農林水産省が補助金を交付している自然休養村整備事業で、地理的条件及び観光農業に対する農業者の意向等に関する調査検討を十分行わないまま事業計画を策定したため、中途で事業計画を大幅に縮小し、観光又はレクリエーションに関連する施設等の設置を取りやめていて自然休養村としての実体をなしていないもの、また、観光客の動態、施設の管理運営等に関する調査検討を十分行わないまま策定された事業計画に基づいて事業を実施したなどのため、経営困難となり、施設等を無断で処分していたり、施設等が全く利用されていなかったりなどしているものが多数見受けられたので、早急に関係道県に事業主体の体制整備を図らせることはもとより、今後この種事業の実施に当たっては、都道府県をして市町村が適切な事業計画を策定するよう指導を徹底させるとともに、事業計画達成年度に至るまでの事業達成状況を的確に把握させ、その結果を踏まえた適切な指導を行わせるなどして補助の効果を上げる要があると認め、昭和56年11月に是正改善の処置を要求じた。
これに対し、農林水産省では、57年3月に地方農政局等に対し通達を発し、本院指摘の趣旨に沿い、指摘した事業については事業効果の確保を図るための具体的な措置を指示するとともに、今後同種事業の実施に当たって適切な事業計画を策定させるよう具体的な手続を定めるなどして、補助の効果を上げるための処置を講じたほか、特に自然休養村整備事業については同年6月に重ねて通達を発し、新たに自然休養村整備事業完了地区管理運営指導事業(補助事業)により同事業の実施市町村に利用実態の調査を行わせ、その利活用推進計画を作成させ、施設等の効率的な利活用を図らせることとした。