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  • 昭和55年度|
  • 第3章 会計事務職員に対する検定

国の現金出納職員に対する検定


第1節 国の現金出納職員に対する検定

(概況)

 昭和55年11月から56年10月までの間に、所管庁から現金出納職員の現金亡失についての報告を受理したものは739件255,301,059円である。 これに繰越し分699件10,547,889円を加え、処理を要するものは1,438件265,848,948円であり、これらはいずれも郵政省に係るもので、そのうち上記の期間内に処理をしたものは424件145,640,346円である。
 処理をしたもののうち、現金出納職員に弁償責任があると検定したものは6件1,210,000円、現金出納職員に弁償責任がないと検定したものは17件14,291,964円である。その他の401件130,138,382円は、現金出納職員が現金を亡失したことによって生じた損害の全額が既に補てんされているもの364件88,777,091円、現金出納職員が現金を亡失したことによって生じた損害の全額について国と現金出納職員との間に裁判上の和解が成立しているものなど37件41,361,291円である。

(検定したものの説明)

 弁償責任があると検定したものは6件1,210,000円で、その概要は次のとおりである。

(1) 九州郵政局管内飯塚郵便局出納員石川某が、昭和55年4月16日、窓口において現金の受払事務に従事中、取扱上の過誤により繰替払現金100,000円を亡失したもの

(2) 東京郵政局管内中野郵便局出納員井上某が、昭和51年9月29日、窓口において切手類売さばきなどの事務に従事中、取扱上の過誤により切手類売さばき代金等180,000円を亡失したもの

(3) 東北郵政局管内吉岡郵便局出納員中川某が、昭和52年10月17日、窓口において現金の受払事務に従事中、取扱上の過誤により繰替払現金200,000円を亡失したもの

(4) 近畿郵政局管内吹田郵便局出納員寺嶋某が、昭和54年3月20日、窓口において現金の受払事務に従事中、取扱上の過誤により繰替払現金130,000円を亡失したもの

(5) 東北郵政局管内長井郵便局出納員梅津某が、昭和55年3月15日、窓口において現金の受払事務に従事中、取扱上の過誤により繰替払現金100,000円を亡失したもの

(6) 関東郵政局管内柏郵便局出納員金井某が、昭和53年9月9日、窓口において現金の受払事務に従事中、取扱上の過誤により繰替払現金500,000円を亡失したもの

 次に、弁償責任がないと検定したものは、17件14,291,964円である。これらは、凶器を所持した賊に脅迫され保管していた現金を強取されたもの、金庫が破壊され保管していた現金を窃取されたものなどで、いずれも現金出納職員として善良な管理者の注意を怠ったことによるものでないと認めたものである。