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  • 昭和55年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第5 厚生省|
  • 不当事項|
  • 補助金

環境衛生等施設整備関係補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの


(54)−(56) 環境衛生等施設整備関係補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計(組織)厚生本省 (項)環境衛生施設整備費
(項)社会福祉施設整備費
部局等の名称 栃木、和歌山、高知各県
補助の根拠 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)等
事業主体 市1、町1、一部事務組合1、計3事業主体
補助事業 し尿処理施設増設事業等3事業
上記に対する国庫補助金交付額の合計 185,773,666円

 上記の3補助事業において、事業費を過大に精算していたり、補助の対象とは認められないものを事業費に含めていたりなどしていて国庫補助金10,176,466円が不当と認められる。これを県別に掲げると、次表のとおりである。

県名

事業 事業主体 事業費 左に対する国庫補助金 不当と認めた事業費 不当と認めた国庫補助金

摘要


(54)


栃木県

し尿処理施設増設

小山地区環境衛生組会
千円
399,776
千円
133,258
千円
6,973
千円
2,324

事業費の精算過大
 この事業は、小山市ほか5町から排出されるし尿を処理するため同市塩沢地内に設置してある既存の処理能力220kl/日のし尿処理施設に100kl/日の施設を増設(事業計画昭和54年度から56年度まで)するもので、小山地区環境衛生組合では既存施設の改良事業(同組合の単独事業)と併せた増設改良工事を総額1,687,000,000円で施行しており、これに対する国庫補助金昭和54年度30,720,000円、55年度102,538,666円計133,258,666円の交付を受けていた。
 しかし、上記工事費を補助事業(増設)分と単独事業(改良)分とに区分するに当たり、諸経費については、それぞれの直接工事費の割合に応じて配分すべきであるのに、直接工事費と諸経費とを合わせた補助事業費が厚生省から示された予定額と同額になるように配分し、補助対象工事費を54年度92,160,000円、55年度307,616,000円計399,776,000円として精算していた。
 いま、諸経費をそれぞれの直接工事費の割合に応じて配分したとすれば補助対象工事費は54年度90,427,603円、55年度302,374,999円計392,802,602円となり、6,973,398円が過大に精算されていた。

(55)

和歌山県 地区道路出崎楚都浜線新設 有田市 53,652 35,768 9,612 6,408 補助金の過大交付
 この事業は、有田市が生活環境の整備を図るため昭和51年度に同市港地区に延長216mの道路を新設したもので、同市は、道路用地として畑等891m2 を39,067,000円で有田市土地開発公社(以下「公社」という。)から52年3月に取得し、これに道路工事費等14,585,000円を合わせた53,652,000円に対する国庫補助金35,768,000円の交付を受けていた。
 しかし、上記用地は公社が同市の依頼により52年1月から3月までの間に、28,455,897円で取得したものであり、公社は同市の公共用地の取得等を実施するために設立されているものであるから、本件用地取得費は公社が地主に支払った額に、その資金とした借入金の支払利息142,000円及び事務費857,000円を加えた額とすべきであると認められる。
 いま、これにより修正計算すると、用地費は29,454,897円となり、補助対象事業費は44,039,897円となるので、国庫補助金6,408,000円が過大に交付されていた。

(56)

高知県 地区道路本山保育所線新設 本山町 25,121 16,747 2,167 1,444 補助の対象外
 この事業は、本山町が生活環境の整備を図るため昭和54年度に同町五区地区に延長84mの道路を新設したもので、同町は用地の買収に伴う残地に対する補償費5,386,000円とこれに道路工事費等19,735,000円を合わせた事業費25,121,000円に対する国庫補助金16,747,000円の交付を受けていた。
 しかして、上記補償費のうち2,167,000円は、水田685m2 のうち117m2 を買収したことに伴う残地568m2 の一部125m2 について価格の低下、利用価値の減少等の損失が生じるとして支払ったものである。
 しかし、残地補償は、当該残地が狭小となり、その利用価値が減少する場合に対象となるもので、買収後に残る水田の面積が従前の面積の83%に相当する568m2 もある本件について補償する要がなかったものと認められる。現に、国の方針に準じて高知県が定めた補償基準によれば、農地の一部を取得する場合における残地補償は作付面積が従前のおおむね2分の1以下となり、かつ、水田にあっては300m2 以下となる場合に対象とすることとしているものであって、本件は補償の対象とはならず、補助の対象とならないものである。

478,549 185,773 18,752 10,176