会計検査院は、国の一般会計及び特別会計の収入支出をはじめ、国の所有する現金、物品、国有財産、国の債権、債務等すべての分野の国の会計のほか、公社、公庫等の政府関係機関の会計、国が資本金の2分の1以上を出資している公団、事業団等の会計、及び法律により会計検査院の検査に付するものと定められた日本放送協会の会計を検査の対象としており、これらの検査対象となる会計を取り扱う機関から、当該機関で行った会計経理の実績を記載した計算書及びその証拠書類等を提出させ、これらの書類について検査を行うとともに、官署、事務所等に職員を派遣して実地の検査を行っている。
更に、会計検査院は、国が資本金の一部を出資しているものの会計や国又は公社が資本金を出資したものが更に出資しているものの会計のほか、国が補助金その他の財政援助を与えた都道府県、市町村、各種組合、学校法人等の会計についても必要に応じて検査することができることになっており、これらの事務所等に職員を派遣して実地の検査を行っている。
しかして、これらの検査対象機関について、会計検査院が既往1年間に実施した検査の実績を示すと、書面検査については、昭和55年度分の計算書23万9千余冊及びその証拠書類6926万余枚について実施し、また、実地検査については55年11月から56年10月までの間に、検査対象機関の官署、事務所等4万2千余箇所のうち、その8.0%に当たる3千3百余箇所(うち重要な箇所9千6百余箇所については30.3%に当たる2千9百余箇所、その他の箇所3万2千4百余箇所については1.4%に当たる4百余箇所)について実施した(検査実施人日数4万7千余人日)。なお、検査の進行に伴い、関係者に対して発した質問は約1,300事項である。