この事業団は、工場等の事業活動に伴う大気の汚染、水質の汚濁等による公害が著しく又は著しくなるおそれがある地域における公害を防止するため、必要な施設を設置する資金を貸し付ける貸付事業と共同公害防止施設、工場移転用地等を造成建設し譲渡する造成建設事業とを行い、生活環境の維持改善及び産業の健全な発展に資することを目的として設置されているもので、55事業年度末現在の資本金は4億円(全額国の出資)となっている。
55事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額1156億6175万余円、支出では、支出決定済額1153億8121万余円、翌事業年度繰越額59億0085万余円、不用額96億9335万余円となっている。
翌事業年度繰越額の主なものは造成建設費(支出予算現額431億2225万余円)の50億1085万余円、不用額の主なものは造成建設費の81億3206万余円である。
前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、貸付事業では、貸付け92件229億9380万円、貸付金回収471億2633万余円で、55事業年度末における貸付金の残高は2,308件2137億4814万余円となっていて、このうち弁済期限を6箇月以上経過した元金延滞額は12億2251万余円(うち1年以上延滞のもの11億9651万余円)となっており、また、造成建設事業では、共同利用建物、工場移転用地等を完成して譲渡したもの17件249億4849万余円、譲渡元金収入105億3656万余円で、55事業年度末における割賦譲渡元金の残高は1321億8828万余円となっている。
なお、55事業年度における損益についてみると、貸付金利息収入等の収益379億4595万余円、借入金利息等の費用379億4636万余円で、41万余円の欠損金を生じており、前事業年度からの繰越欠損金と合わせ5億7296万余円が翌事業年度へ繰り越されている。また、55事業年度末における借入金の残高は3778億8613万余円(全額資金運用部資金からの借入金)となっている。