住宅・都市整備公団では、昭和49年度から貸家経営を行おうとする土地の所有権又は借地権を有する者の敷地に公団の資金により民営賃貸用特定分譲住宅(併存施設を含む。以下「民賃住宅」という。)を建設し、これを譲渡する事業を実施しているが、譲受申込みに対する審査が十分でなかったり、譲渡後における割賦償還金の滞納者に対する措置が緩慢であったなどのため、割賦償還金の長期にわたる滞納が多額に上っている事態が見受けられたので、これらについて適切な対応策を講じて早期に滞納の事態の解消を図り、また、今後の建設及び譲渡に当たって適切な審査及び滞納発生後の処理を行うための具体的な基準や指針を整備する処置を講ずるとともに、これが厳正に励行されるよう指導監督を徹底するなどして業務の適切な運営を図る要があると認め、57年11月に是正改善の処置を要求した。
これに対し、住宅・都市整備公団では、本院指摘の趣旨に沿い、各支社に民賃住宅特別対策班を設けて長期滞納の事態の解消を図るとともに、58年3月から6月の間に、民賃住宅の建設及び譲渡に関する審査、債権保全及び滞納発生後の措置の強化、徹底のため制度を改善したり、基準を整備したりするなどの処置を講じた。