳業者等の借入金に対する債務保証業務に関する経理を行うものである。〕

 54事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額9417万余円、支出では、支出決定済額6758万余円、不用額3107万余円となっている。

 上記の収入支出に係る業務実績の主なものは運転資金等に対する新規の保証40件15億0800万円で、54事業年度末の保証残高は44件12億7954万円となっている。
 なお、54事業年度における損益についてみると、受入利息等の利益7609万余円、一般管理費等の損失6819万余円で、790万余円の純益金を生じており、この純益金のうち、翌事業年度に、一般勘定に632万余円が組み入れられ、積立金として158万余円を前事業年度から繰り越された積立金と合わせて1721万余円が積み立てられている。

 (助成勘定)

 この勘定は、国内産牛乳の学校給食用供給事業に対する補助業務及び指定助成対象事業に対する補助又は出資業務に関する経理を行うものである。

 54事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額814億6353万余円、支出では、支出決定済額567億8515万余円、翌事業年度繰越額2億4733万余円、不用額227億2608万余円となっている。不用額の主なものは指定助成対象事業費(支出予算現額619億8511万余円)の220億3114万余円である。

 上記の支出に係る業務実績の主なものは、子牛生産振興事業等17項目の指定助成対象事業に対する補助261億1564万余円、学校給食用牛乳60万余tの牛乳供給事業に対する補助167億7261万余円である。
 なお、54事業年度における損益についてみると、資金より戻入金等の利益、助成事業費等の損失ともに446億0216万余円となっている。

 (補給金等勘定)

 この勘定は、加工原料乳に対する生産者補給交付金の交付業務及び輸入乳製品の売買、保管業務に関する経理を行うものである。

 54事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額450億8196万余円、支出では、支出決定済額484億5158万余円、不用額81億7000万余円となっている。不用額の主なものは借入金返済金(支出予算現額76億8072万余円)の76億8072万余円である。

 上記の支出に係る業務実績の主なものは、加工原料乳193万tに対する加工原料乳生産者補給交付金474億2007万余円の交付である。
 なお、54事業年度における損益についてみると、交付金収入等の利益527億7384万余円、補給金事業費等の損失555億5147万余円で、27億7762万余円の損失金を生じており、この損失金は翌事業年度に前事業年度から繰り越された積立金59億2432万余円を減額して整理され積立金31億4669万余円が繰り越されている。