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  • 昭和55年度|
  • 第4章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他6団体の決算

石油公団


(9) 石油公団

 この公団は、石油及び可燃性天然ガス(以下「石油等」という。)の探鉱等に必要な資金の供給その他石油等の資源の開発に必要な資金の融通を円滑にするなどのために必要な業務を行うことにより、石油等の資源の開発を促進し、並びに石油の備蓄及びこれに必要な資金の供給を行うことにより石油の備蓄の増強を推進し、石油等の安定的かつ低廉な供給の確保を図ることを目的として設置されているもので、55事業年度末現在の資本金は4589億4901万余円(全額国の出資)となっており、同公団の会計は、一般、石油備蓄の2勘定に区分して経理されている。

(一般勘定)

 (この勘定は、石油等の探鉱等に必要な資金の投融資等の業務に関する経理を行うものである。)

 55事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額373億7598万余円、支出では、支出決定済額195億9892万余円、翌事業年度繰越額11億2463万余円、不用額10億5217万余円となっている。
 翌事業年度繰越額の主なものは石油開発促進事業費(支出予算現額41億0137万余円)の8億7569万余円であり、不用額の主なものは、受託業務費(同41億4987万余円)の3億0778万余円及び石油開発促進事業費の3億0262万余円である。
 前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、海外及び本邦周辺の海域における石油等の探鉱等に対する投融資であり、投融資の実行163件823億3272万余円、投融資の回収等291億2929万余円で、55事業年度末における投融資残高771件4401億6177万余円となっている。
 なお、55事業年度における損益についてみると、受取配当金等の収益、出資株式処分損等の費用ともに512億0736万余円となっている。また、同事業年度末における借入金の残高は586億円(全額資金運用部資金からの借入金)、石油債券の発行残高は611億6940万円となっている。

(石油備蓄勘定)

 この勘定は、公団石油備蓄及び石油の備蓄増強に必要な資金の投融資の業務に関する経理を行うものである。

 55事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額925億9901万余円、支出では、支出決定済額925億7510万余円、翌事業年度繰越額19億2683万余円、不用額204億3292万余円となっている。
 翌事業年度繰越額はすべて受託業務費(支出予算現額39億7316万余円)の分であり、不用額の主なものは、公団石油備蓄業務費(同772億9890万余円)の190億8499万余円及び備蓄増強対策投融資業務費(同336億6279万余円)の13億4690万余円である。
 前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、公団石油備蓄のための石油182万余klの購入、及び石油精製業者等が行う備蓄増強のための石油購入資金の貸付け676件1884億1113万円、貸付金の回収585億7633万円で、55事業年度末における投融資残高1,940件5569億7780万円となっている。
 なお、55事業年度における損益についてみると、公団備蓄石油譲渡収入等の収益、公団備蓄石油損失準備金繰入等の費用ともに3184億0220万余円となっている。また、同事業年度末における借入金の残高は5491億9659万余円(資金運用部資金及び市中金融機関からの借入金)、石油債券の発行残高は1321億7800万円となっている。