会計名及び科目 | 一般会計 (組織)中小企業庁 (項)中小企業対策費 |
部局等の名称 | 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡各通商産業局 |
助成の根拠 | 中小企業近代化資金等助成法(昭和31年法律第115号) |
事業主体 | 北海道ほか13都府県 |
事業の内容 | 中小企業者に無利子で貸し付ける設備近代化資金の貸付け |
貸付先 | 18中小企業者 |
貸付額の合計 | 155,455,000円(国庫補助金相当額77,727,500円) |
この事業は、都道府県が、国の補助金と自己資金等によって資金を造成し、設備の近代化に必要な資金の調達が困難な中小企業者に対して無利子で貸し付ける事業であるが、昭和54、55両年度に実施した事業の一部について調査したところ、上記の18中小企業者に対する155,455,000円の貸付けにおいて、次表のとおり、120,000,569円の貸付けが不当と認められ、ひいては国庫補助金相当額60,000,284円が補助の目的に沿わない結果になっていると認められる。
都道府県名 | 貸付先 | 貸付対象 | 貸付 昭和年月 |
貸付対象事業費 |
貸付対象として適切でない事業費 |
補助の目的に沿わない結果になった国庫補助金相当額 | 摘要 | |
同上に対する貸付額 | 同上に対する貸付金相当額 | |||||||
(77) |
北海道 |
クリーニング業者 |
ドライクリーナーほか |
55.10 |
千円 24,750 (12,000) |
千円 24,750 (12,000) |
千円 6,000 |
貸付対象外 |
この貸付けは、ドライクリイーナーほか4設備の所要資金24,750,000円(貸付対象事業費同額)の一部として貸し付けたもので、貸付対象事業費どおりの価格で設備が設置され、昭和55年10月に貸付金相当額が支払われていたとしているが、実際は、19,300,000円で長期の割賦販売契約(55年11月から60年10月まで62回払い)により購入設置していた。しかして、本資金は、貸付年度中又は貸付後1箇月以内に貸付金相当額の支払を完了するものに対して貸し付けるものであるから、本件設備は貸付対象にならないものである。 | ||||||||
(78) | 青森県 | 食料品製造業者 | 急速凍結装置ほか | 56.2 | 21,931 (10,950) |
14,515 (7,247) |
3,623 | 貸付対象外及び低額設置 |
この貸付けは、急速凍結装置ほか5設備の所要資金22,058,130円(うち貸付対象事業費21,931,000円)の一部として貸し付けたもので、22,058,130円で設備が設置されていたとしているが、次のとおり適切を欠いていると認められる。すなわち、貸付対象設備のうち、(ア)急速凍結装置(貸付対象事業費9,800,000は設備の取得に要する資金を貸し付けるものであるから、同設備は貸付対象とならないものであり、(イ)冷凍庫(貸付対象事業費4,245,000円、貸付額2,120,000円)は実際は既往年度の昭和50年12月に3,700,000円で設置していたが、本資金は貸付年度中に設置する設備に対して貸し付けるものであるから、同設備は貸付対象とならないものであり、また、(ウ)オートブロイラーほか1設備(貸付対象事業費2,236,000円、貸付額1,110,000円)は実際は貸付対象事業費より低額な1,766,000円で設置していたものであるから、貸付額のうち227,000円は過大な貸付けとなっている。したがって、貸付対象事業費に対する適切な貸付額は、上記(ウ)の2設備に係る883,000円及び(ア)、(イ)、(ウ)以外の2設備に係る2,820,000円の計3,703,000円となり、本件貸付額との差額7、247、000円は過大な貸付けとなっている。 | ||||||||
(79) | 宮城県 | 砂利採取業者 | 掘削機 | 55.12 | 22,000 (11,000) |
22,000 (11,000) |
5,500 | 貸付対象外 |
この貸付けは、掘削機1台の所要資金22,000,000円(貸付対象事業費同額)の一部として貸し付けたもので、貸付対象事業費どおりの価格で設備が設置され、昭和55年12月に貸付金相当額が支払われていたとしているが、実際は、貸付対象事業費より低額な11,000,000円で設置し、55年8月に3,500,000円を支払っただけで、残額の7,500,000円は貸付年度経過後も未払となっていた。しかして、本資金は、貸付年度中又は貸付後1箇月以内に貸付金相当額の支払を完了するものに対して貸し付けるものであるから、本件設備は貸付対象にならないものである。 | ||||||||
(80) | 福島県 | 電気めっき業者 | イオン交換装置及び排水貯槽 | 56.3 | 15,902 (7,950) |
10,248 (5,123) |
2,561 | 貸付対象外及び低額設置 |
この貸付けは、イオン交換装置3基及び排水貯槽3基の所要資金16,100,000円(うち貸付対象事業費15,902,000円)の一部として貸し付けたもので、16,100,000円で設備が設置されていたとしているが、実際は、イオン交換装置(貸付対象事業費7,902,000円、貸付額3,950,000円)は貸付けの前々年度に7,442,000円で設置していたもので、本資金は貸付年度中に設置する設備に対して貸し付けるものであるから、同設備は貸付対象とならないものであり、また、排水貯槽(貸付対象事業費8,000,000円、貸付額4,000,000円)は貸付対象事業費より低額な5,654,000円で設置していたものであるから、貸付額のうち1,173,000円は過大な貸付けとなっている。したがって、貸付対象事業費に対する適切な貸付額は排水貯槽に係る2,827,000円となり、本件貸付額との差額5,123,000円は過大な貸付けとなっている。 | ||||||||
(81) | 栃木県 | 木製品製造業者 | 木工用プレス及び金属加工用プレス | 55.8 | 9,965 (4,780) |
5,732 (2,749) |
1,374 | 重複融資 |
この貸付けは、木工用プレス1台及び金属加工用 プレス1台の所要資金10,300,000円(うち貸付対象事業費9,965,000円)の一部として貸し付けたものであるが、借主はこの貸付けを受ける以前に貸付対象設備のうち金属加工用 プレス5,900,000円(うち貸付対象事業費5,732,000円、貸付額2,749,519円)を対象として中小企業金融公庫から同設備の所要資金の全額について長期資金を借り入れていた。したがって、本件貸付額のうち金属加工用 プレスに係る貸付額2,749,519円は貸付けの要はないものである。 | ||||||||
(82) | 東京都 | 印刷業者 | 組版鋳造機 | 56.2 | 17,104 (7,600) |
17,104 (7,600) |
3,800 | 重複融資 |
この貸付けは、組版鋳造機1台の所要資金17,104,000円(貸付対象事業費同額)の一部として貸し付けたものであるが、借主はこの貸付けを受ける以前に本件貸付対象事業以外の設備費等を合わせ事業費総額30,000,000円を対象として国民金融公庫等からその事業費の全額について長期資金を借り入れていた。したがって、本件貸付けはその要はないものである。 | ||||||||
(83) | 同 | クリーニング゛業者 | ドライクリーニング装置 | 56.2 | 13,960 (63,00) |
l3,960 (6,300) |
3,150 | 貸付対象 |
この貸付けは、ドライクリーニング装置一式の所要資金13,960,000円(貸付対象事業費同額)の一部として貸し付けたもので、貸付対象事業費どおりの価格で設備が設置されていたとしているが、実際は、貸付対象設備をリース契約により賃借していた。しかして、本資金は、設備の取得に要する資金を貸し付けるものであるから、本件設備は貸付対象にならないものである。 | ||||||||
(84) | 山梨県 | 鋳物製造業者 | 低周波誘導電気炉 | 54.12 | 25,200 (12,000) |
5,200 (2,000) |
1,000 | 低額設置 |
この貸付けは、低周波誘導電気炉一式の所要資金25,200,000円(貸付対象事業費同額)の一部として貸し付けたもので、貸付対象事業費どおりの価格で設備が設置されていたとしているが、実際は、貸付対象事業費より低額な20,000,000円で設置していた。したがって、適切な貸付額は10,000,000円となり、本件貸付額との差額2,000,000円は過大な貸付けとなっている。 | ||||||||
(85) | 静岡県 | 輸送用機械器具製造業者 | 強力旋盤及びラボアルボール盤 | 56.3 | 19,200 (8,650) |
9,877 (4,450) |
2,225 | 重複・融資 |
この貸付けは、強力旋盤1台及びラジアルボール盤1台の所要資金19,200,000円(貸付対象事業費同額)の一部として貸し付けたものであるが、借主はこの貸付けを受ける以前に本件貸付対象事業費のうち強力旋盤の附属設備費2,500,000円を除く事業費16,700,000円を対象として中小企業金融公庫から長期資金15,000,000円を借り入れていた。したがって、貸付対象事業費に対する貸付額は、貸付対象事業費19,200,000円から同公庫からの借入額15,000,000円を控除した残額4,200,000円で足り、本件貸付額との差額4,450,000円は過大な貸付けとなっている。 | ||||||||
(86) | 愛知県 | 紙加工品製造業者 | 型打抜機 | 56.4 | 17,100 (7,695) |
16,331 (7,349) |
3,674 | 重複融資 |
この貸付けは、型打抜機1台の所要資金19,000,000円(うち貸付対象事業費17,100,000円)の一部として貸し付けたものであるが、借主はこの貸付けを受ける以前に本件貸付対象事業以外の工事費等を合わせ事業費総額20,345,900円を対象として国民金融公庫から長期資金20,000,000円を借り入れていた。したがって、貸付対象事業費に対する貸付額は、上記事業費総額20,345,900円から同公庫からの借入額20,000,000円を控除した残額345,900円で足り、本件貸付額との差額7,349,100円は過大な貸付けとなっている。 | ||||||||
(87) | 京都府 | 印刷業者 | オフセット輪転機 | 55.3 | 24,000 (12,000) |
24,000 (12,000) |
6,000 | 貸付対象外 |
この貸付けは、オフセット輸転機1台の所要資金24,000,000円(貸付対象事業費同額)の一部として貸し付けたもので、貸付対象事業費どおりの価格で設備が設置され、昭和55年3月に貸付金相当額が支払われていたとしているが、実際は、42,500,000円で長期の割賦販売契約(55年9月から59年12月まで52回払い)により購入設置していた。しかして、本資金は、貸付年度中又は貸付後1箇月以内に貸付金相当額の支払を完了するものに対して貸し付けるものであるから、本件設備は貸付対象にならないものである。 | ||||||||
(88) | 京都府 | 製材業者 | フォークトラック | 54.12 | 20,100 (10,000) |
8,600 (4,250) |
2,125 | 低額設置 |
この貸付けは、フォークトラック1台の所要資金20,300,000円(うち貸付対象事業費20,100,000円)の一部として貸し付けたもので、20,300,000円で設備が設置されていたとしているが、実際は、この価格より低額な11,700,000円(うち貸付対象事業費11,500,000円)で設置していた。したがって、適切な貸付額は5,750,000円となり、本件貸付額との差額4,250,000円は過大な貸付けとなっている。 | ||||||||
(89) | 大阪府 | 可塑物製品製造業者 | テープコントロールルーター | 55.1 | 24,500 (9,800) |
18,250 (7,300) |
3,650 | 重複融資 |
この貸付けは、テープコントロールルーター(注) 1台の所要資金24,500,000の円(貸付対象事業費同額)の一部として貸し付けたものであるが、借主はこの貸付けを受ける以前に本件貸付対象事業費24,500,000円を対象として中小企業金融公庫から長期資金22,000,000円を借り入れていた。したがって、貸付対象事業費に対する貸付額は、貸付対象事業費24,500,000円から同公庫からの借入額22,000,000円を控除した残額2,500,000円で足り、本件貸付額との差額7,300,000円は過大な貸付けとなっている。 | ||||||||
(注) テープコントロールルーター コンピューターテープの情報を読み取ることにより、プラスチック板等に孔(あな)明けなどの加工をする機械 | ||||||||
(90) | 同 | ねん糸業者 | リングねん糸機 | 55.3 | 15,000 (6,750) |
14,226 (6,401) |
3,200 | 重複融資 |
この貸付けは、リングねん糸機1台の所要資金15,000,000,円(貸付対象事業費同額)の一部として貸し付けたものであるが、借主はこの貸付けを受ける以前に本件貸付対象事業以外の工事費等を合わせ事業費総額20,348,050円を対象として中小企業金融公庫から長期資金20,000,000円を借り入れていた。したがって、貸付対象事業費に対する貸付額は、上記事業費総額20,348,050円から同公庫からの借入額20,000,000円を控除した残額348,050円で足り、本件貸付額との差額6,401,950円は過大な貸付けとなっている。 | ||||||||
(91) | 広島県 | 窯業者 | 丸鋸機 | 55.7 | 15,140 (6,080) |
7,640 (2,330) |
1,165 | 低額設置 |
この貸付けは、丸鋸機1台の所要資金15,140,000円(貸付対象事業費同額)の一部として貸し付けたもので、貸付対象事業費どおりの価格で設備が設置されていたとしているが、実際は、貸付対象事業費より低額な7,500,000円で設置していた。したがって、適切な貸付額は3,750,000円となり、本件貸付額との差額2,330,000円は過大な貸付けとなっている。 | ||||||||
(92) | 大分県 | 鋳物製造業者 | 砂処理機 | 54.9 | 14,500 (6,500) |
14,500 (6,500) |
3,250 | 重複融資 |
この貸付けは、砂処理機一式の所要資金14,500,000円(貸付対象事業費同額)の一部として貸し付けたもので、貸付対象事業費どおりの価格で設備が設置されていたとしているが、実際は、貸付対象事業費より低額な7,460,000円で設置し、借主はこの貸付けを受ける以前に本件貸付対象事業以外の設備費等を合わせ事業費総額26,649,500円を対象として中小企業金融公庫からその事業費の全額について長期資金を借り入れていた。したがって、本件貸付けはその要はないものである。 | ||||||||
(93) | 同 | 印刷業者 | 製版カメラ及び印刷機 | 54.9 | 11,950 (5,400) |
11,950 (5,400) |
2,700 | 貸付対象外 |
この貸付けは、製版カメラ1台及び印刷機2台の所要資金11,950,000円(貸付対象事業費同額)の一部として貸し付けたもので、貸付対象事業費どおりの価格で設備が設置されていたとしているが、実際は、製版カメラは貸付けの前々年度に、印刷機は貸付けの前年度に、総額9,584,407円で設置していた。しかして、本資金は、貸付年度中に設置する設備に対して貸し付けるものであるから、本件設備は貸付対象にならないものである。 | ||||||||
(94) | 宮崎県 | 印刷業者 | オフセット印刷機 | 55.4 | 20,300 (10,000) |
20,300 (10,000) |
5,000 | 貸付対象外 |
この貸付けは、オフセット印刷機1台の所要資金20,300,000円(貸付対象事業費同額)の一部として貸し付けたもので、貸付対象事業費どおりの価格で設備が設置され、昭和55年4月に貸付金相当額が支払われていたとしているが、実際は、同価格で長期の割賦販売契約(54年7月から60年2月まで86回払い)により購入設置していた。しかして、本資金は、貸付年度中又は貸付後1箇月以内に貸付金相当額の支払を完了するものに対して貸し付けるものであるから、本件設備は貸付対象にならないものである。 | ||||||||
計 | 332,602 (155,455) |
259,184 (120,000) |
60,000 |