この事業団は、繭及び生糸の価格について、安定価格帯を超える異常な変動を防止するとともに、この安定価格帯の中の一定の幅の中にこれらの価格を安定させるため、生糸の買入れ、輸入、売りもどし及び売渡し、繭の保管に要する経費の助成、委託による乾繭の売渡し等の業務を行うことを目的として設置されているもので、54事業年度末現在の資本金は60億3030万円(うち国の出資50億3030万円)となっており、同事業団の会計は、異常変動防止及び中間安定等の2勘定に区分して経理されている。
(異常変動防止勘定)
54事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額4億0090万余円、支出では、支出決定済額1億8799万余円、不用額184億7347万余円となっている。不用額の主なものは、生糸買入費(支出予算現額154億8000万円)の154億8000万円、借入金償還(同20億8800万余円)の20億8800万余円である。
なお、54事業年度における損益についてみると、有価証券利息等の収益3億9714万余円、一般管理費等の費用1億6494万余円で、2億3219万余円の利益金を生じており、この利益金は同事業年度末における積立金と合わせて23億9076万余円が翌事業年度に積立金として積み立てられている。
(中間安定等勘定)
54事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額1239億7671万余円、支出では、支出決定済額1211億2185万余円、翌事業年度繰越額37億1058万余円、不用額952億3455万余円となっている。
翌事業年度繰越額の主なものは生糸価格中間安定事業に係る生糸買入費(支出予算現額868億8928万円)の34億7340万円であり、また、不用額の主なものは、生糸価格中間安定事業に係る生糸買入費の435億6682万余円、借入金償還(同971億6437万余円)の215億5682万余円及び生糸短期保管事業に係る生糸買入費(同201億6000万円)の201億6000万円である。
前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、国産生糸の買入れ13,550俵、外国産生糸の輸入42,664俵及び売渡し17,663俵である。
なお、54事業年度における損益についてみると、長期保管生糸期末たな卸高等の収益846億5221万余円、長期保管生糸当期買入高等の費用832億1256万余円で、14億3964万余円の利益金を生じており、この利益金のうち11億5171万余円が翌事業年度に蚕糸業振興資金として充てられ、54事業年度末における蚕糸業振興資金の残高38億8926万余円と合わせて繰り越されており、残余の2億8792万余円が54事業年度末における積立金の残高50億3679万余円と合わせて積み立てられている。