昭和５５年度決算検査報告
この特別会計は、国が行う食糧等の買入れ、売渡し等の管理に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されているもので、国内米管理、国内麦管理、輸入食糧管理、農産物等安定、輸入飼料、業務及び調整の７勘定に区分して経理されている。
（国内米管理勘定）
５５年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額３兆９３７１億７８１８万余円、収納済歳入額３兆９３４７億５８２３万余円、収納未済歳入額２４億１９９５万余円、歳出では、支出済歳出額３兆９２０５億７８４９万余円、翌年度繰越額１６６億０８０５万余円、不用額９０３９億４８６４万余円となっている。
収納未済歳入額の主なものは国内米売払代（徴収決定済額１兆２０８３億８１６０万余円）の２４億１９２２万余円であり、また、翌年度繰越額の主なものは国内米管理費（歳出予算現額３０９６億０２８１万余円）の１６３億５８９４万余円、不用額の主なものは、国内米買入費（同１兆４９７８億９６９６万余円）の４１９９億２９０５万余円及び返還金等他勘定へ繰入（同２兆６８３６億３５４１万余円）の９６７億６６６９万余円である。
前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、国内米の売上げ５６２万余ｔ、買入れ３６６万余ｔであり、５５年度末における在庫は７８８万余ｔとなっている。
なお、５５年度における損益についてみると、売上高等の利益１兆２６９５億７２０７万余円、売上原価等の損失１兆９７０５億８２８０万余円で、７０１０億１０７２万余円の損失を生じており、このうち国内米管理勘定で整理される過剰米処分に係る損失１５３５億７５５６万余円を控除した損失５４７４億３５１６万余円は調整勘定に移して整理されており、また、過剰米処分に係る損失３２２６億５３８９万余円（前年度からの繰越損失１６９０億７８３２万余円、５５年度の損失１５３５億７５５６万余円）のうち４１８億円は一般会計からの受入金をもって補てんされ、残額２８０８億５３８９万余円は繰越損失として整理されている。
（国内麦管理勘定）
５５年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに１３４７億２８９１万余円、歳出では、支出済歳出額１３４０億８６４０万余円、翌年度繰越額１億０８８２万余円、不用額１１６億４９０５万余円となっている。
不用額の主なものは、国内麦買入費（歳出予算現額１０５９億５１６０万余円）の１３億５６２４万余円及び国内麦管理費（同５３億７８８２万余円）の６億０４６９万余円である。
予備費使用額は返還金等他勘定へ繰入（歳出予算額２４５億１３８５万余円）の３億２０３７万余円である。
前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、国内麦類の売上げ６４万余ｔ、買入れ５９万余ｔである。
なお、５５年度における損益についてみると、売上高等の利益３６４億８５３４万余円、売上原価等の損失１２０３億６９３０万余円で、８３８億８３９５万余円の損失を生じており、この損失額は調整勘定に移して整理されている。
（輸入食糧管理勘定）
５５年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに３３９６億９５０３万余円、歳出では、支出済歳出額３３２３億２３９３万余円、翌年度繰越額１６億２２２６万余円、不用額９５１億４３７２万余円となっている。
翌年度繰越額の主なものは輸入食糧買入費（歳出予算現額２３２４億３１７０万余円）の１０億５０３３万余円、輸入食糧管理費（同８１億２３５５万余円）の５億７１９３万余円、不用額の主なものは、返還金等他勘定へ繰入（同１０５５億０３６６万円）の７７億６８０８万余円及び輸入食糧買入費の２９億３７５５万余円である。
予備費使用額は、返還金等他勘定へ繰入（歳出予算額８８５億３４６６万余円）の１６９億６８９９万余円である。
前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、外国麦の売上げ４１８万余ｔ、買入れ４１９万余ｔである。
なお、５５年度における損益についてみると、売上高等の利益３０８０億２８０９万余円、売上原価等の損失２４８３億５７４２万余円で、５９６億７０６７万余円の利益を生じており、この利益額は調整勘定に移して整理されている
（農産物等安定勘定）
５５年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに１５７億３０３２万余円、歳出では、支出済歳出額１５７億３０３２万余円、翌年度繰越額４３０４万余円、不用額４６億７６９９万余円となっている。不用額の主なものは、農産物等買入費（歳出予算現額２億７３２５万円）の２億７３２５万円及び返還金等他勘定へ繰入（同１５４億３２８７万余円）の２億６８９２万余円である。
上記の収入支出に係る業務実績は馬れいしょでん紛の売上２万余ｔである。
なお、５５年度における損益についてみると、売上高の利益３４億４６３６万余円、売上原価等の損失４３億２００４万余円で、８億７３６７余円の損失を生じており、この損失額のうち８億２６５１万余円は一般会計からの受入金をもって補てんされ、残額４７１６万余円は繰越損失として整理されている。
（輸入飼料勘定）
５５年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに１６４９億６４８４万余円、歳出では、支出済歳出額１６４８億８１１２万余円、翌年度繰越額９億０７２５万余円、不用額４６０億０１１７万余円となっている。不用額の主なものは、返還金等他勘定へ繰入（歳出予算現額２８２億１５５１万余円）の２３億２１１４万余円及び輸入飼料管理費（同８４億７４７８万余円）の２０億５５９３万余円である。
予備費使用額は輸入飼料買入費（歳出予算額１２４１億２６４２万余円）の１０４億１４３９万余円である。
前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、外国麦の売上げ２７９万余ｔ、買入れ２７７万余ｔである。
なお、５５年度における損益についてみると、売上高等の利益１２６１億４９０２万余円、売上原価等の損失１３９３億３０５９万余円で、１３１億８１５６万余円の損失を生じており、この損失額は一般会計からの受入金をもって補てんされている。
（業務勘定）
５５年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額１５１８億５７８７万余円、収納済歳入額１５１８億５６３６万余円、収納未済歳入額１５０万余円、歳出では、支出済歳出額１５０９億１５６８万余円、翌年度繰越額９億３９４１万余円、不用額４７億１６１６万余円となっている。
翌年度繰越額の主なものは事務費（歳出予算現額１２２３億３９４５万余円）の８億２６１９万余円、不用額の主なものは事務費の１７億８９５９万余円及び返還金調整勘定へ繰入（同３０８億９７６３万余円）の９億０６３１万余円である。
なお、５５年度における損益についてみると、国内米管理勘定より業務経費受入等の利益１３４０億５０５４万余円、一般管理費等の損失１１９１億６２０６万余円で、１４８億８８４８万余円の利益を生じており、この利益額は国有財産再評価益として前年度分と合わせ３６４億４７８６万余円が繰越整理されている。
（調整勘定）
５５年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに５兆５０７５億４３７０万余円、歳出では、支出済歳出額５兆５０７５億４３７０万余円、不用額９９８２億６７８３万余円となっている。不用額は、食糧買入費等財源他勘定へ繰入（歳出予算現額３兆７８１６億８２４７万余円）の９０３６億０７５２万余円及び国債整理基金特別会計へ繰入（同２兆７２４１億２９０６万余円）の ９４６億６０３１万余円である。
なお、５５年度における損益についてみると、食糧証券割引差額等の損失１５５３億８７３１万余円で、利益は損失と同額を国内米管理ほか４勘定から食糧証券割引差額等受入として受け入れている。５５年度末における調整資金の現在額は、７１０６億８９１６万余円となっているが、これを翌年度へ繰り越す際、食糧管理勘定から移された５５年度の損益の差引損失額５７１６億４８４４万余円が減額整理されている。また、５５年度末における食糧証券発行高は２兆２３３０億円となっている。