昭和５５年度決算検査報告
この事業団は、地方公共団体等の要請に基づき、下水道の根幹的施設の建設、維持管理及び下水道に関する技術的援助を行うとともに、下水道技術者の養成並びに下水道に関する技術の開発及び実用化を図ることなどにより、下水道の整備を促進し、生活環境の改善と公共用水域の水質の保全に寄与することを目的として設置されているもので、５５事業年度末現在の資本金は１５億７４００万円（うち国の出資９億３７００万円）となっており、同事業団の会計は、受託業務、一般業務の２勘定に区分して経理されている。
（受託業務勘定）
５５事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額１３５１億４７９２万余円、支出では、支出決定済額１３５１億２６８２万余円、翌事業年度繰越額７億６８７５万余円、不用額６２億６５８９万余円となっている。
翌事業年度繰越額の主なものは受託工事業務費（支出予算現額１２７９億５４４７万余円）の６億６００５万余円であり、不用額の主なものは受託工事業務費の５５億２１２３万余円である。
前記の支出に係る業務実績の主なものは、１１１地方公共団体からの委託を受けて施行した下水道の終末処理場等１１６箇所、管きょ４，６６８ｍ建設である。なお、５５事業年度における損益についてみると、受託工事収入等の収益１２８２億１８７５万余円、受託工事業務費等の費用１２８１億５１７５万余円で、６７００万円の純利益を生じており、前事業年度から繰り越された積立金と合わせ７億２４０５万余円が積立金として積み立てられている。同事業年度末における借入金の残高は６５億６７６５万余円（全額市中銀行からの借入金）となっている。
（一般業務勘定）
５５事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額１４億２０４３万余円、支出では、支出決定済額１２億６５８６万余円、翌事業年度繰越額１億円、不用額１４２４万余円となっている。
なお、５５事業年度における損益についてみると、補助金等の収益１２億４５９２万余円、一般管理費等の費用１２億７１０８万余円で、２５１６万余円の純損失を生じており、前事業年度からの繰越欠損金と合わせ７６１６万余円が翌事業年度に繰り越されている。