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  • 昭和55年度|
  • 第4章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第1 歳入歳出決算|
  • 2 特別会計

労働保険特別会計


(35) 労働省所管 労働保険特別会計

 この特別会計は、労働者災害補償保険事業及び雇用保険事業に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されているもので、労災、雇用及び徴収の3勘定に区分して経理されている。

(労災勘定)

 55年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額1兆1631億5510万余円、収納済歳入額1兆1557億3773万余円、不納欠損額1億3011万余円、収納未済歳入額72億8726万余円、歳出では、支出済歳出額7670億5457万余円、翌年度繰越額11億6307万余円、不用額4383億9088万余円となっている。
 収納未済歳入額はすべて雑収入(徴収決定済額240億5227万余円)の分であり、また、翌年度繰越額は、労働福祉事業費(歳出予算現額1492億9698万余円)の6億2249万余円及び施設整備費(同19億5842万余円)の5億4058万余円、不用額の主なものは、保険給付費(同6117億6790万余円)の444億7945万余円及び労働福祉事業費の206億1914万余円である。
 前記の経理の基礎となった55年度における労働者災害補償保険の適用事業場数は183万余であり、また、前記の支出に係る業務実績の主なものは、療養補償給付2001億7239万余円及び休業補償給付1209億1026万余円の支給である。
 なお、55年度における損益についてみると、徴収勘定より受入等の利益1兆2538億5958万余円、保険給付費等の損失1兆1421億6665万余円で、1116億9293万余円の利益を生じており、前年度からの繰越利益と合わせ1976億9021万余円が翌年度へ繰り越されている。

(雇用勘定)

 55年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額1兆3140億8590万余円、収納済歳入額1兆3120億2353万余円、不納欠損額1億0956万余円、収納未済歳入額19億5279万余円、歳出では、支出済歳出額1兆2580億7961万余円、翌年度繰越額7億1695万余円、不用額3244億1427万余円となっている。
 収納未済歳入額はすべて雑収入(徴収決定済額74億9450万余円)の分であり、また、翌年度繰越額の主なものは施設整備費(歳出予算現額37億1160万余円)の5億9695万余円、不用額の主なものは失業給付費(同1兆0890億1882万余円)の1335億8236万余円である。
 予備費使用額は雇用安定等事業費(歳出予算額1650億6442万余円)の55億3008万余円である。
 前記の経理の基礎となった55年度における雇用保険の被保険者数は2551万余人であり、また、前記の支出に係る業務実績の主なものは、一般求職者給付7745億9362万余円、短期雇用特例求職者給付1440億5264万余円及び雇用安定給付金870億8766万余円の支給である。
 なお、55年度における損益についてみると、徴収勘定より受入等の利益1兆4619億1520万余円、失業給付費等の損失1兆3581億0595万余円で、1038億0925万余円の利益を生じており、前年度からの繰越利益と合わせ1兆0839億3970万余円が翌年度へ繰り越されている。また、55年度末における積立金の現在額は5318億7516万余円、雇用安定資金の現在額は2278億1528万余円となっている。

(徴収勘定)

 55年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額1兆9139億4402万余円、収納済歳入額1兆8772億3971万余円、不納欠損額14億9121万余円、収納未済歳入額352億1309万余円、歳出では、支出済歳出額1兆8740億4939万余円、不用額1190億4600万余円となっている。
 不納欠損額の主なものは保険料収入(徴収決定済額1兆8673億2023万余円)の14億4427万余円、収納未済歳入額は、保険料収入の345億6188万余円及び雑収入(同25億2237万余円)6億5121万余円であり、また、不用額の主なものは、他勘定へ繰入(歳出予算現額1兆9494億7981万余円)の1143億0516万余円及び保険料返還金(同228億2669万余円)の32億1270万余円である。
 なお、55年度における損益についてみると、保険料等の利益1兆8840億4200万余円、雇用勘定へ繰入等の損失1兆8837億9268万余円で、2億4931万余円の利益を生じており、前年度からの繰越利益と合わせ27億8459万余円が翌年度へ繰り越されている。