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  • 昭和58年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
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船員保険の保険料の徴収に当たり、徴収額が不足していたもの


(23) 船員保険の保険料の徴収に当たり、徴収額が不足していたもの

会計名及び科目 船員保険特別会計 (款)保険収入 (項)保険料収入
部局等の名称 宮城県ほか8府県(7保険課及び2社会保険事務所)
保険料納付義務者 77船舶所有者

 上記の77船舶所有者から保険料を徴収するに当たって、調査が十分でなかったため、78,893,386円が徴収不足になっていた。これらについては、本院の注意により、すべて徴収決定の処置が執られた。これを府県ごとに集計して掲げると別表 のとおりである。
 これは、宮城県ほか8府県の7保険課及び2社会保険事務所管内の1,391船舶所有者のうち181船舶所有者について本院が調査した結果である。

(説明)

 船員保険は、主として総トン数5トン以上の船舶を所有する者(船舶の借入人等を含む。以下同じ。)に雇用される船長、海員及び予備船員を被保険者として疾病、負傷、失業、老齢等に関し保険金、年金等の給付を行う保険である。そして、その保険料は、被保険者と船舶所有者とが負担し、船舶所有者が納付することとなっている。船舶所有者は、所轄の都道府県に対し、新たに船長等を雇用したときには資格取得年月日、報酬月額等を記載した被保険者資格取得届を提出するほか、被保険者の報酬が歩合により定められているときには毎年9月10日までに同月1日現在において報酬月額を算定記載した報酬月額基準日届を、また、被保険者の報酬月額が従前に比べて一定以上増減したときには報酬月額変更届を提出することになっており、これらの届け書の提出を受けた都道府県は、届け書に記載された被保険者の報酬月額に基づいて標準報酬月額(注) を決定し、これに保険料率を乗じて得た額を保険料として徴収している。
 しかして、保険料徴収の適否について検査したところ、前記の9府県では、船舶所有者が上記の届出に当たり、報酬月額に算入しなければならない諸手当を脱漏していたり、被保険者の歩合金の算定を誤っていたりなどしていたものがあったのに、これに対する調査が十分でなかったため、本院が調査した181船舶所有者分のうちの77船舶所有者分78,893,386円が徴収不足になっていた。

(注)  標準報酬月額 第1級45,000円から第36級440,000円までの等級にそれぞれ区分されるもので、被保険者に実際に支給される報酬月額はこの等級のいずれかに当てはめられる。

(別表)

府県名 本院が調査した 船舶所有者数 徴収不足があった船舶所有者数 徴収不足額

宮城県

33

16
千円
13,845
千葉県 36 15 15,804
神奈川県 44 11 12,310
石川県 14 10 14,832
京都府 2 1 687
鳥取県 12 10 13,219
島根県 16 6 2,835
福岡県 14 3 1,242
佐賀県 10 5 4,115
 計 181 77 78,893

備考 鳥取県の分は米子社会保険事務所、島根県の分は松江社会保険事務所、その他の府県の分は保険課所掌のものである。