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  • 昭和58年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
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  • 保険

健康保険の傷病手当金の支給が適正でなかったもの


(24) 健康保険の傷病手当金の支給が適正でなかったもの

会計名及び科目 厚生保険特別会計 (健康勘定) (項)保険給付費
部局等の名称 岩手県ほか13都府県(31社会保険事務所)
受給者 547人
傷病手当金の支給額の合計 83,492,246円

 上記の547人に傷病手当金83,492,246円を支給しているが、支給に当たって調査が十分でなかったため、23,291,008円が不適正に支給されていた。これらについては、本院の注意により、すべて返還の処置が執られた。これを都府県ごとに集計して掲げると別表 のとおりである。
 これは、北海道ほか25都府県の51社会保険事務所において傷病手当金の支給を受けた10,948人について本院が調査した結果である。

(説明)

 健康保険は、主として常時5人以上の従業員を雇用する事業所の従業員を被保険者として、業務外の疾病、負傷等に関し医療給付、療養費及び傷病手当金等の支給を行う保険である。このうち傷病手当金については、都道府県は被保険者から事業主が証明した労務に服さなかった期間及びその期間の報酬の額等を記載した傷病手当金請求書の提出を受け、その記載内容を確認して支給することとしている。この傷病手当金は、療養のため労務に服することができなくなった日より起算して4日目から1日につき標準報酬日額の100分の60(被扶養者のいない被保険者が入院した場合は100分の40)に相当する額を1年6箇月を限度として支給することになっており、事業主から労務に服さなかった期間について報酬が支給される者に対しては、その報酬の額が傷病手当金の額を超えるときは支給しないことになっており、報酬の額が傷病手当金の額より少ないときはその差額を支給することになっている。
 しかして、傷病手当金の支給の適否について検査したところ、前記の26都道府県のうち岩手県ほか13都府県では、被保険者が労務に服さなかった期間について事業主から報酬を受けているのに受けていないとしていたり、事業所へ出勤している期間について労務に服さなかったとしていたりするなど上記傷病手当金請求書の記載内容が事実と相違しているものがあったにもかかわらず、同請求書に対する調査確認が十分でないまま支給の決定を行ったため、本院で調査した受給者7,103人分の支給のうち547人分83,492,246円について23,291,008円が不適正に支給されていた。

(別表)

都府県名 社会保険事務所 本院が調査した受給者数 不適正受給者数 左の受給者に支給した傷病手当金 左のうち不適正傷病手当金
岩手県 盛岡ほか2
386

11
千円
1,855
千円
500
宮城県 石巻 201 36 8,520 4,134
千葉県 千葉 161 33 5,905 1,576
東京都 日本橋ほか7 1,957 68 10,864 4,008
神奈川県 鶴見 282 10 1,937 1,200
富山県 富山ほか1 353 24 2,504 565
京都府 下京ほか1 401 82 13,248 3,222
大阪府 天満ほか2 838 34 3,365 1,219
奈良県 奈良ほか1 305 65 7,390 1,047
岡山県 岡山東ほか1 388 20 5,209 1,513
徳島県 徳島南ほか1 423 41 6,653 1,460
福岡県 久留米 430 7 1,144 523
佐賀県 佐賀 586 38 5,371 608
鹿児島県 鹿児島南ほか1 392 78 9,522 1,711

31箇所 7,103 547 83,492 23,291