昭和５４年度決算検査報告
この事業団は、人工衛星及び同衛星打上げ用ロケットの開発、打上げ及び追跡を総合的、計画的かつ効率的に行い、宇宙の開発及び利用の促進に寄与することを目的として設置されているもので、５４事業年度末現在の資本金は４４７２億０８１５万余円（うち国の出資４４７１億６８５５万余円）となっている。
５４事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額８９５億５６４９万余円、支出では、支出決定済額８６６億３６７１万余円、翌事業年度繰越額１８２億９４３１万余円、不用額１５億９９１７万余円となっている。
翌事業年度繰越額の主なものは、ロケット開発費（支出予算現額３６２億８７７７万余円）の７８億８２８５万余円、追跡管制費（同８９億５４７１万余円）の３３億６９５４万余円、人工衛星開発費（同２４０億８７５７万余円）の２４億９８２０万余円である。
前記の支出に係る業務実績の主なものは、実験用静止通信衛星「あやめ２号」の打上げ及び技術試験衛星IV型、Ｎロケットの開発である。
なお、５４事業年度における損益についてみると、国庫補助金等の収益６５億９６８５万余円、ロケット開発費等の費用７２２億２４１３万余円で、６５６億２７２８万余円の純損失を生じており、前事業年度からの繰越欠損金と合わせ２４７７億３１２８万余円が翌事業年度へ繰り越されている。